2023年1月15日日曜日

「臥薪嘗胆、努力が実を結ぶ!」

 今日は中学入試、区分は「1次B入試」である。昨日の14日は近畿2府4県の私立中学が「統一試験日」を設け、本校では夕刻から「1次A入試」「1次A選抜入試」として一日に2回目の試験を実施した。合否判定会議などで私は帰宅したのが22時頃になっていた。それぞれの学校は昨夜中にWEBでの合否発表などを行っているから、受験生には連日となるが、今日のB入試は本校を不合格になり再トライ、あるいは望むコースへの格上げ合格を目指す者、他校を受けて残念な結果に終わり本校に狙いを定めて受験に来る者等、様々である。3連続試験は小学校6年生には少し「きつい!」と思う。痛々しく感じるが、傍に寄り添う保護者の気持ちも良く分かるだけに私は私立中学の今の受験状況について憂うるのだが、これが現実であり、これ以上の言葉は今はない。 



平成19年の浪速改革以来、統計的に新記録となった受験者数を数え、私は満足している。「問題は実際の入学者数」であるが、こればかりは現段階では何とも言えない。本校もまだ明日の選抜、17日の2次入試、そして2月入試と続く。それでも開校100周年目の4月には昨年は超えるだろうことが見えて来た。新記録となるかどうかは分からないがそれも視野に入って来た。「4月に着工する新しい浪速中学校棟」への心意気もこれで上がった。学院神社大神様のお蔭であろうか。私は運が良い男だ。私は中学校校舎内を歩き、大改造した現在の教室も後2年で新校舎に移る。感無量だ。合否発表で歓喜した受験生と保護者は事務室前に並んで入学の手続きに入った。この光景を見るとほっと安堵し、今の仕事の面白さに喜びが身体中を駆け巡るのである。



 
中学校募集活動は制約もあって結構しんどい。元来保守的な教育界は簡単には認知して貰えない面がある。昨日のアラウンドでも書いたが平成12年から平成18年まで30人台の時代が7年も続いた。「どん底」の時に着任した私は中学校の状態に驚き慄いた。考えられる対策を打ちながら人的資源も投入した。校長は木村、竹島、宮、中村と4代に亘って改革を進め今になった。その歩みは平成19年、70人と反転攻勢に出てから107人、120人、121人となったが、この3年間は某大学との連携を考えた3年であったが失敗した。裏切られた思いは今でも心の奥底にあるが私の「焦り」であったと思う。今更過去を悔やんでも仕方がない。その後88人、67人と低迷したが「臥薪嘗胆」、平成27年から94人、95人、91人と徐々に回復した。



 そして「御代替わり」の前年の平成30年、初めて102人となったのである。三桁である。平成31年108人、令和2年度137人、令和3年度136人、そして昨年度が133人となり令和の時代からそれまでの3クラスが4クラスとなった。実に「10年の苦闘の歴史」である。しかし私は2年連続「右肩下がり」の傾向に強い危機感を持ち昨年の4月から中高の担当者を明確に区分し「中学校募集活動」を一段と強化した。創立100周年目に低下傾向では様にならないからだ。その結果が昨日、今日のアラウンドなのである。入試広報部を統括している中学校の中村校長先生以下の関係者の努力に心から感謝致したい。有難うございました。



2023年1月14日土曜日

大阪の私立中学

 今日は浪速中学校の入学試験日である。残念ながら雨の中の入試となった。しかしそれほど気温は低くは無いから受験生にとっては今までの努力を最大限に発揮できるよう、頑張って欲しいと思う。「関西24県(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県)の私立中学校の統一入試日1月14日(土)」であり、この日程だけは「重大な取り決め事項」で勝手に動かせないが、これ以降は各学校単位で異なってくる。本校では今日が1次A入試、夕方には1次A選抜、明日は1次B入試、そして16日が1次B選抜入試、そして17日に2次入試としている。更に2月入試も計画している。受験生に選択の機会を多く持って貰うための措置である。 



