2024年9月12日木曜日

海外語学研修はフィリピンで継続する!

 「浪速国際コースの生徒保護者」の一部から研修地についてご意見があったと言う。英語圏での実習に興味関心があると言う。例えばオーストラリアに行くとか。心に「引っかかる」ものがあったが、相談を受けた以上は「無碍にノー」という気は無く、改めて調査するのも悪くないと考え許可した。その検討結果の報告を高校校長と国際コースのT教諭から昨日受けたが、その結論は様々な調査を行った結果、下記の理由により「フィリピンでの語学研修の続行」が最良と考えましたので、報告させていただきます,とあった。しっかりとした報告書だった。確認したいことがあったので今朝も担当を部屋に呼び詳しく話を聞いた。 


レポートは、まず費用対効果として、研修費用はフィリピンが14日間で約45万円に対し、オーストラリアは10日間で約5464万円の費用が掛かる。また現地での研修期間がフィリピンでの10日間に対しオーストラリアでは実質5日間の研修となる。これでは行っただけになりかねない。特に物価の低さだ。フィリピンはオーストラリアやニュージーランドに比べると物価は低く、そのため、宿泊費や食費なども安く抑えられる。カナダや北米などは高すぎて俎上にも上らない。そして提携校との関係である。フィリピンの有力な大学である「パーペチュアルヘルプ大学と提携校」となって3年目を迎え過去2年間の国際コース語学研修では本校は特別待遇でのサポートをして頂いており、毎年研修内容もブラッシュアップされており充実したプログラムとなっている。トップには昨年の開校100周年記念式典 にもわざわざご出席頂いている関係である。


提携校との連携で研修先を提携校から変更するには慎重な判断と適切な対応をとる必要があり、現時点で研修先を変更する理由がなく順調に実施できている。更なる友好関係を築いていく為にも今のタイミングは適切ではない。オーストラリアでの研修内容と比較してもまず研修期間に大きな違いがあり、実践的であるし、物見遊山の観光旅行とはならない。本校の国際コースが求める研修成果を求めるにはオーストラリアは物足りない。ただ単に保護者が負担する費用の損失になる可能性が高い。まさしくレポートは理事長の思いに合致しており私はこのような的確な判断の出来る優秀な教員を抱えている幸せ感の方が大きかった。 

フィリピン共和国、 通称フィリピンは、東南アジアに位置する立憲共和制国家で7641もの島々がある島国であり、そのうち有人島に暮らす総人口は1億人を超える。首都はルソン島にあるマニラ市またはマニラ首都圏で私は21世紀にはアジアの大国に成長する可能性を最も有していると私は考え、フィリピンを選択した。文化的・社会的な多様性の観点から言えば、ホスピタリティの高さである。オーストラリアも親日的であり環境も良いが現地教員と関係もほとんどなく新たに関係性を構築する必要がある。フィリピン人は非常にフレンドリーで親しみやすく、海外からの生徒にとって居心地の良い環境を常に提供してくれる。そして現地での教員間の連絡のやり取りについても過去2年間の語学研修で万全な形が構築できている。 

生徒・保護者が求めるオーストラリアの華やかな環境での研修を望むことは理解できるが、大切な事は本校の国際コース語学研修の本来の目的であり、今回の調査においてオーストラリアでの研修期間と研修内容はその目的を達成できないと思われる。今、大きな経済成長をしているフィリピンでの語学研修において、その国の同年代と交流する事で学ぶ事は多くある。また、高校生という多感な時期に、貧富の差を目の当たりにし、世界の状況、社会の仕組みや厳しさを知ることは今後の生徒達の人生に大きな影響と社会貢献の必要性を学ぶ事が出来る良い機会であると考える。来年にはパーペチュアルヘルプ大学に進学する生徒が3年目で出て来ていると言う。素晴らしい事だ。