御年99歳になられる本校卒業生でまた元教員であられた末吉榮三先生からご懇篤なお手紙を頂いた。樫原市にお住まいで未だ「元気矍鑠」とされており、何より「頭がシャープ」であることが素晴らしい。達筆であり、文章から高い教養と知性が滲み出ている。私が心から尊敬する人生の大先輩であられる。1年に一回程度、折に触れこのような心温まるお手紙を頂戴し、私は「元気付けられ、まだまだ頑張らないと」と思ってしまう。それくらい私へのエネルギー注入となる。そうだ、決めた!私も末吉先生と同じく99歳を目標に人生を頑張り、ずっとこの学校の理事長を続けることを決めた。
しかし先生のお手紙は難しい言葉が多い。この字を皆さん、読めますか?「齎す」ですが、これは調べると「もたらす」と読むそうです。先生は私に対して今回の新型騒動で「生命の尊さと使命を真摯に考えることは、ふと考えてみると新型コロナが齎す教訓と受け止めて今日一日を無駄にしない戒めに通じる感を抱きます」と書いておられる。誠にもって含蓄に富んだお言葉である。
しかし先生のお手紙は難しい言葉が多い。この字を皆さん、読めますか?「齎す」ですが、これは調べると「もたらす」と読むそうです。先生は私に対して今回の新型騒動で「生命の尊さと使命を真摯に考えることは、ふと考えてみると新型コロナが齎す教訓と受け止めて今日一日を無駄にしない戒めに通じる感を抱きます」と書いておられる。誠にもって含蓄に富んだお言葉である。
令和2年04月吉日
木村 智彦 先生
末吉榮三
ご無沙汰致しております。この度は、母校、学校法人浪速学院の令和二年を期しての管理職員の刷新人事のご報告とご挨拶に接し、そのご高配にいたく感謝し、御礼を申し上げます。
先生には13年間にわたる長年の高等学校長のご要職を退かれ、学院の更なる隆昌発展に想いを致され、後進に道を開かれ、理事長、学院長の職に専念されますこと、浪速教育の改革第一ステージを成就された機に刷新を行われたことは時宜を得たご英断と心からお慶び致します。さぞや、浪速を巣立ちました卒業生のすべてがこの度の快挙を歓び、令和5年に迎えられます開学100年に向けての協賛の意に満ちていることと存じます。
今、世界は、気温の温暖化に人智をあつめる地球問題に追い討ちをかけるがごとく新型コロナの蔓延に医療崩壊という予測言葉が生まれる昨今です。今朝の新聞に「全国の死者100人を超す」と報じ、4,574人の感染者に加え、専門家の予測に「蔓延期近い」とあり、今年は花見どころではありません。「年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず」の詩文の一節に感慨を深めることです。
ただ今、今日の生命の貴さと使命を真摯に考えることは、ふと、考えてみると新型コロナが齎す教訓と受け止めて、今日一日を無駄にしない戒めに通じる感を抱きます。
母校開学100年。敬神崇祖を日夜かがみに頂いて智、徳、体の人つくりに夢を託した私はこの100年を振り返るに99歳という生命を享ける神のご加護に感謝し、入学出来たばかりのその年、昭和9年に大阪なのわの上空を駆けた「風速60メートルの室戸台風」を横に置いて「旧制浪速中学校」を語ることは出来ません。当然、今を語ることも出来ません。一人の死者も出さなかったが、「浪速中」の校名は風とともに飛び去っていった。倒壊校舎の後片づけの勤労奉仕が続いたある日、「学校は再校されます」との知らせに14才の少年の胸がどれほどの安心感に慰められたか。かくして令和5年に迎える「浪速学院開学100年の慶事」へと歴史がつながりました。
私は大正10年、酉年生まれです。私が2才のときに母校が生まれました。
私の99歳の高齢の歩みも旧制浪速中学校を横に置いては存在しない。成育過程が虚弱であった私の進学は、母が大変心配したようで、個々の生徒に添った教育指導をしますとの説明会での浪速中の話に母は私を預けたと後日耳にした。「健康は正しい姿勢から」と、体操の授業の開始前に姿勢の矯正があった。土井先生は5年間面倒を見てくれた。今日の私の長寿はこの土井先生のお蔭によるものであると感謝している。健康の基本を教わった。今も思い出しては健康に留意している。知育、徳育の基本となるのは体育である。「筆持てばもの書かる」という言葉があります。「書かる」の「る」は文法上「自発」の助動詞です。
先生から頂いたご挨拶状を手にして、次々と想が浮かび、長々と書き綴りました。少子化対策で学校の統廃合がされて久しくなりますが、巣立った学校の校名が使われなくなり、校舎、教育環境の思い出が失われるのは寒々しい気持ちがします。昭和9年、「浪中廃校」の噂が一夜明けて「浪中復興」に心の落ち着きを得た歓びはどんなにうれしかったか。12回卒の卒業生は、今在る自分を考えています。
木村先生、第1ステージの学校改革に注がれたご手腕と一貫してのご誠意に教わるところ多く、第2ステージの成華に最高指揮官として母校の更なる発展にお尽くし下さいますように、一層のご自愛を念じ上げます。
宮照夫先生に宜しくお伝えいただければ幸甚にお存じます。
末筆になりましたが、新しいメンバーの先生方に宜しくお伝え下さい。
私は高齢による体力の減退を覚えますが、出来るだけ、自分のことは自分でを健康のもとと考え、まだ、杖の世話にもならず、つとめて自立独歩の生活を試みております。昨年、鬱症状になり、それからの脱皮策として、デイサービスを週1回利用して人的交流と気晴らしに役立てています。