2021年1月9日土曜日

「15の春を泣かせるな」

大阪、京都、兵庫の知事が政府に対して「緊急事態宣言の発出」を本日要請するとあった。恐らく来週中には成されるだろうから、学校としてはこの国と府の行政施策に合わせてより緊張感を持った対応をしなければならない。一言で言えば「コロナから今いる生徒を守る」と言う事だ。この事は「コロナから学校を守る」と言う意味である。その為にはまず私と両校長、そして教職員全員が感染から回避できるような自己努力と労働環境を整備する必要がある。「先手、先手」で行かねばならない。私は昨日「拡大管理職会議」にて新聞による東京の動きなどを参考にしながら議論し、新たなる緊急事態対応の検討指示を出した。本校の生徒はご家庭も生徒自身も今まで適切に立派に対応してきてくれている。教職員も然りで、だから先生方からは誰一人感染者は出ていない。

7日から始まった3学期が山場である。この間、何としてもコロナの爆発的感染を抑えねばならない。私は新春拝賀始業式の学院長講話では今回も又コロナについて言及し、全校生徒2350人に学院神社の大神様からお祓いを受けた100㎖のウイルス細菌に効くという手指消毒用アルコールジェルを配布した。目的は注意喚起と意識付けである。教職員の更なる注意喚起は校長から行い、私は「教職員のフレックスタイム勤務」を至急検討するように指示をした。かかる事態に朝8時30分までに全員がラッシュ時間帯に公共交通機関で登校する必要はないと決めたのだ。いわゆる時差出勤である。今のところ、生徒の時差登校や分散登校、オンライン授業は考えていない。春の緊急事態の時にやってみたが学校が教育機関と言うことを考えればまだそこまではという判断である。

 


「15の春を泣かすな」と言う言葉がある。コロナが荒れ狂っている時に私立中学、私立高校は適切に受験生の立場に寄り添って受験を粛々と進めなければならない。こちらも極めて重要である。府内全域の小学校6年生と中学3年生が笑顔で希望に胸を膨らませてそれぞれ私立、公立問わず、希望の学校に4月1日以降入学式に臨めるように我々は配慮しなければならない。しかし格好良いことを言ってもその作業は針の穴に大きな紐を通すようなもので簡単ではない。本校では浪速中学入試が1月16日、17日、19日、2月5日と設定しており、浪速高校は1次試験が2月10日としている。受験生の為に感染防止策を徹底しなければならない。例年ならここで全ての作業が終わりなのだがコロナに感染した生徒の事を考え、高校は2月26日に2次入試を実施する方向で準備に入ることにした。

又、公立高校の入試が3月10日で合否発表が3月18日となっており、この時にコロナに感染し、公立受験出来なかった生徒の為に府の教育庁は3月19日に受験日を設け、この合否発表が21日となっている。しかし3月18日の時点で本校はすべて入試業務は終わっているが、これらの生徒が本校で併願合格していれば希望者は受け入れることとした。即ち入学手続きを待つことにしたのだ。「15の春を泣かせてはいけない」。