2019年4月19日金曜日

橿原神宮と海道東征浪速


5月1日午前零時の皇位継承の日まで遂にカウントダウンが始まった。17日と18日には今上陛下と皇后さまは伊勢神宮の内宮と外宮にて「譲位」を報告されたとテレビや新聞の報道も扱いが大きい。我が国では神宮の内宮に祀られている「天照大御神」のご子孫が代々天皇として「御位(みくらい)」を継がれ、何時も大御神をお祀りしながら国の平安をお祈りされることで日本と言う国を治められてきた。これが「国体(こくたい)」である。「国家の形態」であり、初代神武天皇から125代に亘ってこの形態が「護持」されてきたのである。このような国は世界にはない。

 


天照大御神のお孫さん、ニニギノミコトが「高天原(たかあまのはら)の天上界から今の鹿児島県と宮崎県の県境にある霧島山「高千穂峰」に天降った。これが「天孫降臨」である。古事記は「筑紫の日向(ひむか)の高千穂のくじふるだけ」と記している。私は平成27年4月にこの神話の地を訪れて様々な場所をこの目で見聞きし身体の震えたのを覚えている。この時に高千穂神社に参拝し、本学院のプライベートブランドの酒として「天孫降臨焼酎」を奉納した。今でも宮司さまとの楽しい会話を思い出す。宮司様は「木村さん、私は神話の話は事実だと思っていますよ」と言われたことが実に私の心を打った。

 
 


天孫から4代目となる、カムヤマトイワレビコは九州宮崎「美々津」の港を出て「やまと」を目指して船旅をする。これが楽曲「海道東征」である。美々津の港には今でも各家庭の郵便受けに「御船」のモチーフが付いているくらいこの地の人々は神話の世界に生きておられる。昭和15年が「皇紀2600年」に当たることから、初代天皇となられた神武天皇の御即位以来、日本の暦である皇紀では2600年に当たることから、国作りを奉祝して出来た「交声曲」である。

 
 


交声曲とは独唱や合唱、楽器演奏からなる「声楽曲」の事であり「カンタータ」と呼ばれている。作曲家は「信時潔」、作詞家は「北原白秋」で、全8章から構成されているが、そのストーリーは美々津から宇佐、岡田、吉備、浪速、白肩(枚方)と、大和を目指して東征する場面、場面を見事に表現した物語音楽である。素晴らしい日本が誇るべき名曲であり、私は何時でもこれを聞いて心も体も奮い立たせている。

神武天皇御即位 橿原神宮


私はこれを最初に聞いた時に何としても学校法人の「学院曲」にしたいと考え、ご遺族にお手紙を差し上げ許可を戴き、専門家に依頼して学校の吹奏楽用に編曲した。爾来学校行事等で演奏して貰っている、昨年8月には今上陛下御即位30年の奉祝府民の集いで演奏の機会を与えられ多くの人々に感動を与える事が出来た。その後経緯があり、今回の御世替りを奉祝して初代天皇をお祀りする奈良の橿原神宮の拝殿前で「奉納演奏」する機会を久保田宮司様から戴いた。

 
 


最高のタイミングであり、誇りを持って厳かに奉納させて頂く準備を進めている。来週の22日に、名代としてN副校長と吹奏楽部のY音楽監督が橿原神宮に赴き詳細な内合わせをする運びになっている。神社神道の学校として栄えある奉納演奏を見事に斎行申し上げるべく準備に万全を期したい。