その企画の中心人物が本日学校に来訪され、ご挨拶とキックオフの話し合いがあった。オペラは一般的ではない為このような学校行事での公演は大歓迎とのことであった。お名前は「西影純枝」さんと言われ、大教大音楽科卒の大変有名なオペラ歌手である。私は昨年市内の「坐摩神社」で行われたオペラの夕べに宮司さんに誘われて行ったのだがその素晴らしさに感動し、これを生徒にも鑑賞させたいと早速手配に入ったのである。公演には工夫が要る。イタリア語などは分からないが「字幕」を同時に流すことで理解できるし、舞台装置もそれなりのものを用意しなくてはならない。最終的に演目は「愛の妙薬」となった。出演者の数とか中学・高校生に理解できる恋物語で喜劇であるから、これなら分かり易いと判断した。1832年ミラノのカノビアーナ劇場で初演されたドニゼッテイ作曲の古典の名曲であり、1年先ではあるが楽しみである。
本日は「教職員人権研修会」の日であった。本学院ではこの研修会を重要視しており、私は校長時代から出席を欠かしたことはない。ましてこの6月1日には改定パワハラ防止措置法の施行となっている。このような研修会は日頃の言動を振り返り、「気付かせる」「立ち止まり考える」には最適である。本日の講師の先生は「国本聡子」先生で、近畿大学法務部、ブランシュ法律事務所、大阪弁護士会所属の若手バリバリの弁護士さんである。ご専門は幅広い分野であるが特に学校現場での「いじめやハラスメント対応」がご専門と聞いたので今回お願いしたのである。本日のテーマは「教育現場におけるハラスメントとその予防」であった。3密を避ける為に中央館ホールにてお話頂き、教職員130人は4カ所に分散して講演をお聞きしたのである。
時々新聞紙上を賑わすが「教員のセクハラ」は結構多いし特に大学では「教授のパワハラ」を良く聞く。勿論本校ではないが、特に「男性教員から女性教員に対してのセクハラ」と「男性教員から女生徒に対するセクハラ」が問題である。私はこの二つは教員として「言語道断の所業」として、もし明るみに出れば事案の中身を徹底的に精査し、厳しい処分を下す。私に関して言えば問題となる可能性は「パワハラ」だろうが、十分気を付けなければならないと自覚している。従って常々考えて言動しており、時に「限界すれすれ」もあろうが組織の長として人材育成と能力向上評価のための指導で「許容範囲を自覚して指導する」のは当たり前である。これは私の絶対的な仕事であるから逃げるわけにはいかない。
仕事をせず、仕事が出来ず、努力もせず、評価が低いから、声が大きいからと言ってパワハラと言われても困るが(少なくとも今までは全くない)、訴えられたら徹底的に証拠を揃え、法廷で争うことに臆してはいない。パワハラと紙一重の分かり易い言葉では「叱咤激励」かも知れないが、どちらかと言えば私の場合はそのような「情実的」な湿ったものでなく、「内規と就業規則の順守」という「雇用者と従業者との契約履行」に近いカラカラとした乾燥した思考がベースにある考えかも知れない。講師の先生は「ハラスメントはコミニュケーションエラー」と言われたが、私は些か異なった考えを有している。エラーではなくて、そもそもコミニュケーションの中身の理解が出来ない人が居るのである。給料を貰っているならそれなりの仕事をするだけの話でそれが出来ないなら出来るように努力して欲しい。労働環境の整備と雇用管理上の措置義務は十分果たしている積りである。私がこう書くとまだパワハラの認識が浅いとお叱りを受けるか?