2025年2月28日金曜日

本校の公式インスタグラム「naniwa_goodschool」

 建設中の中学校新校舎は見所満載である。ここで学ぶ生徒が誇りを持ち、本校の「建学の精神」を意識しながら、学業に専念できるように「ICTを駆使」した教室群、それでいて機能的、文化的な香りが高い、精神的に余裕の持てる新校舎を建設するという、私の恐らく最後になるだろう建造物への「思い入れ」は絶大である。昨日のアラウンドで「嘆き」を書いたがこの私の思いを全面的に受け止めてくれた南海辰村建設さんは「一夜で代替え案」をまとめてくれ本日打合せと現場視察を行い最終確認した。これで本校の「公式インスタグラム」にこの「見どころ満載の新校舎」が強烈な光を放ってその存在感を高めてくれるのは間違いない。一夜で私の気持ちは収まった。今日はそのSNSについて少し書いてみたい。



基本的に私はSNSに対して極めて慎重である。個人的に興味関心は大いに有しているが、だからと言って教職員や生徒に対して「全面解禁」として来なかった。ここは学校であり勉学を積むところであるという意識がまず最初にあったからである。しかし一方では社会の流れに歯向かうのも得策ではなく、「徐々に徐々に」世間を見ながら開放していくやり方できた。これは「私自身の見掛け」と全く異なるというお方もいるかも知れないが実像は案外と慎重なのである。だから私は「ブログ一筋」で長い文章を硬い語彙を選びながらもう15年近く続けて来た。ツイッター(現X)の炎上があれば学校に混乱を招くことを恐れているのである。正直言って「ツイッター(現X)に興味関心」があるが、言霊の国、神道の学校の責任者としてとにかく分かり易く、言葉を大切に発信をするという意識を今更変える積りはない。 

それでも10数年前、結構早い段階で私は携帯電話の校内持ち込みを許可した。これがすべての皮切りであった。それ以前は正門で教員が預かるというスタイルであったが余りにも手間暇がかかるから自由教室持ちこみに踏み切った。勿論電源を切るという約束であった。一旦許せば、それからは速度が増して次に「ライン」を許可した。その後次々と「フェイスブック」や「インスタグラム」「ツイッター(現X)」が社会の全面に出てきたが「学校としては2019年に学校公式のインスタのアカウントを開設」した。SNSの解禁である。しかし気持ちは抑え気味であった。まずライン取り扱いについての教養が先に来るべきと考えたからである。 

「生徒との約束」ということでまず教室では電源を切り、まず「人権という意識」を常に発してきたことの効果もあり、人権問題に繋がる事案は少なかったと思う。勿論SNSと犯罪、薬物との関連は全く無縁で今まで来られた。本校の生徒の自覚と教員の指導もあって、SNSの付き合いの質が相当にレベル高いと私は評価している。結論を言えば、学校としてSNSについてまず生徒の安全を守る、その為に生徒と保護者間の通信手段としてラインは大きな効果を確認した。これを受けて次にインスタグラムについてはそれまで当方も力を入れて来なかったが、昨年大きく舵を切った。2024年春である。 

新しく就任したS入試広報部長が「学校広報の有効ツール」としてインスタの活用を私に強力に具申してくれ、私は幾分の懸念はあったが解禁を図った。あれから1年、何とフォロワー数は月初のタイミングで1731人まで膨れ上がり、24年の4月1日から25年の2月で実に1082人の増加になった。女性職員のTさんとIさんが担当してくれ、この間「壁紙の統一」「タイル投稿」更に「リール動画」まで投入し「スマートさ」「スタイリッシュさ」を意識して美しい映像で発信したのである。最近の生徒や保護者が「浪速の今」を知って頂くために、長い文章ではなくて美麗で品格ある映像投稿主体に知恵を絞ってくれた結果は本年度の「爆発的な生徒増」に繋がったことへの一因になったと思う。 

今までは学校行事、イベント、クラブ活動などが主体であったが来年度以降は入試広報活動に直結するような投稿も心掛けていくと上記メンバー3人が言明してくれた。狙いは新しく完成する「新中学校校舎」、法人化された「浪速学院校友会」等々、「ムービングしている浪速」を更に発信していく。インスタを活用し「常若の浪速」「伝統と革新の浪速」「グッドスクール浪速」「動いている浪速」「常に変化している浪速」等々「浪速の今」を公式インスタ「naniwa_goodschool」に力を投入する。

