2022年3月22日火曜日

ルビコン川を渡らない!

 今日は「職員会議」があった。臨時ではなくて定例である。何時もの西館会議室ではなくて中央館5階の職員室での起立したままでの短いものだった。正式に私から令和4年度の新入学生を含めた生徒数について教職員に発表する為である。特に高校の新1年生の入学者数についてはまだ公表していないからだが、既に皆さんは知っている事だ。がこのように理事長から総括することは一見の儀式に見えるが必要な場合もある。段取りとしては今日の理事長発表で3年度の締めとなり、今後は令和4年度の具体的な準備に走り出す。今日も産休、育児休暇を取っていた女性教員2名と4月から採用が決まっている講師の先生方も来校された。打ち合わせに参加する為である。修了式も終わり、校内には生徒は居ないし、寒い雨の中だが、学校は新しい熱気を静かに放ちながら視点は来年度に移りつつある。 


私はこの機会に二つの重要な経営項目について言及した。一つはかねてより「授業料の値上げ」をお願いすべく考えていたが、これを延期すること、もう一つは「スポーツ科」の設置は当面考えないこととした。理由について、根拠となる背景の詳細は控えるが「今はその時ではない」と考えたからである。「ルビコン川を渡る」という表現があるが私はルビコン川を渡らないように決断した。後戻りのきかない道へと歩み出す、その決断を下すことを意味する言葉だが、全ては今年の中学133人、高校876人の入学数値が私の思いを吹き飛ばした。授業料値上げの影響、スポーツ科の新設は生徒募集に小さくない影響を与えるから余程慎重でなければならない。熟慮した結果、今、ルビコン川を渡るリスクを冒す必要がないとの心境になったのである。

 確かに生徒数の増加に伴う現在工事中の4教室分改造費用、明年3月末までにやらねばならない6教室分の別館建設費用、それに令和5年度から始まる「新中学校棟の建設」には多大の資金が必要であるから、一刻も早い財政措置が必要であるが、決して今は経営難の状態でなく、時期を伸ばせると判断した。「喉から出るような手を引っ込めた」と言える。今後の検討になるが「令和5年度は創立100年の節目の年度」で新中学校棟の建設の為にと稟議すれば来年から幾分でも値上げさせて貰えるかも知れないが、これも現時点では判断しようがない。スポーツ科の新設は本校のアイデンティティを崩しかねないかも知れないからこれは当面押し入れに仕舞い、話題として挙げないことにした。「勉強優先の浪速」の評判を落とすかも知れない可能性のある施策を今、やる必要はない。「背に腹は代えられない」時点で考えれば良い。そうこうしていたら入試広報部から高校併願の生徒が2名、新たに追加入学することになり「合計876人が878人に増えた」と言う。