2021年10月14日木曜日

「説明責任を果たす」

 私の組織管理の骨を成すものは「組織構成員に対する説明責任」だと思っている。これだけは企業時代の管理職から学校の設置者となった今でも徹底してやってきたと思う。「木村の話は些か長い、しつこい」と思われる向きは多いと思うが、それは私の信条だから許して欲しいと思う。この「理事長アラウンドも私流の一つの説明責任」であり、だから書いているのである。国では総理自ら、地方行政体では知事や市長さん、民間会社では会長、社長自ら、学校では理事長、校長自ら説明責任を果たすことが極めて重要である。トップが何を考え、やろうとしているのか分からないような組織は信頼に欠け、必ず行き詰る。 

私には役目柄というか、所謂「匿名」のお電話やお手紙を頂くケースがある。90%以上が生徒に関する物である。校長兼務が外れてからは大分少なったが今でも時にある。この匿名と言うのが正直なところ困る。お手紙で差出人が書かれている場合は、書かれている内容について徹底的に内部調査を行い、「個人情報保護」の観点を忘れず、私から直接その方がご本人かどうかを確認して電話にて返信する。お手紙での返信はしない。最近もこのケースがあったが大概の場合、大変に喜んで頂く。匿名の場合は書かれている内容について確認したい点があってもそれが出来ないから、そうかといって「完全無視」とはしない主義で来た。これも説明責任だと思っているからである。 

匿名と言っても学校の事を思い情報をくれる場合と些か悪意のこもった内容も時にはある。最近、少なくとも悪意ではない匿名の電話情報が寄せられ、高校の管理職は「まずそれが事実かどうか」を確認する証拠というか、「裏付ける写真」等の提供をお願いし、しかる後に調査に入る。学校の教職員は警察ではないから、自ら証拠品を探すなどは出来ない。外部から入った情報が事実であれば、調査に入り、「内規」に則り可及的速やかに「措置」をする。ケースによるが私学課への報告、PTA会長、そして保護者会がある場合は臨時の保護者集会を持って「説明責任」を果たす場合もある。 

この説明責任が抜けると「隠蔽」とかの非難を浴びることになる。決して隠蔽する気はなくとも外部からは隠蔽ととられる可能性があるだけに私は「情報公開」を重要視している。そして大切なことは「スピーディさが要求」されることだ。もたもたしていると事態をより複雑にしかねない。迅速な処置があれば大概のケースは順調に収まる。説明責任の目的は情報を共有し類似の問題の再発防止である。本校の教職員はこれらの事は十分理解し分かっている事だが念には念を入れる為、今日の職員会議でも私はこの点について話した。



 
又本日の職員会議では4月1日からスタートした「働き方改革」について丁度半年経ったので成果を画像にして全員に伝えた。まだまだ気になる点はあるが総じて進歩ししつあると考えている。残り半年で更に教職員の働き方改革を進めて行く。「100%労働基準法準拠の私立高校のモデル」を目指して、頑張っているが私的に言えば現在の労働基準法はあらゆる労働者を対象にした法律で学校の先生に当て嵌めるには無理があるところがあるが、今それを言っても詮無いことである。しかし一生懸命生徒の為に頑張ってくれている先生に対し、個人的には「少し柔軟性を持たせられないかな?」と思い、これをテーマに残り半年、頭を絞って「関係先」と協議して行く積りである。この件も私の教職員に対する重要な説明責任である。