2025年2月27日木曜日

自転車登校時のヘルメット着用について

 昨日、建設中の新中学校棟の視察に赴いた。結論から言えば今回の視察で私は相当な「ショック」を受けた。今回のプロジェクトでは初めての事件であると言っても良い。目玉となる最上階の6階の「意匠性がまるでなっていない」のである。施主の意向から大きくかけ離れている。最大の見せ場である6階から神社前広場を俯瞰できる場所に何とわざわざ「囲い壁」を作り、「売りのサロンの場所」が技術・情報の特別小屋に変貌していた。1年365日でわずか8時間程度の使用の為に最上階の、いわば難波高島屋の正面玄関前に扉囲いを付けているようなものである。 

又写真で見て欲しい。見せ場である音楽室の壁や入口の引き戸の色が何か、「救急病院みたいな色」や「懺悔の部屋」に入るような寒々しいモノトーン色で塗られていた。私は卒倒しそうになり、後刻関係者を部屋に呼び、「存念」を強く申し述べ、変更を命じた。何でこうなるのか一夜明けた今日になっても私の憤慨は収まらない。「悲憤慷慨」という言葉を使っても良い。今まで何回も何回も言ってきた事だったのにという悔しい思いがある。かくのごとく人間は人の言う事を聞かず、変わらない。悲しい話だ。 

この憤慨の余波を引きずりながら、初めて工事中の「自転車置き場」を視察したが、「うーん、これは経年使用でガタガタになる」のではないかと心配する気持ちが湧いてきた。杞憂であって欲しいが横に移動する躯体の小さな車輪の直径が小さく、又プラスチック製であることが心配なのである。近隣の学校で採用しているとのことであるが、状況の情報も得ていない。もし短期間に動きが悪くなったり壊れたりすれば、これはPL法に引っかかる商品となるからその点も気になった。なんやかんやで今回の現場視察は不満が残った。建設工事は最後の2カ月で決まる。私は工事の責任者に意匠に関わる部分は工事前に頻度を上げて理事長に報告し施主の了解を得るようにお願いした。 



15時半から職員会議であった。私は4月から自転車登校の生徒に「努力義務」としてヘルメット着用」の課題に言及した。これは道路交通法の改定によりさて近年の自転車事故の急増で、その事故の割合が非常に高い中高生を主体に法令改正がなされたものである。自転車事故での死亡者の64.0%が、「頭部への致命傷」であることがデータとして出ており、ヘルメットを着用している場合と比較して、着用していない場合の「致死率が約1.8培と高く」なっていることが背景にある。本校としても生徒の安全な通学を最優先に考え、原則公共交通機関での通学を強く推奨していることをご理解の上、ヘルメット着用について理解と協力をお願いしたいと保護者に伝え、生徒にも指導を行う予定だ。当然教職員も該当する。 


職員会議は早々に終わりその後「職員代表の選挙」が予定されていたので、私と常務理事は本学院の設置者として経営側に立つものだから、選挙権は無いと考え部屋を退出した。3年間の任期一杯代表として私のカウンターパートであったS先生とは本当に良好にやっていけた。これも教職員の理解と協力があり、結果として生徒数の増と言う状況が大きく給与改善、働き方改革に繋がったと思う。何方が新代表に就任されるのかまだ不明だが、組織である限り、そこで働く教職員こそ宝物であり、大切にしていかねばならない。私は新代表とも上手くやっていける自信がある。

