2020年5月8日金曜日

ICT教育の推進「木村ドクトリン」

「ドクトリン (doctrine) 」という言葉がある。私の好きな言葉である。ドクトリンは、政治、外交、軍事などにおける「基本原則」をいうが、元々の意味は「教理」、「教え」であり、原義は「前提とするもの」である。現在の日本の政治では、「公約」を使用して基本原則を明らかにすることが多いので、用語「ドクトリン」はほとんど用いられなくなっている。実は昨日高校、中学の教頭と新設した分掌のICT教育推進部長を呼んで未だ本校には「ICT教育推進ドクトリン」が出来ていないのでぼつぼつ用意するように些か強く指導した。これは私の着任以来の13年間のテーマであり、新校舎は「ICT武装したシティ・スクール」を標榜してきたのだから理事長・学院長主導の「木村ドクトリン」と読んで貰っても構わない。
今はコロナとの戦いであり、「コロナ後」を考えても社会や学校現場は大きく変容していくという視点からICT推進ドクトリンは絶対に必要で、これを全員が共有しなければ「この戦には勝てない」と私は強調した。今朝になって彼らはうち揃って部屋にきて原案を私に示した。時間をかけて議論し、最終的にまとめたのであるが、手前みそではあるが、具体的で中々立派な「作戦タイムテーブル」が出来たと思う。このドクトリンを受けて早速高校1年生と2年生の保護者宛にレターを作成し、送付する手筈を整えた。「ICTツール」を揃えなければ何事も始まらないからだ。


「常日頃のお付き合い」は大切だということを今回もまた痛感した。何と品不足になっている「グーグル製のクロームブック、1145台」もの膨大な数を本校に特別価格で6月中には届けると浪速中学校導入以来、お付き合いある会社から連絡が入ったのである。「浪速中学校は日本でもトップレベルのGIGAスクール」となっているが、高校もこれで仲間入り出来る。この嬉しさは又格別である。従って今日の私は殊更機嫌が良いのである。ようやくテレビや新聞でも「学校教育の遅れ」「オンライン授業」などの言葉が出るようになってきただけに一歩でも先に立つ。

東京も大阪も首長が先頭に立って「小中に一人一台のパソコン手配」と昨日も発表があったように、ようやく公立が動き始めてきた。それだけに私立学校の本校が遅れるわけにはいかない。ところがだ!いくら機器に素晴らしいものが揃ってもそれを使いこなす教員の腕が問題となるようでは仕方がない。今朝のミーティングでまた私は強く指導したのは「教員のICT教育資格取得の進捗」であった。まず在宅勤務中の「安全なオンライン利用心得コース」の受講修了者は4月中に全員であったが本命の「グーグル教育認定者レベル1」のトレーニング修了者は管理職を除く専任教諭のうち40%に留まっているのに少し落胆し強く不満を表明した。

これはかなりかなり「ハードな内容」だと思うが、「今、教員がやらねばならない仕事」であり、これから始まる「オンライン授業の本格化」と切り離せないテーマである。管理職の訴えを受け入れ、8月末までに全ての専任教諭がトレーニングを終えるように指示した。そして「正式の認定をグーグルより取得した教員には研修費として一人月額数千円を付与する」と私は決めたのである。「インセンティブ」である。すべては生徒の為である。その為に学校の先生という職業は存在し、給料を貰って生活基盤が揺るがないのだ。大阪ミナミで働けと言っているのではない。本校で「スピード感をもって仕事」をして欲しいのである。これからは「資格の時代」であり、資格を有する者は強い