今日は中学校で何時もとは少し異なる風景を見ることが出来た。金曜日の5限と6限を使っての「文化庁助成:文化芸術鑑賞会」であった。これは文化庁の主催行事で全額助成金の出る企画である。要は発達過程にある子供たちに豊かな感受性を育んで貰う為の芸術の鑑賞会である。この方面では卓越した見識と経験をお持ちのN中学校校長が音楽科のW教師とタッグを組んで何とこの助成を勝ち取り今日の演奏会になったものだ。我々が会場に出掛けるのではなくて先方から学校に楽器ごと赴いてくれたものである。楽団は大阪の4大フィルと言われる日本センチュリー交響楽団であるからこれがまた凄い。楽員団総勢60名のプロの演奏家が来てくれ、親しく生徒に接し楽器の説明から始まった。このように中学生には「新しいことを経験させる」「良いものを見させる」「外部の風に触れさせる」ことが大事である。英語や数学の教室での授業とは又違った意味で大きな教育効果を生み出す。私はこのような企画を高く評価したいと思う。
一方この夏、高校では本校独自の新企画として「英語教育」に関するプログラムを打ち出し、「グローバルアカデミー」と銘打ち、英語を母国語とするネイティブスピーカーの先生方と5日間「英語漬け」で過ごす事業が行われた。少し遅くなったが一人の生徒の感想文を紹介しようと思う。高校2年生の女生徒である。この作文に見るように「生徒には何でも体験させる」ことが極めて重要である。教室で先生が一生懸命教えることも大事だが時に環境をガラッと変えて、「本人に気付かせる、やる気にさせる」ことは大きな教育効果を生む。英語嫌いの生徒が英語に取り組むようになった。ここに「学校行事の重要さ」「外部の人との接触する効果」を見ることが出来る。だから学校行事は簡単に廃止することは出来ないのである。「手を変え品を変えて」生徒に迫らねばならない。
「私はこの浪速グローバルアカデミー2021に参加できて本当に良かったと思います。たくさんの理由がありますが、3つに絞って書いていきたいと思います。
1つ目は、私の英語嫌いを直すきっかけになったことです。私は中学生になってから少しずつ英語が嫌いになっていきました。テストで点数を取れないだけでなく、単語を覚えるのにも人より時間がかかります。でもこのプログラムを通して英語が苦手という気持ちが少なくなりました。楽しいなと思いました。これをきっかけに好きになっていけたらいいなと思っています。
2つ目は、外国の方々と五日間も英語のみで会話することを経験できたことです。こんな経験はなかなかすることができないと思います。五日間英語のみの状態でグループリーダーと会話することで、すっと英単語が出てくるようになりました。わかりやすい日本語を正確に英語に直すのは簡単ですが、少し難しい日本語を英語に直そうとすると、変な意味の日本語になってしまったりして翻訳を使っていても難しいなと思いました。しかし、グループリーダーは私たちが理解しやすいようにゆっくりと簡単な英語を使って話してくれたおかげで困ることも少なくとても助かりました。
3つ目は、自分自身と向き合えたことです。日本の授業にはないような授業の展開の仕方、トークテーマなどによって私の考えが変わりました。一番最初の自分のアイデンティティを考える時、日本の感覚では、「えっ、こんなこと自分で言うの」っていうような単語がいっぱいあったことがびっくりしました。日本の感覚では「ナルシスト」とか「自意識過剰」など否定的な意味で捉られてしまいそうな言葉ばかりですごく考えました。これが考え方の違い、文化の違いなのかなと思いました。
最後のプレゼンテーションでは、この5日間のプログラムで学んだこと、将来の夢について原稿を書いてみんなの前で発表しました。カンニングすることなく皆さんの前でプレゼンをできたことはすごくうれしかったです。将来の夢は少し特殊な分野かもしれませんが、あきらめずに頑張ることが大事だとこのプログラムで感じたので、忘れずにこれからに生かしていきたいと思っています。
もしまた機会があれば、参加できたらいいなと思っていますが、受験生になるので難しいかなと思っています。本当に貴重な機会をありがとうございました。」