2025年2月25日火曜日

風雪に耐えた「建学の精神」

 今日のアラウンドは本校の原点に立ち戻り、「建学の精神」について少し著述したいと思う。ここ20年本校はまさに「右肩上がり」で生徒が増えて行った。その頂点がまさに本年度かも知れないとさえ私は思っている。令和7年度入試結果は中高共に新記録の入学者数になり、恐らく4月期首の中高合わせた総在籍数は3300人を超えるのではないか?20年前の約3倍だ。まさに大規模校に育ったと思う。歴代の教職員、ご関係の皆様に深く感謝申し上げたい。この間学校設置者としての理事長の想定を超える勾配で増えて来た根本要因に果たして何があるのか、考察しているのだが、答えは一つではない。しかし間違いなく「建学の精神」が広く世に認められてきたからだと考えている。建学の精神とは、学校を創立・創設するときに掲げた理念や目的としての根本の精神である。これは学校の運営や教育・研究の方針を決める基準となり、学校がどのような人を育てようとしているのかの「教育理念」に直接結びついている、いわば本校の教育憲法だと表現すれば分かり易い。 



本校の根源には「神社神道の教え」がある。そうかと言って本校は神職養成学校ではない。102年前、大正12年、時の大阪の神道人が基金を持ち寄り、建設した「旧制浪速中学校」を起点としているが、その精神的根本は明治時代の「大阪皇典講究所」を創基としている。これから算用すれば歴史は140年なんなんとなるが、この長い年月、様々な場面で神社神道、惟神の道を背骨にして、時代時代の進展と荒波の中で、根本の建学精神は文言や言い回しなどに手を加えながら、今日まで生き延びてきた。特に辛い時代は昭和初期から戦後にかけてであった。私立学校を語る時に絶対的に必要な「根本義」を公開し、あまねく広く周知せしめる責任義務は私立学校の設置者にある。これがあればこそ「公的機関の助成」が得られ、「私学の独立性」が担保されるものである。現時点の建学の精神をここに転記する。我々はここに掲げる建学の精神を大変誇りに思っている。 時代は今、神道の時代になったとさえ思っている。




学校法人浪速学院の建学の精神(スクール・ミッション)

教育基本法に拠り、新教育の理念に則り、民主的、社会的、平和的、自主的、創造的な人格の確立を目標にし、我が国の精神と伝統・文化を重んじ、祖先の精神を受け継ぐ心を育むことに努める。

即ち、神社神道を建学の精神に掲げ、「浄明正直」を校訓として、浄く明るく正しく素直に生きる力と、「敬神崇祖」の教えを大切にし、「思いやりの心」「感謝の心」「豊かな心」を育み、社会の中で生き抜く力を備えた人物を育成する。 

スクール・ポリシー

1.アドミッション・ポリシー ~求める生徒像~

・本校の教育理念及び方針を理解する生徒

・進路実現に向けて何事にも主体的に取り組む生徒

・すべての事に対する思いやり、社会へ奉仕する豊かな心をもつ生徒

・人間力向上のため、成長を志す意欲をもつ生徒

2.カリキュラム・ポリシー ~教育の方針~

神道教育・道徳教育を基本とした徳育を実践することにより、生徒の心に「誇り」と「自信」を育むとともに、才能と適性を開発します。また、学力・人間力・判断力の増進を図り、生きる力を培うことを教育方針とし、その実現のために以下の教育を行います。

①進路実現のため、多様な進路希望に応じた教育課程やキャリア教育の充実した教育活動を展開します。

②課題発見力・課題解決力を育成するため、教科横断的な学びや課題研究の充実を図り、探求型の教育を展開します。

③規律ある学校生活を通して、自らを律し行動する力や規範意識を育てます。

④個々の生徒の課題解決のための丁寧な支援を行い、ICTの活用により、自主的な調べ学習などの支柱を構築することによって、アクティブラーニングを推進し、幅広く深い知識と教養を身につけ、問題発見、解決力を培う教育を展開します。

⑤グローバル教育とともにわが国の伝統・文化に対する理解を促し、外国語教育及び研修を積極的に充実させ、視野の広い真の国際人・教養人を育成します。

⑥学校行事や課外活動、ボランティア活動、部活動などの様々な体験を通して、自立心、主体性、責任感、協働性、社会貢献の精神を養う環境の充実を図ります。

3.グラデュエーション・ポリシー ~卒業の認定に関する方針~

才能や適性を最大限引き出し,学力・人間力・判断力の増進を図り、生きる力を培い、 「世のため人のために奉仕する心」「思いやりの心」「謙虚な心」を兼ね備えた、真に自立した心豊かで社会に有為な人材の輩出を目指します。





