ようやく「戦いの火ぶた」が切って落とされた。戦いと言っても武器を使った戦争ではない。ただただ本校の良さをPRして興味・関心を有して頂く努力をする自己及び他校との戦いである。相手は公立・私立の高校、そして公立の中学と私立中学だ。彼らも同じように必死で頑張っているから、「抜きんでる」のは生易しいことではない。何と言っても私立学校は「生徒が来て何ぼの世界」で、条例で決まっている公立学校とは根本的に違う。「私立の独立独歩」を叫ぶなら一人で立ち向かうしかない。入学者を集める広報活動は生命線であり、最前線である。活動の中味と長い間に勝ち得て来た学校の実績と評判で来年の入学者数が決まる宿命的な活動である。誠実に向き合うのが我々の唯一の武器か?
午後の中学校クラブ体験会は14時に中学校校長の挨拶で始まり、15時半には終わるように予定を立てた。今日はテニス、野球、サッカー、弓道、剣道、雅楽、女子バスケット、卓球、パソコン、化学、神楽、津軽三味線、囲碁将棋、鉄道研究、吹奏楽の16クラブだ。基本的には「オンライン説明会」で密を避けるように配慮した。この間校舎見学も入れ、効率よく進めることが重要である。その後希望者には「入学のための個別相談」となる。お帰り時には「本校名物ブルの焼き立てパン」をお土産にしている。昼食もパンもささやかな心遣いである。社会通念上許される範囲であり、エルメスのネッカチーフなど高価なものはお土産には出来ないので焼き立てパンで許して貰っている。
遡るが大阪中高連は令和2年度の入学数を過日公式に発表した。公的な組織の開示した数値である。これによれば「浪速高校は95校中トップ8位」である。具体的な数値は650人である。まあ、トップグループに入っているが対昨年比で言えば減少しているから来年度は頑張って回復したいと念願している。一方「浪速中学校は56校の私立中学の中で22位」に付けている。昨年、一昨年も28位だったから躍進と言える。数値は137人で初めて4クラスとなった。56校を上・中・下の3グループに分けると浪中は中位のトップであると勝手に判断している。上位の最下位とは言えない。それは浪中のすぐ上の学校、すなわちトップグループの最下位は146人だからまだその差は大きい。私立中学で10人程度の差は岩盤みたいに硬く大きいのである。学校は生徒の数だけで評価は出来ないことくらい分かっているが、それでも生徒数は基盤の数値であり、生徒の集まる学校であれば、生きて行ける。私立学校は民間企業みたいなものだから「売り上げが減れば立ち行かなくなる」のは今回のコロナ禍で我々が多く目にしたところである。