大阪府の私立中学の数は59校あり2023年度入試の募集人数は7418人である。これに対して今日、一生懸命入試問題に取り組んでいる小学校6年生の数は1月13日発表で9293人となっていた。この数値は昨年よりも223人増えており、徐々にではあるが「私学中学人気」が高まっていることが分かる。背景はコロナ対策でより私立の優位性、例えばオンライン授業とかの教育環境が評価されたものだと考えているが、私立高校程に私立中学校人気が沸騰しないのは教育行政施策の影響があると私は思っている。要は私立高校に比べ、私立中学への行政支援は厚くなく、「義務教育だから別に私立に行かなくとも、公立で良いのでは?」という感覚がまだ国民各層に強く残っているという思いから行政は、私立中学への行政施策の拡大にブレーキをかけているのではないかと想像している。 



端的に言えば大阪で言えば府内の私立高校(全日制96校、中等1校、通信制11校)全体で何と約45%の生徒を預かっており、これは全国で3位に位置し、31年前に比べ10%の増である。これは「大阪維新の会」による全国に先駆けての実質授業料無償化施策が効いているのは間違いない。「本当に有難かった」。この施策により我々は学校改革にまい進し、大規模な学校へと変身でき、安定した経営が成り立ったと言える。ところが私立中学で言えば約10%程度であり余りにも私立中学は枠外、例外扱いと言う感じが私の思いの中にある。96校の全日制高校の内、60校は併設の私立中を経営しており、中学校経営で中々の苦労をしているのが現状なのである。その理由は明快で、数値で示せば「経常費補助金」は国の財源措置を大幅に下回っているからである。特に中学校では平成20年から経常費補助金を25%カットされ、平成26年度から15%に見直されたものの未だに継続されている状況である。 

我々私立中学関係者としては何とか補助金の100%復活を大阪府にお願いしているところだ。少なくとも国の財源措置額までには戻して頂きたいと強く願っている。令和4年度の生徒一人当たりの経常費単価で言えば国と大阪府の差は中学で77578円、高校で23210円であり、近畿6府県で高校、中学共にワースト1、全国比較では高校でワースト2、中学でワースト3位である。「大阪の教育日本一」の実現に向けて我々私立側はより一層社会の要請、府民のニーズに応え、特色教育に更に邁進する覚悟であり、まず取り敢えず、私立中学の補助金を元に戻して頂きたいとただただ願うばかりである。

2023年1月13日金曜日

継続は力なり、諦めてはならない!

新年になって初めて新浪速中学校棟の建設現場の視察に赴いた。昨年末に最後のコンクリートを打っており、これで外郭・骨格は固まったから今後は内外装の工事に入って来る。まさに工事は「佳境に入った」。2階部分は既に「窓枠サッシの工事」に入っていた。「これからは早いぞ!」特に今回の目玉はここNS館と引き続いて工事に入る中学校棟との境界にある「外階段(非常階段)」が4階まで打たれていたから建屋内の歩行が極めて楽であった。「各教室は広く、広く」感じた。これが中央館と連結され、繋ぎの廊下部分は建屋内になったから風雨などは問題とならないデザインとなる。生徒の為に工夫を凝らした設計だ。私は工事課長さんに申し上げた。「これからも例え設計と違っても、気づけば可能な限り、開口部を広げるように!」と。後で施主の私が「ここは“はつれ”!」と言わさないようにとの事前予告である。




素晴らしいNS館になるだろう。当面は高校側の教室として将来的には中学校との共用、その後は中学校が占用する可能性を考え、私は「連結校舎」に拘った。3階建てのNS館、6階建ての中学校棟が一体化した建物などは今まで見たことが無い。「本邦初」と言っても良いかも。建設現場で働いている皆さんは「良いお顔」をされていた。それは仕事の中身が良いからだと思う。やりがいと完成後、この建物の役割が未来を担う子供たちの学習の場だということが責任感と仕事の喜びに繋がっているからだ。少子化の中でも、次々と矢継ぎ早に教育環境の整備充実に対応している本学院の教職員は誇って良い。それは君たちが頑張ってきたからこそ可能となった話だからである。 