2025年2月21日金曜日

大学入学共通テスト分析会 二日目「国・社・理」

 明日は専願合格者に登校して貰い、「制服採寸」の日としているが、専願者の数が増え続けている。当初は内部生を入れて2月10日の一次入試で999人に専願合格通知を出したが、その後、新規や併願からの切り替えなどで昨日夕刻段階で1016人の入学金の納付があった。ところが今日、更に2名の希望者があったと入試広報部から報告があった。累計1018人になるが、私はまだこの数値は増えると思う。毎日、毎日テレビや新聞で与党と維新が私立高校授業料無償化について報道しており、「それなら、僕、もう公立は受けない。浪速専願にしたい」と保護者に訴えると親御さんも「そうねー、悪くはないわね、そうしたいならしても良いよ」などの会話があったかどうか知らないが、今後全国的に私立への流れは徐々に加速されるかも知れない。

テレビのコメンテーターの中には「見当外れのコメント」を出している人も散見されるが、今まで教育費の「公私間格差」で泣かされてきた私学側からすれば、「ようやくここまで来た」と言う感じで、まだまだ「官高民低」の日本的風土は根強い。道半ばだと思う。しかし文化に風穴を開けてここまで推進し、国政レベルにまで政策論を国会に上げた大阪維新の会を源流とする大阪府の行政と議会人の先見の明と度量に感服する。高く評価し、感謝致したいと思う。浪速学院は大阪の順次進んだ高校授業料完全無償化の風をフォローとして、「様々な教育改革、学校改革」を進めて来たから専願者が1000人を超える学校になったのである。とにかく我々は学校を徹底的に変えたのである!忘れていけないのは同じ助成金を受けても公立、私立の約半数が定員割れしている現実をどう見るのか?今後「公立被害者論」「私学悪玉論」などが出てくるようでは教育の「本当のところ」を分かっていない人だと思う。この問題は複雑で論考には相当な知識が要る。 

国語

明日の2月22日は専願合格者の制服採寸の日と前述した。この業務はI生徒生活指導部長以下、生指のプロが担当する。制服の管理は「生徒の安全確保と学校の品格を保つ」為に極めて重要であり、生指のプロが採寸状況をウオッチしている。合格に胸を膨らませ、初めて高校の制服を着るから気持ちの高ぶりもあるだろう。ついつい男子の中にはズボンを「腰パン」にする為ウエストを大きくしないように目を光らせているという具合だ。女生徒の場合、スカート丈の問題である。基本的に私は「制服の多様化」を考えている。これこそ「不易と流行」ではないか?着る生徒が本校の制服を身に着けることで「誇りとハッピーな気持ち」になって欲しいからだ。制服としてのあるべき原則を守りながら、時代の風に柔軟に合わせていく方向性が今後とも求められる。 

社会

今日は昨日に続いて大学入学共通テストの分析会であった。科目は国語、社会、理科と続いた。良い分析会だったと思う。私は今までの経験をベースに「思うところ、感じるところ、考えねばならないところ」について論じた。長時間で疲れる会議であったが、一生懸命に生徒の為に頑張ってくれている先生方に深く感謝申し上げたい。もう生徒の増は優先順位から下位に持ってくることが有っても良い。今までも大きな成果を上げてきているが、今後も「今まで以上に教育の中身にエネルギーを投入注力」したいと思う。その為に生徒や先生方に経営資源を惜しみなく使う積りだ。良い教師(グッド・ティーチャー)は宝である。

理科

2025年2月20日木曜日

大学入学共通テストの教科別分析会

 今日は1月に行われた「大学入学共通テストの教科別分析会」があった。主管は進路指導部である。今年から新たに「情報」が加わったので6教科になった。これを2日間分けての実施だ。先生方は教科主任に3年生の授業担当の先生、当方は理事長、高校校長、高校副校長、高校教頭である。部屋は理事長室とした。この分析会は私が校長時代から始めたもので教師が一生懸命に教えた「教え子」が共通テストでどのくらいのスコアであったのか、その「分析と今後の授業の工夫」は教師として当たり前の事であり、管理者が直接耳に入れる機会を持つのは先生方にとっても「気合が入る」筈だ。単純に言えば私立高校に進学する理由を真っ先に挙げよとの質問の答えは「進学実績」であり、このような地道な努力が花開く。部活動OK,学校行事OK、でも生徒も保護者も行きたい大学に行きたいのである。それは基本的に「学力」であり、これだけは変わっていないし、今後も変わらない。

