2024年2月12日月曜日

合否判定と封入作業「天野屋利兵衛は男でござる!」

 今日も高校入試の作業は続いた。まず今日は8時30分から拡大校務運営委員による「合否判定会議」を持った。その昔は全教員が出席する職員会議の形であったが、私は形を変え、校務運営委員だけの会議にした。「学年、分掌、教科の代表教諭」が出る会議にわざわざ全員が出席する必要はない、「司、司に任せよ」という私の考えである。従って今日の出勤は全員ではない。そうでもしなければ教員の負担軽減など進む筈はない。教職員の働き方改革の一つでもある。この全員参加は学校に今でも根強く張っている文化で「私も一票、皆で決めた!」という一見して平等性、公平性に見えるが、実は責任回避ではないのか?「赤信号、皆で通れば怖くない」だ。この風景も今や完全に無くなった。今年入職して来た新人の先生が全てを理解した上で判断できるほど合否判定は易しいものではない。しかし中味の良い会議で思わず頬も緩む。 


合否判定が終了すれば結果を受験生に通達しなければならない。実はこれが細心の注意を要する「大仕事」で、もし宛先を間違って送ったりすれば「個人情報保護」の観点からアウトである。そのようなことが発生すれば、浪速高校の信頼は地に堕ちる。「合否通知封入作業」こそ、最後の最重要な業務だ。個人宛合否通知、中学校宛合否通知、必要な場合は塾宛合否通知を3区分ある。受験生が2400人を超えているから封筒の数だけでも膨大なのである。それに「特待生通知文」などもあるからこれなど入れ間違ったら走り回らねばならない。加えて通知書や封筒などが折れていたり、汚れていたら受ける側も気分を害する。中にはご家庭のおばあちゃんが孫の合格通知を押し戴いて神棚に供えるという話もある位だ。 


夕刻16時頃までには、近隣の郵便局員が現金輸送車みたいに車で封筒を取りに来て頂くまで防火金庫に保管しておく。特に冬場は火災も多く、管理を厳重に行う。郵便局に手渡せばこれでようやく安堵できる。来週の「16日に1.5次入試」には府内65校の私立が募集をかけているが本校は新たな募集は実施しない。次のポイントは今日、合格者通知を出した生徒の内、公立高校との併願者がどれくらい本校に戻ってくるか、業界言葉で言えば「併願戻り」の数だ。これは併願先の公立高校の募集人員と応募者の数から自ずと決まってくるが、今までと傾向が違って見える。いずれにしても浪速高校の入学者予想数値は昨年の900人を超えて930から950人程度に膨れ上がるとみて、私は一部の教室の改造に入る。 

「令和6年度高校1年生は22クラス」とすると新たに4クラス分が必要である。NS館に2クラス分の空きがあるから不足は2クラス。西館のECL教室は今や何処でもフリーWi-Fiになっているから個人端末を有している生徒を特別教室に入れる必要はない。さすれば不足する教室は後一つであり、昨日から今朝にかけて理事4人で討議し、結論を出した。「中学校長室を一般教室に改造」する。画期的な事で浪速の現在のパワーの源泉を端的に示す格好の事例とも言える。高校の入学者の為に中学校長が自分の部屋を明け渡すというのだからその気概が素晴らしい。建設中の新中学校棟は来年の3月には完成し、素晴らしい校長室が出来るまでの1年間、中学の校長室は職員室に近い印刷室で執務を執る。西田校長自ら職員室に近い方が良いと提案してくれた。彼は「立派な答え」を出してくれたと思う。さすが私が昨年中学校長に任じただけの人材である。忠臣蔵の名場面、天野屋利兵衛のセリフではないが「西田陽一は男でござる!」だ。これで22クラス揃うことになった。早速改造の準備に入る。