今朝の朝刊各紙は2023年度入試の府内私立中学59校の応募状況が大きく記事になっている。例年の事だがこれで大体4月の私立中学の各校別入学者数値が読めてくる。ただこれらの数値は10日現在であるから14日に一斉に始まる入学試験当日までにまだまだ変動はある。浪速中学で言えば新聞記事では90人の募集で145人となっているが今朝の段階で156人まで膨れている。昨年同じ新聞記事では59校中26位であったが今回は20位に躍進している。遂に59校中トップ20位以内に入るようになった。実に感慨深い。

 それにしても私は思う。「継続こそ力」であり、「キープ ゴーイング」こそ重要であると。「あの時、あのようにしなければ・・・」と人間誰しも思うものだが中学校に関して言えばまさしくそのことが心にぐさりと来る。止めずにあのまま頑張っておればと思うのだ。大正12年(1923)今から100年前に旧制浪速中学校は創立された。しかし何と昭和33年(1958)に募集を停止したのだ。「35歳で一度は死んだ」のである。しかし昔を懐かしむOB先輩達の「復活の声高く」、27年後の昭和60年(1985)日本がバブル景気の最中に法人は再度中学校の募集を再開した。しかし世の中は甘くはなかった。生徒は集まらず「長い、長い、辛くて苦しい時代」を経た。

何と一桁の30人一クラス時代が7年間も続き、この時に私は再度中学校の閉鎖も視野に入れながら、平成18年理事長・高校、中学校長兼務でこの学校に着任した。しかし「ここで止めては後で永遠に後悔するかも」と考えを改めた。「継続こそ力なり,もう一回やってみよう」と胸に刻んだのである。間髪入れず男子中学から共学中学にし、あらゆる改革を推し進め、徐々に浪速中学は息を吹き返した。この間実に16年もかかった。そして遂にトップ20位に位置されるような私立中学校になったのである。「まだまだ浪速中学校は伸びる、伸ばして見せる! 」

2023年1月11日水曜日

劇団自由人会 「カーリーの青春」

 私には懇意にしている演劇集団がある。神戸に本拠を持つ「劇団自由人会」であるが、その経緯は生徒への芸術芸能鑑賞会に「古事記」をテーマにした演劇を鑑賞させようと考えたことから始まった。ところが古事記の神話伝説を舞台に持つ劇団が当時見当たらず、仕方なく創作して貰うことを決めたのである。その行きついた劇団が大阪に近い神戸にあり、学校公演に多くの実績を持つ自由人会であった。その座付きというか専属の脚本家、演出家である「ふるかわ照先生と劇団の代表である森もりこ先生」が本日来校された。当方のご招待である。演劇活動は極めて効率の悪い芸術活動であるがこの方々は志を以って地道に活動を続けておられ、このような人々に対して活動の場所を提供するのは教育活動に従事している我々の責務の一つだと私は考えている。


 
久し振りに本日、ふるかわ先生と森代表が来校されて私と親しく懇談した。目的は今年本校が創立100年を迎えるにあたり「100周年記念藝術鑑賞会」として自由人会にお願いしたいと考えたからであるが、課題はどのような演目を出すかであった。昨年11月29日に枚方市の総合文化芸術センターで「ベニスの商人」が出され私は鑑賞に行ったのであるが、これはシェイクスピア原作の有名な作品ではあるが少し生徒には難しいかなという感じを持った。それに話が暗い。その後新たな候補として「カーリーの青春」が上がり、4分程度のDVDを頂き内容の吟味をした。そして今日、二人の責任者をお招きし、お話を伺って演目の結論を出した。それが「カーリーの青春」である。

 


