昨日の中学校体育大会は大成功であったと思う。一言で言うと「完成度が高まった」ということだ。観覧していて私は感無量であった。第13回だったから言い換えれば初めて実施した時からもう13年経ったことになる。着任して翌年のことだった。隣に据わっていたN中学校校長が「これも理事長が始められました!」と言ってくれたのは「嬉しかった」。この一言で私は昔を思い出した。そう、最初にやった仕事が「中学校の運動会の導入」だったのだ。「中学校に運動会がないのはおかしい!」と言って即決断した。当時は高校生に交じって陸上競技大会をしていたが、中学生の出番は少なく、中学生は手持無沙汰で「ぶらぶら、ふらふら」していた。陸上競技大会は「FUN」が無かったしこれでは義務教育の中学校として、中学教師として、中学生徒間の求心力が高まらないと痛烈に感じたことを思い出した。
しかし創設したのは私だが完成度を高めてくれたのは教員の力である。これだけは強調しておきたい。私は初めて導入する企画は革新的、時に革命的に出すが、その後は余り関与しない主義だ。教員にほぼ100%任せる。傍から「ごちゃごちゃ」言わない。見守り、結果を評価する。それが私の仕事である。正直言って学校の教師は何かを変えるのは不得手である。しかし一度決まったことを高めていくのは極めて上手い。いわゆる「教師の知恵と腕」は素晴らしいものがある。その昔は新しいことをやるのに、「しんどいことは嫌、忙しいのに、誰がそれをやるの?」などとほざいて「反対、手抜き、さぼり」に走る教員集団が居なかったとは言えないが本校の教員はまったくそういうことはなかった。それだけ私は良い教員を14年間集めて来たということか。今いる専任教員の85%以上は私が採用した先生方である。この人たちが学校行事の中味を高めてくれている。素晴らしいことだ。
まずプログラムが素晴らしい。良く出来ている。国歌と校歌が書いており、掲揚する。プログラム一つでその学校の全てが見えてくる。中学校教員集団のチームワークが素晴らしい。「役割分担」が完全に完成しており動きに全く無駄がない。そして圧巻は無観客の対応として「ライブ中継」を考えたことだ。どうも大阪中高生のゴルフの大会でティーグランドからの様子を動画に取りそれをSNSにアップした経験がN教頭の頭にあり、今回の事に結び付いたみたいらしい。このN教頭はこの辺のセンス感性があるのか、良い点であると私は評価したい。新しいことを導入するのは管理職の仕事である。中学生全員を学年を通して縦割りで「大地」「海」「太陽」の3集団に分けてくれたのも教員だ。大地は緑、海は青、太陽は赤と意味ある色彩の揃いのTシャツを全員が着て、教員も白のお揃いシャツだ。素晴らしい。
このチーム名と色は神社神道の学校として意味ある。これも私を喜ばせる。大地の神は「地母神(じぼしん、ちぼしん)」と言い、母なる神で一般的な多産、肥沃、豊穣をもたらす神で、海の神は「海神(わたつみ、わだつみ、うながみ、かいじん)」と言い、海を司る神で、世界各地の神話においても比較的高位の神とされている場合が多い。代表的なものではギリシア神話では「ポセイドン」が有名であり、ローマ神話 では「ネプチューン」、そして日本神話では「ワタツミ(綿津見神)、スサノオ(建速須佐之男命)、スミノエ(住吉神)」等が良く知られている。四方を海に囲まれている我が国は海の神様は多い。太陽神の代表格としては、日本神話の「天照大御神」、ペルシャ神話のミトラス、ギリシャ神話(ローマ神話)のアポロ」等敢えて説明は要らないくらい知られている神様だ。「本校の生徒はこのようにして神様を学んでいく」。