2021年10月1日金曜日

本日その3 専任教諭採用 「眼光紙背に徹する」

 学校の人事は通常は4月1日と大体決まっている。しかし10月1日今朝、私は2名の人事発令を行った。「素晴らしい可能性のある人材は例え期中であってもドンドン専任教諭として採用していく」という私の強い方針から浪速中学校に勤務してくれている常勤講師の先生と事務室に勤務してくれている常勤職員を正式に専任教員、専任職員として採用した。とにかく私みたいに馬齢を重ね、人生で様々な体験や人との邂逅を重ねてくれば「どのような人物か分かる」ということではないか。特にその人が書いた感想文、小論文などを読めば、「眼光紙背に徹する」ではないがその人物像の現在と未来が明確に見えてくる感じがする。どのような人材を専任として採用するかは理事長たる私だけにしか出来ない極めて責任の重い仕事であるだけに人の採用には慎重である。この二人が本校で身分保障され、学校勤務の中で、豊かな人生を歩み、自己実現を図って欲しいとただただ祈るばかりである。 



まず最初に数学科の専任教諭になったお方の小論文を紹介しよう。発令書を手渡した後、私は大いに激励した。素晴らしい先生になってくれると確信している。


理事長Aroundを拝読して              数学科 〇〇 〇〇
               
私は、理事長Aroundを拝読させて頂く中で、理事長学院長の学校への愛情と、生徒、教員に対する熱意を日々感じております。それと共に、私自身が浪速学院で働く者として、一教員として、自身の考えを深めることにも繋がっています。どの記事にも深く感銘を受け、今後の努力の糧になっておりますが、中でもとくに感銘を受けた記事は、7月9日の『常勤講師の先生方へのお願い・・・第2弾』・7月16日の『若き先生方、「青天を衝け」』・9月15日の『教員免許更新制の廃止』の3つです。この中のうち、最も心に残った『常勤講師の先生方へのお願い・・・第2弾』という記事について述べさせて頂きます。 

 該当の記事で「専門力を磨いてほしい」という理事長学院長の想いがとても心に刺さりました。新卒で浪速学院に常勤講師として採用して頂いてから、毎年別種の授業を担当させて頂いております。そのため、日々授業準備・教材研究に追われながらも、確実に知識と指導力が蓄積されていることを実感しています。しかし、現在の授業の経験としては中学校と高校1学年の数学Ⅰ・Aのみです。何事においてもそうだと思いますが、継続して触れていない分野の知識は少しずつ抜けていってしまいます。最近、久し振りに高校数学の問題に触れる機会がありましたが、もっと勉強し続けなければ、と改めて感じました。中学高校、学年を問わず、どんな問題の質問が来てもすぐに対応でき、生徒達が考える力を伸ばせるような教科指導を行える教員を目指します。また、試験勉強のための数学だけでなく、ユニークな数学の知識もどんどん取り入れて、生徒達が数学を学ぶことに興味を持って、楽しんでもらえるような授業をしたいと考えています。 

 もう一つ、記事の冒頭に書かれている、「中学には教師としての必要な素養や資質の全てがあると私は確信している。」という言葉に、改めて期待と責任を感じました。私は勤務2年目に中学への異動を命じられ、正直申し上げますと、最初は不安しかありませんでした。「見た目、落ち込む先生がいる」うちの1人だったのです。職員会議での発表直後、戸惑っていた私に、飯田先生、中村先生からの期待の激励を頂いたことを覚えています。実際に中学校での勤務が始まり、初年度を終えたとき感じたのは充実感と自身の成長でした。授業に関することだけでなく、生徒との関わり方、どのように指導をしたら生徒に影響を与えることができるのか。高校に所属していた頃ももちろん考えてはおりましたが、そのとき以上に考え、追求する機会が多かったように感じました。それらを感じたとき、率直に、中学に配属になって良かったな、と思いました。中学の教員が全員で、全てのことに取り組んでいく雰囲気が私には合っていると感じています。 

そして本年度、1年半副担任として関わってきたクラスに2学期から担任として携わらせて頂くことになり、さらには10月から専任教諭として採用して頂くことになりました。期中での大きな環境の変化に驚きもありますが、専任教諭としてのお声を頂いたときは素直に嬉しく、より頑張っていかねばと改めて決心することができました。「A組の担任」という肩書にはプレッシャーもありますが、中学受験の頃から高校時代、更には大学に入ってからも勉強を必死に頑張ってきた経験から、彼ら彼女らに伝えられることがあると思っています。反対に、私が学生時代に疎かだった部分、足りなかった部分に気付いている今だからこそ、生徒にしてあげられることがあるはずです。A組の生徒に必要なことを考察し、歳が近い私だからこその、私らしい関わり方をしていきたいと考えています。そのためにも、私自身が勉強をし続け、今の子ども達に合った勉強の習慣や目標の立て方などを工夫して伝えていく必要があると感じています。 

授業等での工夫の1つとして、ICTを活用した授業やHRでの取り組みも欠かせません。私は、GoogleのツールやOfficeを用いて何かを作ることや工夫することが得意です。これを活かしてできることが沢山あると思います。そのような新しいものを積極的に取り入れ、時代に合わせて進化していく学校で働くことができ、自身が進化できる機会が溢れているということに感謝の気持ちでいっぱいです。教員1年目から本校のような整った環境下で勉強させて頂けることを幸せに思います。

「生徒と共に努力し成長する」。これが私の、教師をする上でのモットーです。教員としても一社会人としても、まだまだ未熟ではございますが、日々勉強し生徒に負けぬ努力で、かつ生徒と一緒に、これからも成長し続けたいと思います。