英語

ところで最近、面白い新聞記事があった。視点が面白い。217日付けの日経新聞でタイトルは「投資としてみた大学」である。簡単に言えば大学進学について生涯にわたる経済的メリット論を「投資」という観点で論考したものだ。筆者は東北大の島教授で他の2名の大学教授との共同研究である。私はこの種の面白い記事に目が行くと切り抜いて後刻詳細に読破する癖がついている。これらが知識になる。島先生の論考は数値が明確に出ているから分かり易い。ただ理念だけを語った論文、全く数値の裏付けがない論文は意味をなさないと個人的に思っている。しかしこの論文は数値だらけであった。だから面白い。 

日経記事

大学教育の費用には入学金や授業料などの直接費用と間接費用として進学せず、就職したら得られで放棄所得がある。2023年度のデータでは直接費用は国立大学では約243万円、放棄所得は税引き後で男子の場合1153万円とあった。対して大学卒業後に得られた賃金と高卒者として得られた賃金の差額は65歳までの合算で5650万円となる。参考までに23歳で大学を卒業し、65歳まで働いた場合税引き後の生涯賃金は大卒の場合25106万円、高卒の場合は20609万円と言うような具合である。その差4497万円とあった。これら以外にも多くの視点が著述されているが、「大学教育投資収益率は男子で6%、女子で7%」ともあった。私見であるが大手企業の収益率に近い数値である。愉快なくらい面白い展開であった。 

本日の分析会は英語、情報、数学であった。各教科の分析は素晴らしかった。特に感銘を受けたのは「資料の完成度の高さ」である。作成した教科長が輝いて見えた。しかし先生方も分かっているように、資料が良く出来きているからと言って生徒の学力がアップする訳ではない。これをどう使うかである。その為に今年から新3年生の教科担当と4月から専任教諭に採用される候補者は本分析会の正規メンバーではないがオブザーバーとして出席を認める旨の指示を進路指導部長に言っている。折角の生きた勉強会に触れさせたいのである。特に情報は今回から科目に入ったもので大変に興味関心があった。3教科とも資料と説明に私は満足した。時間はかかるがこのような「分析・傾向と対策」を継続していくことで間違いなく本校の教科指導力は上がる。この点こそ「教師の本分」であり、耳を傾け、支援し助力する職務の管理職は今後もこの会議を大切にして欲しいと思う。今回の会議で英語から「京都いしちょう」、情報から「多聞尚学館」、数学から「3Sの使い方」が具体的に言葉として教師側から出てきたのは「我が意を得たり」と極めて嬉しかった。

情報
数学


2025年2月18日火曜日

昨日の衆院予算委員会、石破総理の対維新前原共同代表へのご答弁

 令和7年度の浪速高校の入学手続きが順調に進んでいる。昨日16時締切りまでに1007人の専願合格者が入学手続きを終えた。「専願1007人は想定もしない大きな数値」である。そして今日は「再試験」の日で予定どおり6人の受験生が全員揃った。内専願受験生は4人であり、この受験生が合格点を取れば1007人は1011人となる。しかし私はこの数値はまだまだ「上振れ」すると思う。併願合格者から「やはり専願で浪速へ」と思う保護者や生徒は後数名は出てくるだろう。最終的専願合格者が何名になるのか?8時10分に集礼があったが6人の受験生に30人以上の教員が持ち場で動く。一見、コスパ的には不合理に見えるが、そんなことは問題ではなくて、さぞ不安な面持ちであろう受験生に温かく接するように校長、教頭、そして教務部長が具体的に指示を出していた。これが大切であり本校の「真心」「誠意」と言うものである。英・国・社・理・数の5教科で頑張って貰った。

 

