4日その1:新型コロナとクラブ活動
5月27日だったか、堺市美原区に建設中の「高天原スポーツキャンパス」の建設工事の進捗を見に行った。暫くぶりであったが「乾坤一滴ドリームフィールド」はその全容を現しつつあった。「広大」である。感想はこの一言に尽きる。クラブハウス棟と生徒の日よけ、手洗い場所の「上屋」も出来つつあった。自分が決めたことであるが「少し怖くなった」感じがした。複雑な心情である。12億円もかけるこの施設は特定のクラブだけのものである。「高校生のクラブ活動場所として少し贅沢過ぎない?」「いや、これで良い。未来永劫浪速の財産となる!」等々胸に去来する。何時もそうだが「自分が浪速にいる時にしかこのようなものは出来ない」「やるには今しかない」と自分を納得させて帰路につく。
6月1日に再開した学校は徐々に「通常の日常」を目指して頑張っている。6月15日には「全面再開」となるが、生徒にとって現在の状態はいわば、2か月間の臨時休校期間の日常生活を取り戻す「リハビリ」の状態と言える。日に4コマ程度の「隔日授業」だから明確に「学習の進度」は落ちているが、本校は何とか学年末には学習指導要領に沿った単位認定を目指して教員は頑張ってくれている。大学受験を控えている高校3年生には特段の作業が必要で「日曜講習」なども考えている。夏休み期間は元々ぎりぎりと短いからこれ以上の短縮は考えていない。今日も生徒の登校の様子を観察したが、大人が考えているより子供生徒は「ひょうひょう」とした感じで正門を潜っており、これが私の心を落ち着かせる。
問題は「クラブ活動」である。これは広い教室の授業よりも格段に「密状態」となる。又クラブによっては「マスクの着用」も難しい場合があるだろう。身体接触、大声の発出等、コロナウイルスから見れば格好の舞台は実はクラブ活動にあるかも知れない。だから日本全国でプロもアマもスポーツ競技など勝負事は自粛した。本校では15日からクラブ活動についても再開としているが、「余程の慎重さ」が求められる。生徒・保護者から「当面、クラブは自粛したい」との申し出があればそれは受け入れること、当面対外試合は禁止等の「ガイドライン」は既に作成しており8日にはクラブ員に徹底させる。本校における部活動でのクラスターの発生は絶対に避けたい。
市中のコロナ関連の感染問題が一服した現下、マスコミは視点を学校に向け始めてきている。それは本校にも「取材依頼」が既に3件も来ていることで分かる。私は当面学校が「日常を取り戻した段階」まで取材辞退を決めた。他の学校と同じような対策しか打てていないし、今は「ニューノーマル」を確立するのに専念すべきと考えるからである。100校近くある私立高校で先陣を切って「コロナ対策や生徒の心情、クラブ顧問のお気持ち」など今受けるべきではない。これが学校設置者の判断である。今は外部に目を向けるな。あくまで自身と家族、生徒と学校を守ることに専念せよ。