2024年2月19日月曜日

大学の「年内入試」とは?

 「年内入試」という一般の方には耳慣れない言葉がある。大学入試の「総合型選抜(旧AO)と学校推薦型選抜」を指す言葉で、「従来型の筆記試験中心の一般選抜(一般入試)」が13月にあるのに対し、912月に実施・合否が出るので、この言葉「年内」が使われている。今朝は朝日新聞だけが、それも1面で、今年(2023年度入試)の結果分析を報じていた。朝日は時にこのような記事を出す。他の記事の論説は幾分私とは捉え方が少し異なる面が多いが、この記事のような編集姿勢は高く評価できる。記事の主題はこの年内入試で入学した学生の「半数超えの50.7%が年内入試」だったというものだ。 


今までは私学主体であったが、今後は国立大学でも広がりを見せている。文部科学省に拠れば昨年春の試験で82の大学の内64大学が総合型選抜を実施し、学校推薦型は77大学が行うとしている。私立も国公立も18歳人口が減少していく中でいち早く優秀な学生を確保したいという思いが背景にある。要は単に学力成績が良いだけではなくて多様な可能性を有した学生を早めに確保したいという狙いもある。アドミッション・オフィス(AO)と呼ばれる入試は1990年代以降に広がったが、合格者の学力不足が問題になった。「分数の出来ない大学生」とか言われ、文部科学省は2021年春入学者向けから「総合型選抜」に改称し、小論文やプレゼンテーション、検定試験の結果などで学力を評価するとした。全くその通りで、学習や研究の基本はやはり「学力」である。 


本日、本校では1月に行われた「大学入学共通テスト」の分析会と来年度の授業のやり方などを確認するミーティングを持った。もう長い間続いている。今日はまず「理科」から始めた。理科と言っても物理、化学、生物と基礎理科である。その後「国語」に移った。今年それぞれの科目の授業担当者が全国平均との比較を行いながら管理職に報告するのである。これこそ「最も重要な学校のミッション」であり、先生方にとっては「自分の授業の評価」が全国平均としてあからさまに出るのだから、その重要さの意義も分かる。今日の報告も素晴らしい解析と次年度に向けた課題を出してくれており私は大いに満足している。良い先生が育ってくれている。毎日毎日、一コマの授業の積み重ねが大学進学実績に繋がっている。それだけにこの分析報告会は今後とも大切にするように居並んだ管理職に私は申し上げた。