今日の各紙は1面に昨日の衆院予算委員会で石破総理が、維新の前原共同代表に私立高校授業料無償化について前向きな答弁がなされ、方向が定まったとあった。26年度入試から所得制限を取り払い、全国平均の数値である457000円を上限のCAPとして全国の私立高校の授業料が無償化される方向だ。素晴らしい事で今後大きな波が全国的に私立高校に来るだろう。大阪府は現在63万円をCAPとしてくれているが吉村知事も第一段階として自公の歩み寄りを「了」とするのではないか。私はこれにより大阪府は幾分財政的負担が減るのであるから私立中学への就学支援金を少しでも増額して頂きたいと念願している。少子化の進展の中で「国造り」の根幹は教育であり、「幼、保、小、中、高まで保育料、授業料等は完全無償化」が最も効果があり分かり易いと思う。 

集礼の後、すぐ真下の西館1階の校舎改造工事の状況を視察した。元の中学校教室3教室を高校用2教室にするのだが既存の高校より20%近くも広くなっている。広さに驚くと同時に安心した。これで「西館に6教室分の高校教室」が出来た。その後最終工事に入っている新中学校棟を視察した。豪華で明るくて、廊下が広く、窓が大きく、全てが美麗で機能的な校舎が目に入ってきた。壁や床、などが白基調であるのが良い。ただ中学生はまだまだ「子供っぽい」から本校みたいに「一足制」の学校では「スリッパ」に履き替えないだけにこの白壁の下部部分が意識的では無いにしても徐々に靴で汚されるだろう。特に雨の日などは怖い。対策を取るように指示をした。又何処か目立つ部位に「天井ファン」を付けられないだろうか?天井ファンは中央館6階の天空Rの例みたいに本校のシンボル装置である。帰る時に乗ったエレベーターの中から遠く見る学院神社の光景が目に眩しかった。





2025年2月17日月曜日

「不易流行」「伝統革新」「温故知新」

 1月中旬から始まった入試はまず中学から始まり、その後高校に移って、明日の高校の再試験で令和7年度入試は終わる。明日の試験は過日の試験に体調他で受験できなかった受験生の為であり、本校では明日6人の受験生が来るはずになっている。この後に続く1.5次入試や2次入試は本校では実施しない。これ以上の生徒を獲得する気はない。この入試の完了を受けて週末の22日には専願合格者の「制服採寸」が予定されている。その数1010人前後だからメーカーのトンボさんも代理店の中西制服店さんも喜んで下さるだろう。両社とも本学院にとって大切なファミリー企業と当方は思っているからお互いが「ウイン・ウイン」の関係でお取引が継続出来る事が嬉しい。 

私はトランプ大統領みたいには次から次と「大統領令」を発行してベクトルを真反対に変えるようなことは出来ないが、基本的に「変えるという行為に逡巡はない」。変えること自体が好きなのかも知れない。しかし考えてみれば組織のトップとは変えることが仕事である。人事も設備も変えてこそ新しい希望が見えてくる。神社界の言葉「常若」である。「20年間の浪速改革」でこの学校は全く全てが変わった。教職員も90%以上が私が採用した面々だし、事務室においては事務長以下一人残らず全ての職員が私が採用し育てて来た、あるいは育てている進行中の人物だ。従って理事長の影響なのか知らないが、本校の教職員の特色と言うか、長所は変える事に抵抗感が無いという事でこれは財産である。 

しかしこのようになると最近自分で分かった事だが微妙な問題や課題について部下からの意見や提案が出てくるのは易しいことではなくなった気がする。変えた人間が変えないと次は生まれ出て来ないのである。このようにして組織にはワンマンとか絶対権者が生まれるのかも知れない。余り長くやるのも考え物だと悟った。令和7年度から中学校には新たに「学年主任」の職位と呼称を創設することにした。今までは「学年チーフ」という言い方であったが1学年が5クラスになった訳だし、前から感じていたチーフの呼び方の違和感などもあり、この際高校と同じように学年主任で良いと考えた訳である。すなわち呼称一つにも「ストーリー」があってこれを心身で知っている人間だけにしか変える事が出来ないのかと思った。これでは行けない。 


