2021年4月12日月曜日

某英語女性教諭との一つの物語

当然だが教師と言っても千差万別であり、「一つの型」で出来たような人ばかりではない。又本学院で「理事長の気に入ったタイプ」ばかりを専任教諭にしているわけではない。様々なタイプの教師がいるからこそ組織は活性化し、面白いのであって全く同じタイプだと生徒の方も興を削がれるだろう。しかし教師には絶対に外してはならないポイントもある。今から話す本校女性英語教師のM先生とはこの数年私との戦いの日々であったと言っても良いかも知れない。そこには「一つの物語」がある。関関同立と言われる難関大学を卒業し別の関関同立の大学院で英語を学び、他校で勤務した後、私が採用し、数年後、専任教諭になって貰った。

 お人柄はどちらかと言うと穏健派に見えるが、芯は強く、生徒指導の力や生徒の面倒見は良くて、部活動指導も良くやってくれている。要は教師としての責任感は強い。「公開授業を参観」したが良い授業はされる。ただ問題は英語教師なのに英検とかTOEICの外部資格を全く有していないことで、私は常々「先生、もうそれは駄目でしょう!大学入試に外部検定のスコアを問われる時代になってきています。生徒に外部検定を勧める英語の先生が自分は資格はないでは通りませんよ!」と何回も何回も何回も指導して来たのである。言う方も辛かったが聞く方もしんどかったと思う。しかし私は諦めずに背中を押し続けた。勿論言っても詮無い人には最初から言わない。

 



どうもこのような短時間で勝負の付く検定試験は苦手と見えて苦闘されたようだが今回ようやく素晴らしい成績を上げてくれた。私の部屋に報告に来てくれた時二人とも目頭が熱くなっていたように思う。私は祝意とご努力に敬意を払い、「先生、当面80歳を目標に本校で頑張ってください」と申し上げたのである。私は一人の女性英語教師に「英語教師として影となる部分」がないように指導を行い、彼女も歯を食いしばって頑張り、大阪府の基準みたいな英語教師TOEIC730点をはるかに超える815点を出してくれた。彼女はこれで誰からも文句は言わせない勲章を手に入れたことになる。立派な、立派な英語教師だ。私は遂にハードルを飛び越えさせたのである。私は嬉しい。我ながら良い仕事をしたと思っている。


今日から本校では「コミニュケーション英語」の一環で新年度の新しい外国人英語教師との「TT(チームティーチング)」が始まった。外部機関から派遣して貰い、46歳のオーストラリア人だ。私は何時もどのようなご経歴なのか極めて気になる。だから最初は何時も面談し、自分の目で確かめるのだ。この歳になると服装、物言い等々、大体一目見て、どのような人物かおぼろげながら分かってくるから不思議だ。過去苦い経験があるから慎重なのである。今高校生だけで2100人を超え、女生徒比率は過去最高となっている。それだけに外部から本校に入って直接生徒と接する人々には私は厳しい目を注ぐ。

結果的には問題なそうな人物で安心した。スーツにネクタイ着用で礼儀正しく、受け答えもはっきりしていた。英語講師だけで他のアルバイトもしていないことも私を安心させた。高校校長同席で英語科の教科長、担当の教諭を同席させ、私の会話を聞いて貰った。彼らはこれで理事長の意図が分かったと思う。今後とも、このように外部の人を校内に入れ、生徒と直接、接触させることの重要性と慎重性を認識して貰いたいと思う。私はこのお方の経歴書に「日本酒の利き酒師」とあったから、理事長室訪問のお土産に日本酒ではなくて芋焼酎を差し上げたのである。