2019年4月1日月曜日

新元号は万葉集:「初春の令月にして気淑く風和らぎ」から


今日は4月1日、時間単位でスケジュールが決まっており、忙しい一日だった。しかしこのような忙しさは幾ら有っても気にならない。ただ気持ちが例年に比較して昂るのは「新元号」が果たしてどのようなものになるのか、気になっていたのは間違いない。執務室のテレビは10時からは付けっぱなしであった。NHKにしたがどの民法各局も「元号特集」を編成して放映していた。新聞各社も「号外」を出す準備で「輪転機」の準備がされていた。この号外は紙で残るから価値あるのではないか。マニアは必ず保存するだろう。まるで「改元当日のような騒ぎ」に苦笑した。

 

平成時代は4月30日に幕を閉じ、5月1日午前0時に皇太子さまが新天皇に即位され新元号に改められる。皇位継承前の新元号発表は憲政史上初めての事で645年の「大化の改新」の大化以来248番目の元号である。この5月1日は実は95年前の元号「大正」時代の12年に本校が開校されている。従って私は殊の外新元号のスタートが本校の開校記念日と重なっているのが感慨深いのである。

 

11時30分、官房長官が「令和(れいわ)」と発表した。出典は「万葉集」からだと説明された。もう新元号にゴチャゴチャ言わない方が良い。素直に清く爽やかに受け止めるだけだ。「令」は元号に初めて採用された言葉だと説明されていた。又「和」は多くの国民が馴染んだ平和の和、昭和の和だから昭和に生まれ昭和に育った私にはすっと入ってきた。後刻部屋に入って来た教員に感想を聞くと「素敵ですねー!」と微笑みながら答えてくれた。時間が経つにつれて「良い元号だ!」と思うと同時に「有識者というのは大したものだ!」と感じ入った。同時にこれを選択した関係の皆様に敬意を表したい。本当に良く考え抜いた元号だと思う。

 
 


「安倍総理の談話」も大変良かった。総理が自ら国民に説明するのも初めてであったが、素晴らしいと思う。この方法は恐らく踏襲されるだろう。テレビで各地の反応を見ていたがこぞって歓迎という声が大変だった。元号など不要、西暦だけで良いなどとノタマウ人間に言いたい。これほど元号と日本人の気持ちは通い合っているのだ。振り返ってみると今回の改元の手順は素晴らしかったと言えるのではないか。平成28年8月に今上陛下が「譲位」の意向がにじむ「お気持ち」を表明されて以来政府は天皇が「国政に関する機能を有しない」とする憲法4条に抵触しないようにこの2年半慎重が上にも慎重に進めて来たと言える。私などは当初は新天皇が皇太子の時に新元号の制定など「間違っている」と考えていたが、結果としてこのような手順が国民に「改元」の意味を考える時間になったことは評価しても良いのかなと思うようになった。号外や明日の朝など凄い事になると思う。

 
 


今日の私は朝の4人の専任教職員の「試用期間満了」の辞令交付から始まり、今日着任した22人の新任教職員の「新任式」の式辞、次に年度最初の職員会議での「理事長・学院長講話」でも「校務運営員会」でも神社神道の学校としての歴史と今回の改元の意味について触れた。当然、触れざるを得ないからだ。新任も入れて総勢183人の教職員」が中高合計で61クラス総勢2523人の生徒を囲んで、後一カ月平成最後の時を有終の美で飾り、その勢いで「令和元年」の時代を刻み紡ぐのだ。まだまだ「頑張らねばならない!」と心の中で叫んだのである。私に取っても節目の時となった。「文化の香り溢れる令と和を重んじた学校作り」に邁進して行きたいと思う。