2022年3月19日土曜日

令和3年度修了式 終わり良ければ全て良し

「終わりよければ全てよし」という諺がある。 これは、「物事の結末、結果が大事であり、過程は問題にならない」という意味で、元々はシェイクスピアの戯曲「All's well that ends well」のタイトルのフレーズである。我々は生活の中でもよく使うフレーズだ。今日は3学期の終業式、先立っての「神前奉告」があった。まさに今の私の気持ちはこの言葉にある。今年はコロナ禍の中、結構「厄介な事」もあって気分の上では優れない日もあったが、「尻上がり」に学校の状況は良くなって行き、まさに「終わりよければ全て良し!」で終わった感じがする。本校では終業式と言わず1年間の課程が終わったので「修了式」と呼んでいる。こちらの方が理屈に合っていると思うがこの表現を使っている学校は極めて少ない。 


神前奉告の後、定例の「学院長講話」があった。年度最後の講話であり、私はまずロシアによるウクライナへの侵攻から話を始めた。現代社会の世界で現実に起きていることについて目をそらしてはいけないと言う事などから話し始め、軍事的には弱小ながらも徹底的に自国を護るウクライナ人に学ぶ点は多いと話し、世界平和の尊さを強調した。次いでコロナ感染について「21日からまん延防止重点措置期間は解除」されるが世界は未だに高い感染率で隣国の韓国や中国では一日当たり何十万もの感染が出ていること、又オミクロンBA2型やデルタクロンなどの新型の発生などを話して春休み中の注意を喚起した。 


その後入試活動が全て終わり、新年度の陣容が固まったので現時点で中学では4クラス133人、高校は20クラス、876人を迎え学校全体では中学は12クラス402人、高校は54クラス2252人で中高合わせて2654人の大きな数になったのは一重に「今いる生徒の評判」がもたらしたものだと私は在校生への賛美の言葉を口にして、今後とも志を立て目標に向かって努力することの重要性について強調した。今日から始まる春休み期間中も「駄目なことは駄目」と「浅はかなノリ」で後で大きな後悔となる失敗をしてはならないと指導した。元気に「47日の始業式に会おう」と言って話を締めくくった。 

最後に理事長表彰を行った。生徒への表彰は通常、校長よりの授与としているが学校全体に係るものは理事長・学院長よりしている。令和4年度は開校100年を迎える1年前の年に当たり、広く「気運を盛り上げ」て行かねばならない。その為に生徒から「100周年記念のロゴマーク」を募集していたが、そのうち入選した4名の生徒を表彰し、グッドデザイン賞の賞状と焼き立てパン券を副賞としてプレゼントした。表彰された4人の作品の内、2年生のM君の作品をプロのデザイナーに少し手を入れて貰って、これを最終的に学校全体で決めたロゴマークとした。 


私はそれを初めて全校生徒に開示し、本校の伝統についてさわりの部分を話した。令和4年度は折に触れて100年の回顧をしていく積りである。このロゴマークを「バッジ」や「シール」にして新年度は生徒も必要な保護者、本校と関係深い方々にこれらを身に付け、学校の求心力を高めようと私は話した。100年の歴史を刻む学校は多くない。大正12年(1923)から100年の歴史を有する伝統校に学ぶ生徒として「誇り高く」頑張って欲しいと述べて令和3年度のまとめとしたのである。“終わりよければ全て良し”で終わった。しかし1年は早い、本当に早い。