この演目は自由人会が既に1750ステージを突破し、112万人が涙した劇団自由人会不朽の名作であり、オリジナル作品である。愛することは生きる事。生きる事は信じる事だと教え、愛が如何に人間を豊かにするか、青少年の未来を照らす心温まる感動作だと脚本、演出のふるかわ先生は強調された。本年6月15日堺市の「フェニーチェ堺」にて午前、午後2回に分けて総勢2600人を超える中学、高校生に鑑賞して貰うことが今日決定した。芸術芸能大好き人間の私はこの15年間全ての演目を自らが決めて来た。平成24年「ふることふみ 古事記」、平成26年「知覧の桜―未来の僕たちへ」と続いた劇団自由人会は総力を挙げて100周年記念事業を祝ってくださると言う。大いに楽しみである。 


ところで総勢2600人と書いたが修正しようと思う。7日から始まった高校の教育相談の数は「浪速の勢い」と言うべきか、依然として衰えず、中学もWEB出願数は新記録となる様相であり、「捕らぬ狸」ではないが総勢で2700人を超えることはどうも間違いなさそうである。嬉しい悲鳴であり、今建設中のNS館を作る決断の正しかったことに今更ながら喜んでいる。


2023年1月10日火曜日

昨日は久方ぶりの結婚式参列

 公立学校は今日が始業式であり、企業でも今日から仕事初めのところが多い。本校でも実質的には今日から大きく動き始めた。お付き合い頂いている複数の会社さんからもご丁重に新年のご挨拶を受けた。又今日は「大阪私学新春互例会」が都島区の私学会館で午後3時からあり、ここは私自身が参列することにした。今年は「4月30日に創立100周年」を迎えるから、大阪私学連合会のメンバーでもあり、互例会に出て顔を合わせる方々にご挨拶するのが礼儀だと考えたのである。「新年挨拶」はこのように美しい日本文化であり、私は今後とも大切にすべきだと思っている。 

高校の入試の教育相談は恐らく今週末で大半が終わり、この結果によって今年の入学者数の予想がつく。今朝の早い段階から中央館2階のコスモススペースは公立中学校の先生方の待合場所にしているのだが、混みあっていた。今日は打って変わって肌寒い日になったが、わざわざのご来校有難い限りである。中学入試は今週末の「14日(土)が1次A入試」で翌「15日(日)に1次B入試」だからこれで大体の終着駅が見えてくるだろう。高校、中学共に4月入学者の数は「まぁ安堵できる数値かも知れない」と現段階では言えることが幸せだ。そして「14,15日と大学入学共通テスト」があり、こちらも大変であり、今日以降、学校は気が抜けない臨戦態勢に入ったと言える。 


昨日の9日は本校の某男性専任教諭の結婚式があり、お招きがあって参列した。仕事柄このような機会は多く、私は全てに参列し主賓としてのお祝いの言葉を述べて来たが久方ぶりの結婚式であった。まずコロナ禍の中であるが、感染予防に厳重に配慮して式典を行った勇気を称えたいと思う。参列者を極力絞り、それでも「生涯の記念、節目、第二の人生のスタート」として両親、親族、友人、職場の上司や同僚の前で「華燭の典」を上げると言う行為は最大限に称賛されて良い。今回の式典への参列者は私と中高の校長、同僚からは男女各1名で本校からは5人であった。それで良いと思う。私は心を込めて主賓の挨拶をした。 


