2024年2月11日日曜日

採点日、「夢想する時間は至福の時」

 世の中の10日から12日の三日間は「3連休」だが府内の私立高校は今日も仕事で出勤している。昨年も全く同じだった。私は連休よりも仕事があった方が良いから「連休がつぶれた」との感覚は無い。今日11日は「建国記念の日」、正門には国旗が翻っている。「建国をしのび、国を愛する心を養う日」として、1966(昭和41)年に定められた。この2月11日という日付は、初代天皇である神武天皇が現在の樫原神宮の地において即位された日であり、今日は皇紀2684年2月11日となる。私は日本と言う国に生を受け、祖先から受け継いでいる文化の下で育ってきた。悠久の歴史に思いをはせ、「神社神道の学校」の理事長として特別な感慨で何時も正門に掲げる「国旗」を眺めている。心が落ち着く。


 神社前広場には人一人おらず、静寂そのものである。入試作業の期間中は学校内に何人も立ち入る事は出来ない。犬猫一匹さえ立ち入りは出来ない。大切な受験生の答案用紙を保管しており、採点をし、合否判定を行って封筒に通知を入れ、郵便局に手渡すまで厳重な管理下に学校は置かれる。入学試験とはそういうものである。昨日の学力試験が終了した後、奉仕してくれた生徒達に「奉仕料」を手渡した。25人であった。その昔は120人位いたが、伝令作業などが全てIT化され、要員の合理化になった。自治会役員が主体であるが彼らも後輩となる受験生の為に汗を流してやりがいがあったみたいで充実した顔をしていた。このようにして若者は仕事の喜びを知り、稼ぐという事を知る。


採点作業と言えばその景色は全く変わった。昔のような答案用紙の束の前で教員が「色マジックペン」を持って「〇や」などを記していき、電卓で合計して行く場面は本校では完全に消えてしまった。まさに画期的な事であり、本校のIT化が突き進んでいる証拠である。マジックの代わりにパソコンの画面に釘付けとなって電子答案と向かい合い、二人一組で同じ個人の正答をチェックし二人が合致すれば正答として自動的に集計されていくシステムを導入して5年目になった。当然取り扱いは厳重に管理されており、ネットの入り切りは管理職の決済である。誰にも閲覧出来ないし、コピーなども不可能である。「採点は午前11時前には完了」した。新幹線である。しかしまだ夢想の段階だが、近い将来「学力試験は無し!で面接試験のみ」に移行する可能性を想っている。少子化時代を迎え、教員の働き方改革としても入学試験は実施せず、中学時代のデータの評価で良いのではないかと言う考えが頭にあるのだ。

 


平成18年、私は着任と同時に「IT武装されたシティ・スクール」の建設宣言をうたい、平成28年に実現した。今の新校舎は更に進化し、ICT武装された学校になっているが、次なるテーマは「AIの活用と導入」ではないかとの思いが巡る。今年の9月からは学校の教育課程は月金までの「学校5日制に移行」する。「教職員は週休変則2日制」へ移行だ。土日は連休で休んで貰うようにするのである。「土曜日の使い方」をどのようにするか、その答えの中に「更なるICTとAI,およびAIロボット」がある。学習効果のアップと定着化の為に土曜日を有効に活用しなければならない。遂に文部科学省も授業一こまを45分に短縮し、余裕時間を生み出す方向の検討を開始した。「夢想する時間は至福の時」である。今朝の朝会で打ち揃った教職員を見詰めながら私は次の一手を考えている。