2020年10月17日土曜日

私立学校の土曜日勤務

昨夜来の雨は朝方、生徒の登校時間帯となっても「しとしと」と降り続いており肌寒い中で「学校繁忙期」が始まった。私立学校として私は農作業ではないが10月からを繁忙期と呼んでいる。単なる忙しさだけではなくて「神経をすり減らす繁忙期」だから余計に始末に困る。これが3月末まで続く。しかししんどいと思ったら私学ではやっていけない。これがチャレンジングで面白いと思わないと身体も心も持たない。今日は第1回浪速中学校入学希望者のプレテスト日であった。私はコロナ対応として通常は開けない「西関門」と「天の岩屋戸門」を開放し在校生を入れ、正門は受験生小学校6年生のみの登校口とした。来週の24日には「いよいよ」第1回浪速高校入試説明会である。すべては土曜日を充てる。平日には在校生への授業があり、土曜日を使うしか方策はない。

 この10月から事務室勤務に若い元銀行勤務の女性を採用した。寿退職をされた専任職員の対応であったが、これで現在の事務室には偶然だが3人の元銀行勤務の女性職員が誕生したことになる。お金を扱う事務室の仕事に銀行勤務のキャリアは最強の武器であり、3人とも優秀で仕事ぶりは文句など一切ないが、私の懸念は銀行時代との労働日の違いであり、果たして土曜日勤務が通常の私立高校日常の生活スタイルとして、早く順応してくれるかという点である。私はお二人に聞いてみたのだが、「慣れました」「月一回の休校日の設定は有難かったです」等の返事があって安堵したが、若いのだから当然土曜日にはやりたいこともあって当然だし、週休二日に慣れた体では、当然土曜日勤務はしんどい気持ちはあって当然だ。

 しかし土曜日勤務は、分かっていて応募し就職したのだし、土曜日勤務の犠牲はあっても「学校勤務の喜び」みたいなものが勝っているという事だろう。確かにこの3人の応募履歴書にはそのように書かれてある。学校には実に様々な仕事がありこれらは通常の会社、行政、銀行、飲食業等々の仕事とは全く異なり、第一傍に何時も制服を着た生徒が「うようよ」している職場は学校以外にはない。あくまで学校と言うのは教育機関であり、生徒が教室で学んでいる限り教職員は傍に居るのが仕事であると言っても過言ではない。

 然らば私立学校も公立学校と同じく土曜日は休校日にして週休二日制にしたらどうかの意見はあって当然だが今そのような潮流はない。私立学校の存在意義はお父さん、お母さんがお仕事で自宅に居ない土曜日も学校で子供さんを預かり、勉強を教え、クラブをさせますよという形が私学に顔を向けて頂いていると私は思っている。それに前述した来年度の我々の飯の種である入試説明会業務が土曜日だ。「公立と私立との根本的な違いは土曜日授業、業務があるかどうか」である。これは教職員の労働時間・形態の「格差ではなくて、差異、差違」である。将来はどうなるか分からないが本校では現時点で土曜日を休みになど出来ない。だから土曜日勤務がしんどい人には転身して頂くしか方策はない。

 さりながら、そう言っても例月土曜日、日曜日の連休が無いのでは私事で用事を済ませるのは難しい。日曜日だけだと郵便局も銀行も行政も閉じられており日常生活に支障をきたす危険性があるのと、たまには「土日の連休」が欲しいと思うには当然であり、私は今年の4月から月度一回土日の連休を年間労働時間表に組み入れた。即ち月度1回、給与に跳ね返らずに休校日を設定したのである。始めて半年、色々様子を伺うと、ほとんどすべての教職員が歓迎し喜んでくれていると確信した。私はこれを浪速学院始まって以来の「徳政」だと信じている。これによりいささかでも「繁忙感」が薄れることを願っている。今私の頭の中には更に「本校の教職員の労働時間の短縮について」が大きく占有されている。要は「学校の教職員の働き方改革」である。15日の職員会議ではこのへんのところを只一点のみ私は強調して話した。特に課題は「クラブ活動の扱い」である。