2020年10月28日水曜日

本日② デジタル・ネイティブ世代とデジタル・イミグラント世代

所定日の11月1日には所用があって大阪都に関する住民投票に行けないので本日不在者投票をした。投票用紙はこのように書いている。「大阪市を廃止し特別区を設置することへの住民投票・賛成or反対」と書いていた。仕方がないのだろうが個人的意見ではこのような問いかけは余り、上手くないのではないか?人間は「廃止」とかいう言葉には少なからず抵抗感があるものだ。まあ、この事は良しとして驚いたのは、NHKが待ち構えていて「タブレット」で色々と聞かれた。賛成か反対か?年齢は?支持する政党は?賛否の理由は?等々でこれらは瞬時に本部に伝送され、分析されるという。恐らく11月1日投票締め切り後長くない時間で速報として投票結果がテレビで放送されるのだろう。

凄い時代になったものだ。出口調査も昔はペーパー方式だったが今や完全なデジタル社会に移行しつつあることを実感した。色々批判はあるが文部科学省の文教役人の中には立派な識者は居て本気で日本社会をリードしよう、支えよう、変えようと頑張っている。私は素直に評価したいと思う。本質的に言えば彼らはプロとして極めて頭が良い人ばかりである。頭の悪い人間があれこれ言うから話しがややこしくなる。文部科学省は大学入試センター試験の後継として来年1月に初めて実施される「大学入学共通テストの出題教科」に、令和7年から「情報」を新設する案を打ち出してきた。今後、大学や高校などから意見を聞き、来年3月をめどに方針を決定し夏には最終的に決定される見通しだという。

現在の中学2年生が高校に入学する令和4年度に高校の新学習指導要領が施行され、プログラミングなどを学ぶ「情報I」が必修となる。大学入試センターはこの世代が大学受験を迎える7年1月の共通テストの教科・科目を検討する中で、「外国語」「国語」「数学」「社会」「理科」などに並ぶ教科として、「情報」テストを新設することにしたのだ。面白いことになった。これでこそ「情報」の教科が生きてくる。今後は大学に進学する為には情報が必須となってくるのではないか。私は思う。単なる一般常識として学ぶのではなくて「厳しい社会を合理的に生き抜いていくために情報を学ぶ必要がある」と考えるべきである。

新校舎建設時に私は中央館に素晴らしい豪華な情報教室を2部屋も作った。今でも情報科の教員が頑張ってくれているが、今回の事で益々「お尻に火を付けて」頑張ってくれるだろう。分かるような気がするが情報の免許を有している先生は少ない。結構難しいらしい。だからどの学校も情報の教員を揃えるのに苦労しているのが実態である。免許取得には数学の免許とダブルらしくて本校で2名の情報免許を有している専任教諭は数学の免許も合わせ持っている。両名とも私が信頼し期待している素晴らしい先生だ。しかし私は二人ではこの先心もとなくこの4月から女性の数学教員を職務免除で学校を離れ、情報の免許を取得するよう依頼し今コロナの影響を受けながらも大学に通い免許取得に頑張って貰っている。素晴らしい情報教室の設置や教員の確保等々、何か自分が打った手が全て具体的に繋がるのがそら恐ろしい。嬉しい悲鳴である。

 デジタルネイティブ(世代) (digital native) と言う言葉がある。児童、生徒、学生時代からインターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた世代の事で、日本では1980年前後生まれ以降が該当するとされている。この若者たちは生まれながらにして「IT」に親しんでいる。ゲームやスマホ、パソコンには抵抗感など全くない世代だ。今日も公開授業の参観で中学校と高校の教室に行ったが本校の生徒はタブレットを傍に置いて、いとも簡単に使いこなしている。ところが我々の世代、IT普及以前に生まれてITを身につけようとしている世代をデジタルイミグラント 「デジタル移民」と呼ばれているらしいが、 この移民世代が問題である。教員社会も同じだ。「ICT教育だと?何だ、それは!、授業は黒板でやるものだ、コンピューターがやるものではない!」と叫ぶような教員、「IT資格試験に何回トライしても受からない」では、そのうち立つ瀬がなくなるだろう。