2020年10月20日火曜日

伊勢修養学舎に代わるお伊勢参り

昨日中学1年生にプレゼントした多聞果樹園の「つるし柿」は生徒に大好評だったそうで、今朝中学の教諭で多聞農園・果樹園の管理担当のT先生がわざわざ写真の入ったメディアを持って報告に来てくれた。嬉しいことだ。4クラスあるのでそれぞれの担任の先生が趣旨を説明して昼食時に配ったそうだが、「わーい!」と大歓声が上がったそうである。これだけで生徒は浪速中学校への求心力が高まるし、より仲良くなるだろう。昔から皆で同時に「同じものを食する行為」は「絆」を深めると言われており、私もそれを確信している。学校は目に見える形で「生徒を愛している」と行動で示さねばならない。これは私の信念である。決して生徒に媚を売っているものではない。

 午後、授業が終わった後、武道館お茶室「洗心亭」に行き、中学1年生と高校1年生の新入部員に「お茶道具一式」を授与した。現在3人の表千家のお茶人の指導者に来て貰って指導をお願いしており、コロナ対策を徹底して間隔を空けて活動をしている特別強化クラブだ。授与したお道具は「袱紗入れ、袱紗、扇子、懐紙、菓子きり」の5点である。元来であれば生徒負担であるが運動部の練習場建設などに比べ文化部には支援の規模があまりにも小さい。せめてものささやかな応援と考えて実施しているが、このような学校は日本中何処を探してもあるまい。最後までやりきることを期待しての激励の品だ。これも生徒を愛しているからこその行動で資金的に大丈夫な状況下であれば今後とも続ける。

残念ながら今年の伊勢修養学舎は中止とせざるを得なかった。通算66年続いた学舎だったがコロナの前には如何とも出来ず、その代わり「伊勢参り」に形を変えて実施する。日帰り、4班に分けて通常なら一クラス1台のバスを2台に分乗させ「密を避ける」形とした。まず「外宮参拝」、次いで「猿田彦神社正式参拝」、その後神宮会館で昼食を摂らせ、「内宮参拝」に向かう。8時20分に学校を出発し、16時50分には帰着だ。校長講話も禊も着付け指導も神楽舞の指導もないが、「天照大御神」さまに直接お会いできる機会を私は作った。新しい形の出現だが「禊」が無いのは如何にも辛い。新高校校長もさぞ嘆いている事だろう。

とにかくコロナ対策を徹底して無事に戻ってくることを祈願している。この為、1班が出発する4日の実力試験日は極めて重要な行事であるがこの日の試験後の午後の授業は取りやめ、生徒へは伊勢参りの留意事項を説明する機会とし、教員はその日のうちに「採点を済ませる」予定を立てたと高校校長が言うので、授業のカットは些か辛いが、やむなく了承したのである。念には念を入れて生徒を守る手間暇を優先させた。私は4班の11月10日に生徒と共にお伊勢参りだ。丁度この日は元来なら海外修学旅行の出発日だった。北半球をロンドンに向けて飛行機で飛んでいたはずだが欧州はコロナで酷いことになっているから中止して良かったと思う。その代わり西名阪国道を走って伊勢に向かう。コロナは本当に世界を震撼せしめ、人間の営み、計画をいとも簡単に変えてしまう。人間はコロナには勝てない。