結婚式を挙げる行為は人それぞれに環境や考えの違いがあって、それはそれで良いが、個人的には「披露宴」という言葉があるように結婚式と言うのは「濃い繋がりある人々に披露する」ことが世界共通の形であり、規模は小さくても、又時期はずらしてでも行った方が良いと思うが、これはもう古臭い考えだろうか?私の部屋に入ってきて「昨日、入籍しました」と報告してくれる行為は受け取る側で言えば、「あぁ そうですか!おめでとう」と声を大にして言うけれども、「披露宴はどうするのかな?」と心の内で余計な心配をしてしまう。私が採用し生活の基盤が成り立って来た教職員が、結婚に踏み切り、「生涯の伴侶を得ました」との報告は嬉しいものだ。ただその伴侶、その後の子女、子息にも我々には責任が伴い、世帯主の場合、家族手当や保険など公金の出費も伴う。どのようなお方と結婚したのか、全く存知あげないのは無責任だとの思いが私にはある。しかし時代の風潮もあり、複雑である。そういう意味で今回の式典は新郎新婦始め、素晴らしい中身の有る結婚式であった。主賓として式典に参列し、祝辞を述べた私はこの新婚カップルについて、今後大きな責任を背負うことになったが、それが誇らしいし、嬉しい。



2023年1月7日土曜日

令和5年 新春拝賀始業式「行く川の流れは絶えずして・・・」

 5日が教職員の初出の日であり、この日高校入試の教育相談が始まった。昨日の6日は堺市の公立中学校を中心として極めて多くの学校から相談を受けた。昨年並みの希望者があると報告を受けており一安心している。そして今日は7日の土曜日、公立と違って本校では、この日3学期の始業式となった。神社神道を建学の精神とする本校は通常の学校の形である始業式では不十分との私の思いから着任し学校改革が軌道に乗り始めた頃から「新春拝賀始業式」とし「形の格上げ」を行い、PTA役員、同窓会も参列した学院神社への正式参拝とした。言わば学院神社への「初詣」である。このような形作りが大切だとの私の信念は揺るがない。 


昨日の段階で明日は雨模様と踏んで雨天でも行けるような「雨儀」の形を整えた。本校の中央館には「回廊」があってその場所がこういう場合に役立つ。教室数がゆうに5教室分のスペースを使った広さであり、「無駄なスペース」という意見もあろうが、人間又斯界には「無駄なスペースこそがゆとりを生み出す」ものだと信じて疑わない。しかし雨の予想はぎりぎりなところにあって結局正規の形で参拝を終えた。幸運だった。これもご神恩である。拝賀式というだけあって単にお詣りするだけではなくて本日の主役は雅楽部と神楽部であり、生徒による「神明奉仕」が我々の誇りだ。4月30日には正式の舞台を設えてそこで部員たちは雅楽の音を奏で神楽部が厳かに舞うのを想像するだけで私の心は歓喜する。 




その後「新年を寿ぐ学院長講話」があり、その席で私は「絵馬の話」「干支に纏わる話」そして「癸卯」に纏わる話を皮切りに話を進めた。古事記に描かれている「因幡の白うさぎ」神話である。要は優しい人間こそ最も人間の本質であり、「ヤマタノオロチ(八岐大蛇)」神話と絡めて「嘘をついてはいけない」「弱い人間を助ける行為」の大切さを生徒に神話を使って諭した。そしてこの二つの神話のモチーフとなる絵画が今年着工する新浪速中学校校舎の正面玄関ホールに飾る予定だと初めて生徒に明かしたのである。要は「いじめ」などは人間として失格だと暗に生徒に伝えたかったのである。 


学院長講話の後は寂しい別れが待っていた。校長主催の始業式の後「高校3年生を送る会」が自治会生徒の手によって行われた。代表生徒によって送辞の言葉が述べられ、3年生の代表生徒が答辞となった。元来は神社前広場で居並んだ在校生の拍手に送られて3年生は最後のホームルーム教室に赴くのだが天候とコロナを用心して放送によるお別れ会となった。この高校3年生は私が校長として入学を許可した学年であり、31日の卒業式を以って学校内には私が入学を許可した生徒は居なくなるだけに、殊更私は寂しさを感じたのである。しかし世の人は言う、「さよならだけが人生だ」とも。 

