「ベルリッツ」(Berlitz)という会社がある。1878年にアメリカで設立され、現在世界70ヵ国以上に約500の教育機関を持つ大手語学教育グループである。日本には2020年12月現在、計58の教室があり、大阪では天王寺に支社がある。最初、英語科の教科長からベルリッツを使いたいと言って来たときに私は懐かしく思った。今から38年位前に当時勤務していた大手鉄鋼会社の東京本社にいた私がニューヨーク勤務を命じられ、赴任までの1か月間、特に英会話が出来なかった私に会社はベルリッツ東京に特訓に行かせたのである。当時の事は余り覚えておらず、記憶は極めて高い授業料だったことくらいである。格式が高く、難しくて出席も余り出来なかった。その会社と又本校でご縁が出来るとは世の中は不思議なものだ。
昨年から始まった新コースの「浪速国際コース」は2年目の今年から本格的に展開する国際人(国際理解)を養成するコースとして「遂に表に出て来た」。高校1年生の間はじっくりと観察し、生徒も考え、高校2年から希望者を募って始まるもので第1回生は何とわずか18人である。インターナショナルコースのIを取って「Iクラス」と呼称される。多くの希望があったが、本人の希望、適正、能力等を勘案し最終的に18人となったのだが、仕方がない。この新コースを成功させるためにも最初は少人数とした。このクラスの英語教育にこのベルリッツから派遣されたネイティブの英語教師の授業が今日から始まったのである。毎週月曜日5限、6限の2コマ連続で行われる。「手足を出すな」と言われたらしく本校教員とのティームティーチングではなく、単独の授業である。これは果たして単位認定に問題は無いのかとの懸念はあったが当局に「特別非常勤講師」として登録し行けることになった。
このIクラスの生徒は今後英語を中心に据え、徹底した特訓を受けさせる。英語、英語、英語漬けの毎日である。秋の修学旅行も参加させず、この代わりに今はコロナの為に海外に派遣出来ないのでベルリッツとは別の会社であるが、日本の河口湖湖畔にある研修所に行かせ、英語の徹底した特訓を受けさせる。元来の予定ではフィリッピンのセブ島にある国際英語教育研修所であったがこの代替えである。私は高校校長と共に講師の先生を部屋に招き入れ、宜しくお願いしたい旨ご挨拶をした。履歴書やご経歴は素晴らしく、期待の持てる先生のようであった。当面1年間継続して様子を伺ってみたいと思う。
国際コースばかりではない。本校は英語教育を重要視しており、全校生徒にも事あるごとに言っているのだが、これは中学校でも同じことである。今朝最終的に中学生の為の「夏休みイングリッシュ・キャンプ」の要綱が決まり決済した。当初は千早赤阪村の「多聞尚学館」で宿泊合宿としていたがコロナの事もあり日帰り4日間のコースだ。テーマは「英語に触れる楽しさを知り、英語学習を加速させる」である。ここにもネイティブな外国人の英語教師を配置させる。ここにも24人程度で「まぁ、行ってみるか」程度の軽い気持ちでは特訓について行けなくなるので参加者は厳選しなければならない。一人36000円の費用が掛かる為に学校法人は内10000円を支援する。