寒気も去って幾分心地良い日となった。明日は年度末の「理事会・評議員会」がある。3月理事会は「予算(決定)理事会」と言われ、最重要項目である令和4年度の業務執行予算が議論され決定される運びだ。国も110兆円を超える予算が今国会で定まった。私立学校も同じように年度単位での予算執行組織だから理事会で評議員会に提案し、承認して貰わないと4月1日から教職員へ給料も支払えない。明日の資料は理事長、常務理事、事務長の3人が作成、編成し纏める。私自ら資料を作っている。組織の最終決定権者の私がこの年齢で自ら資料を作るのは他に例はないのではないか。しかし私は15年間、この方式で来た。これだけはやらねばならないと覚悟している。部下の作った資料を読むだけのトップにはなりたくないからだ。
今日は極めて重要なご来客があった。お名前は「豊英秋」氏と言われる。お家は「豊家(ぶんのけ)」と読む。平安の時代から今に続くお家柄で44代目である。「大津皇子」を祖とする宮廷所属の雅楽演奏専門家の豊家の直系であり、1944年東京都のお生まれ。宮内庁の式部職楽部に入部され、首席楽長でご卒業。2009年には芸術院賞を受賞された。2014年瑞宝双光章、2020年芸術院会員に選出された。何より「お人柄」が素晴らしい。宮内庁をご定年の時に人を介して本校の雅楽部と神楽部の直接指導をお願いしてから今に至る。豊英秋先生に直接指導を受ける高校生も多くはいない。大変名誉な事である。
「豪放磊落」でそれでいて細やかなお心使いをされる品格高いお人である。だから先生の奏でる雅楽の音色も素晴らしい!の一言である。私は先生のご招待で皇居内にある宮内庁の雅楽の発表会にも参加させて頂いた。先生は「ワイン通」でありその夜先生と飲んだ赤ワインの旨さが忘れられない。先生は「舞」も名手であらせられ、とにかくお声が良くて聞く人を魅了させる。ある時に美智子皇太后さまから「お声をかけて頂いた」ことが最高の思い出とおしゃっておられた。コロナのために昨年は出来なかったが、今年は2年ぶりにお越しいただけた。私は「令和5年5月1日の創立100周年を祝う祝典行事」を令和5年4月30日に行うので是非ご臨席賜りたいとお願いしたのである。