拝賀式に参列して下さったPTA役員には6階の天空レストランで心づくしの「ぜんざい」を振舞って暫しの歓談の時を以ってご慰労申し上げた。後は31日の卒業式で4年度は終わる。この様にして学校の令和5年、2023年は動き始めた。皇紀で言えば初代天皇、神武天皇の日本国建国以来2683年になる。我国の歴史から見れば本校100年の歴史は短いが、それでも100年は長くて貴重である。200年を目指して頑張ることが我々今に生きる者の責任である。毎年毎年同じようなものだが、そこに流れる感情と言うか思いは変わっている。まさに「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」を想う。1212年、今から800年前の鴨長明による「方丈記」の冒頭部分である。



2023年1月5日木曜日

令和5年 仕事初め

 世間より1日遅れての「初出の日」となった。生徒は7日が3学期の始業式となる。何時もの事だがこの「仕事初めの日」になると次の俳句を思う。「去年今年 貫く棒の如きもの」。この高浜虚子の句は鎌倉駅の構内にしばらく掲げられていたが、たまたまそれを見た川端康成は背骨を電流が流れたような衝撃を受けたと言い、感動した川端が書いた随筆によって、この句は一躍有名となった。去年と言い今年と言って人は時間に区切りをつける。しかしそれは棒で貫かれたように断とうと思っても断つことのできないものであると、時間の本質を棒というどこにでもある具体的なものを使って端的に喝破した凄味のある句である。貫く棒は人によってそれぞれ異なるだろうが、「私にとっての棒は全て学校に係るもの」だ。本当に大好きな俳句である。 

新春に思う句と言えば小林一茶の俳句も心にかかる。加齢と共に迫ってくる句である。「めでたさも中くらいなり おらが春」。お正月と言えば、世間の人は餅をつき、門松を立てて新しい年の希望に心がはずむ時期と考えられるが、一茶にとっては「そんなにめでたいものなのだろうか?」と感じた。年若い妻と幼い我が子を前に「あと何回、こうして年を迎えられるのだろうか・・・」と老い先短いわが身の心境からくるものかも知れない。苦しい人生を送ってきた自分にとって、新年だからといってめでたいと手放しで喜ぶことはできないけれど、「中くらい」だと一茶なりに祝おうとする姿が伺えるのが良い。一茶の生き方がしみじみと伝わる名句の一つだ。素晴らしい。 


9時からは今日から始まった「高校入試の教育相談」のキックオフがあり、私は入試広報部の部員と関係する教職員に新年の挨拶と激励の言葉を申し述べた。今日からの2週間程度で今年春の入学者数が読めてくる。同時並行で進んでいる中学校の一次A入試の志願者のWEB出願数も「良い傾向」と今朝ほど教頭から報告を受けた。4月30日には創立100周年を迎える。言い換えれば4月の中高の入学者は大正12年4月30日の開校日から100年目の新入生となる。100年前は旧制ではあるが浪速中学校(現在の浪速高校)は204人の生徒で100年の時を刻んだ。そして今は中高合わせて2600人を擁する大規模な学校に育っている。「学校を創立してくれた先人に感謝の気持ち」しかない。果たして4月5日の入学式には何名の生徒が入学してくれるのだろうかと思う。 



少し前の記事だが朝日新聞他は2022年の出生数が77万人台と政府の想定より11年も早く少子化が一層加速していると報じていた。日本の人口はますます減少していき、この数値から私は一私学の命運などよりも我が国の力の減衰を懸念するのだが、今から15年後彼らが進学する年には少ない受験生を取り合う対公立、私立間との激しい競争になっているだろう。しかしあれこれ先行きの事を心配しても意味は無く、私は今、「目の前のことを一生懸命にやる」ことの大切さを今日の最初の職員会議でも述べた。例年、最初の職員会議では「年頭の辞」として色々とお話しするのだが、毎年毎年違った話とは行かない。今年も年賀状の御礼、そして前述した俳句「去年今年 貫く 棒の如きもの」「めでたさも 中くらいなり おらが春」を引き合いに出し、最後は全員が心を一つにして100周年を通過点として今年も「元気で明るく仲良く」頑張って行こうと話を締めたのである。