「肌寒い雨の週始まり」となった。この時期の雨を「秋時雨」とか「冷雨」と言うらしい。日本語は本当に素晴らしい。暫くの間雨らしきものが無かったので「慈雨」になれば良い。誰かが言っていたがコロナウイルスは雨で地面に落ちるので良いのだと言う。本当だろうか?朝一にPTA担当の主担教諭が部屋に入って来た。先週末に行われた「PTA全体会議と茶話会の報告」であった。私は「大変に良い企画で良かった。大成功だね!」と称賛した。初めて多くの保護者が学校に集まり顔合わせをして短い時間だったがペットボトルのお茶で乾杯し、用意したスナック菓子や小さなマックなど、「同じ釜の飯」をとることで心豊かに懇談できたことはPTA組織の求心力向上に寄与した。リモートには限界があり人間は顔を合わせて会話することで距離が近づく。
大体月曜日は時程が混んでいる。部活動報告とか業務について次から次と教職員が入ってくる。一つずつ丁寧に対応しなければならない。私は何事も手を抜かない。抜くことが出来れば少しは楽になれるのかなと思うがこれは恐らく生涯続くのだろう。次いで入試広報部教頭が入り先に撮影したドローンを使った運動施設の映像を見たが、極めて面白い動画で楽しめたと思う。これらを今後の入試広報活動に行かせていくという。そして3限目に常勤講師のK先生の公開授業があった。府内でも有数の中高一貫の私学から大阪教育大学に現役で入り、ご縁があって2年前から本校で社会科の「世界史」を専門とする先生として教鞭をとっている。吹奏楽部の指導も本物であり、何より真面目で前向き、素晴らしい人材だと周辺の評価が高く今日の「公開授業」に結びついた。
前評判通り単元「欧米における近代国家の発展:パックス・ブリタニカ」について良い授業をされていた。今日は高校3年生の難関大学を目指している生徒が対象の授業であり、少し雰囲気が何時もより違ったものであったが教材研究と下準備が完全になされた授業だと感じた。それにしても生徒のクロムブックの見事な使いこなし、それを先生が上手く設計した授業の進め方などほぼ完璧なICT教育に私は満足感で一杯になった。授業後私の部屋に来て貰い様々な視点でお話しした。世界史の勉強はあくまで日本の歴史との対比、そして近現代に繋がる視点での指導と言及、実際の大学入試問題との実例等、さらに工夫をして欲しいと私は述べたのである。
昼休憩の後、高校の自治会選挙が終わり、高校校長の出席の下、引継ぎ式が行われ、その後理事長室に新旧役員が挨拶に来てくれた。私は慰労と激励の言葉を述べた。徐々に高校、中学ともに学校長の存在感を高めることが重要であり、「校務運営は絶対的な校長の業務」である。中学、高校の両方にまたがる場合は「学院長としての業務」が出て来る。しかし生徒にとっては校長先生の存在が絶対的でなければならないし、理事長や、学院長は「?」で良いと思う。時々教頭に聞くのだが生徒は理事長や学院長の存在を認識しているのかの質問に対して「知り過ぎるほど知っています!」と返ってくる。今はそうだと思うが徐々に薄れていくのだろう。それで良いと思う。