遂に政府は全国に「緊急事態宣言」を出した。減収所帯対象への30万円給付も撤回し、「国民一人当たり10万円を給付」する急展開となった。4月になってまだ2週間程度だが補正予算原案を更に補正をして決定する運びだ。こういう場合「朝令暮改」とか「決断が遅い」と批判する人はいるもので、こういう話を聞くと腹が立つ。当たり前で4兆円が12兆円に膨らむのだから一国の総理としては当然の対応だと僕は思うよ。今朝の朝会でM理事に「僕にも10万円くれるの?」と聞いたら「だと思います」と返事が返ってきたので「俺には要らないから困っている人びとにもっと上げたら良いのに」と答えたものだった。
「コロナ疎開」とか「コロナ難民」とか「コロナ遠征」とか「コロナ詐欺」とか新しい言葉がどんどん出現している。コロナ遠征とは大阪や兵庫ではパチンコに行けないから奈良とか和歌山に遠征に出かけることを言うそうだが、「事、ここに至れり!」か。私は学校の理事長としてもっと子供たちの事を考えてやるべきと思っている。世界の医事専門家の意見にはこの状態は「反復」しながら2022年頃まで続くという意見を新聞で読んだが、確かに経済的問題も医療崩壊も大変だが、私は「コロナ学校崩壊」を強く懸念する。この学校崩壊は私の造語であるが、「親の経済的格差はそのまま教育格差」につながる。今でも存在する教育格差がさらに進展すると、それは国を亡ぼすことに繋がる。
学校があっても生徒は学校に来られない。来られないなら代わりの手段を考えるべきである。それは「インターネット授業」しかないのではないか。日本の子供たちはICT教育の恩恵を受けていない。経済協力開発機構(OECD)の調査によれば日本は加盟国平均の55%に比べ85%の生徒がICT教育を受けていないという。それは先にも書いたが「昔ながらの教科書第一主義」と「教員の力量不足」にあるからだ。もっと言えば19年時点で小中のパソコン配備は生徒5.4人に一台というからこれでは如何にもお粗末である。
ようやく政府の中にも識者が出てきて文部科学省「GIGAスクール構想」を前倒しして全員に配備をすると決めたという。予算は緊急経済対策で2292億円というから先の一律10万給付の12兆円から見れば安いものだ。今後、通信速度も5G時代が本格化してくると、極めて速くなるだけに日本の子どもたちに一人一台のパソコンを配備し、学校でも家でも授業と言うかシステム化された「学力強化指導」が可能になる。今、世の中は「テレワーク」の普及に伴いパソコン需要が逼迫しているというが、こういう時に「革命児」は出てくるもので「マイクロソフトの一強時代」から新たに「グーグル」が「学校パソコン特需」で攻勢をしかけている。
グーグルは「無償クロームOS」を武器として「クロームブック」を教育現場向けに大々的に宣伝し始めた。安いし故障しない。世界では既に4000万人が使用しており、アメリカではシェアが60%を超えた。本校では既に中学校では全員にクロームブックを持たせているが高校は今年から始めた。しかしそれはクラス数を絞ったもので生徒に差を付けるのは初年度だからという理由があったとは言え、今となっては間違いだったと反省する。来年度からは高校生全員にクロームブックを持たせ浪速学院は「ICT教育先進校」を目指す。これがあればウイルスにも少しくらいなら対抗できるだろう。生徒に課題を送るだけの学校であってはならない。「議論はもう結構だ!実践あるのみ」で前に進める。