2022年3月10日木曜日

本校の宝物を正式に開陳する!

 令和4年度のスタートに向けて鐘が鳴り始めた。心が躍動する。4月から高校教頭に昇格する教務部長が19クラス、20クラス、21クラスの3ケースについて教室当て嵌めの案を報告に来てくれた。問題なく教室が存在するというのは如何にも心強い。大きな校舎を作っておいてつくづくと良かったと思う。ただ来年度は更に新校舎を建設しなければならない。これも順調に進んでいる。私は来年の今ごろ、すなわち令和5年3月中旬頃には「4月30日の創立100年祭」について、その準備に走り回っている事だろう。目玉は「浪速中学校棟の建設」をこの日、誇らしく高らかに発表することとしてきた。 

ただ最近では「建設の発表だけ?」との幾分引けた思いもあり、何か他にささやかで良いから浪速学院の歴史を彩る出来上がった「目玉」は無いかとの思いがずっとあった。その結論を遂に一昨日得たのである。「和書」という言葉がある。文字通り、日本の書籍、また、日本語で書かれている書物の事である。「洋書」に対しての和書だ。「和とじの本で和本」とも言われる。「古文書 (こもんじょ)」と呼ばれる言葉もある。歴史認識のための材料あるいは歴史叙述の根拠となる歴史資料(史料)のうちの文献史料の一種に使われる。実は本校には和書、古文書で「和本の第一級の書物」がある。重要文化財に相当するかも知れないくらいの値打ち物だ。間違いなく「宝物」と言って良い。例えば本居宣長が書いた「古事記伝」が全冊揃っているとか、「延喜式」とか、古いもので平安時代の「写し」、「江戸初期の本物の和本」など神道に関する書物である。大学などの研究者には恐らく垂涎の的だろう。

 


存在することは薄々知ってはいたがこれらの和本が何なのかは忙しさに紛れて知る由もなかった。それを指導教諭で国語科の教師、国学院大学卒業のY総務部長と図書館専属勤務のS先生、図書館司書の資格をお持ちのお二人が共同で整理して目録を作ってくれていたのだった。何と素晴らしいことか!一昨日私は図書館に赴いてそれらの確認をした。大切な書物故に手袋をして本に触るように気を使ったのである。まだ調査の終わっていない書物も多くあり、私は図書館の倉庫の閉架にも見に行った。この時私は人の目に触れない場所にただ飾っているだけでは意味はないと強く感じ、立派な「陳列棚」を設けそこに説明文を付けて陳列し「本校のアイデンティティ」をパブリックに開陳することを決めた。Y先生に早速進めるように指示した。昔の諸先輩がこのような立派な和本を残してくれた「浪速100年の記念事業」としてこれ以上のものは無いと思う。「本居宣長の古事記」が今本校で蘇るのである。 


昨日は公立高校の入学試験の日であった。本校で併願合格している生徒は第一希望先の府立高校に臨んで頑張ったと思う。この日を狙って我々は「専願点呼」の日とし、既に専願で本校に入学が決まっている生徒を集めた。「君らは既に試験が終わって本校の生徒だよ!」と安心させる為ではないが昔からこのようにしている。専願者は極めて大きな数値で過去新記録となった。既に学年主任や担任団を発表しているのでこれらの先生方が動き回って生徒の面倒をみてくれた。併願生は3月17日の午前10時に合否の発表を待って本校に入学の手続きに登校してくる。これらの新入学生徒に本校の宝物を見せねばならない。「伝統校の誇りを感じて欲しい」と思う。江戸時代初期の和本が、古文書が本校にあることを!