2020年10月16日金曜日

天孫降臨と初心生涯

「有り体(ありてい)」という言葉があるが、最近は使われなくなっている大人の言葉だ。意味はありのまま、うそ偽りのないこと、世間並み、などの意味がある。「有り体に言えば」とつかわれる。ありていに言えば私は人にプレゼントする行為を好む。最も意義ある、節目の時に「意味ある贈答品」を贈る。私の執務室には宮崎県高千穂神社にてお祓いを受けた同町にある神楽酒造さんに特別に作って貰った芋焼酎「天孫降臨」を貯蔵し、すぐ取り出せるようにしている。要は神社神道の学校として私が段取りしたプライベートブランドの記念品である。最も、最近某行政の首長就任のお祝いに天孫降臨を持参したが、「天孫降臨の意味は何ですか?」と聞かれたのには参ってしまった。日本建国の謂れをご存知なかったのである。

 今朝、昨日の研修会で専任採用後の1年間研修の発表会を済ませたばかりの4人の先生方が、参加と講評へのお礼に私のところに挨拶に来てくれた。私は満面の笑みで迎え、先生方に「昨日はご苦労様でした。素晴らしい内容で嬉しく思っています!」と言いながら天孫降臨をプレゼントしようと思ったら何と見当たらなかったので、これも意味ある芋焼酎である我が国最初の世界遺産である屋久島の芋焼酎「三岳」を先生方に差し上げたのである。屋久島と本校とはこれまたご縁が深いがこの話はいずれ。三岳の方が少しだけ天孫降臨より高いからまあ良いかと柔軟に対応したのである。

 前述したように昨日は16時から専任教諭採用1年目の研修報告会があった。徐々に形は変わってきたがこれも私が始めたものだ。Y総務部長に何時頃始めたものか?と尋ねると直ぐに調べてくれた。それによると私の書いた「校長日記」に2008年(平成20年)3月22日に「年度末研修会」の名で新専任4人の発表会が行われたとある。今から12年前の事だ。着任して2年目には既に始めていたことになる。しかしブログアーカイブで読み返してみるととにかく「私のブログは長い、長すぎる」。今でも長いみたいだが、その3倍は文章があるから確かに長い。私が学校改革に「前のめり、前傾姿勢」で突き進んでいた様子がこのブログ文章の長さからも容易に分かる。

 

この時の新専任4人の内、今本校で頑張ってくれている先生は2名である。女性のお一人はご結婚で他県に移転され、男性のお一人は不調で転職されて行っている。残ってくれた2名の教諭は今や本校の中心的な役割を果たしてくれている素晴らしい先生方である。定着率は50%だから、人生の変転を見る。折角本校の専任になれたのに運命はそうはさせない。今年発表の令和元年採用の専任は数が多く9人なので3回に分けての研修発表で、昨日は2回目で4人の先生方であった。9人の教職員には定年まで又その後も健康で本校の席で教師として生涯を終えて欲しいと願うばかりである。

 いずれも素晴らしい中身で何と言ってもこのような本校の将来を担ってくれる若い世代の教員が頑張ってくれている姿を見るほど嬉しいことはない。人知れず目頭が熱くなるくらい私は若い人たちに期待する。ブログアーカイブスにしっかりと書いているが、「教師として謙虚に生涯学習」、そして本校中央館8階の図書館入り口に掲げている扁額「初心生涯」に言及した。これは私が敬愛して止まない本校名誉理事長の神社本庁長老、大阪天満宮名誉宮司の寺井先生の揮毫であるが、この言葉と教師馬鹿になってはならない、人間の幅を広げよと激励したのである。