今日は安全衛生委員会と校務運営会議があったが、私は集まった幹部教職員に「変えるべき項目があれば決めた本人が誰であれ、変えるべき理由と提案せよ」と改めて指示を出した。特に入試広報部はこの点に関して積極的であり、評価しているが「教職員だけが楽になるような」提案については慎重にすべきと付言した。今政府では毎日新聞紙上を賑わせているように国レベルで私立高校の授業料無償化議論があり、今後数年間、政治がらみで公立・私立高校議論が国民的広がりを見せる可能性がある。私立高校は受験生が来てくれてこそ私立であり、今年中高共に多くの生徒を確保出来たからと言って来年も同じとは言えない。少子化は益々進展していく。謙虚に足元を見つめ、「不易と流行」「伝統と革新」「温故知新」を合言葉に学校を変えて行こうと私は話を締めた。

2025年2月15日土曜日

何と専願者が1000人を超えた!

 「一人勝ち」と言う言葉がある。独り勝ちとも書くが、正直余り感じが良くない響きだ。辞書によれば強さや勢いにおいて、他のどれよりも上回っているさまを言い、無敵、 最強、 敵なし、天下無双とか天下に並ぶものなしとか、当たるべからざる勢い、向かう所敵なし、とかあったが、「とんでもない!もう勘弁して」と言いたくなる。昨日、教育関係者で古くからの知人から「浪速、一人勝ち!」と言われたときに、あまり手を挙げて喜ぶという気持ちではなかった。他者を大きく引き離して先頭を走っている独走状態のことであるが、日常生活やスポーツ、ビジネスなどでも良く使われる言葉であり、言われた側にしてみれば「何か、悪いことでもしているみたいな・・・」感じもする。それは良く存じ上げている数人の他の私立の理事長のお顔が浮かんだからである。 

現在の大阪府の私立高校入試システムは監督官庁である大阪府私学課の指導の下、受け入れる教室と対応する教員、そして「条例による公立の募集人員」「私学の学則定員」という縛りの中で長い年月をかけて生み出されたシステムであり、全ての公立、私立高校の共通した公平公正なシステムである。大阪維新の会が導入した段階的な授業料完全無償化の施策は「規制のない自由な学校選択が可能」との目的で導入されたが、その結果として今日の公立、私立の選択結果が生じつつある。本校みたいに多くの入学者を受け入れる学校と募集定員を割る学校とに鮮明に分かれてきている。ほんの少し前はこのような事態ではなかった。授業料完全無償化は一体何をもたらしたのか?一般的に言われている「私学への流れの助長」だけではなくて、学校完全自由選択は公立、私立のそれぞれが「2分化」を生み出した。公立も私立も約半数が定員を割っている。ここに注目しなければなるまい。 


これは今後とも動き変動して行くだろう。言いたいことはあくまで「入試と言うのは結果」である。今朝ほど入試広報部を所管しているK教頭先生が部屋に来て下記の報告をしてくれた。本校は過日の高校入試、専願合格者通知は999人に対して実行したが、ところがその後一人、二人と併願合格者から専願への切り替え要望が出され、今朝現在では何と1005人まで上がっており、まだ数名希望者があるとの事であった。何と専願入学者が1010人程度にまで膨れるのではないかと言う。「専願者で1000人が超える」などは夢想だにしなかった。これに対して前述した「浪速、独り勝ち」の言葉が出て来たのかも知れない。 


入学金の納付も本年度から3万円のアップをお願いしたが事務方の情報では順調に入学手続きが進んでいるという。17日月曜日16時までだからその時点で専願の最終数値が決まる。中学は初めて5クラスとなり高校クラス数は25クラスで行く。教員手配も目途がついており学年主任やクラス担任もほぼ固まりつつある。我々の責任は本校を選択し、入試で合格通知を手にし,入学手続きを済ませ、入学式で「校長先生から正式に入学許可」を得た生徒たちを私たちはこの学び舎で、有意な人材になるべく徹底した教科指導、クラブ活動、学校行事などの教育活動を展開して責任を果たさねばならない。最早、現段階は入学生が多かろうと少なかろうと関係ない。我々はこの責任感の重さに負けず「クール」にただやるべきことを粛々と進めるだけだ。

 

2025年2月14日金曜日

臨時職員会議「教職員の処遇改善第二弾」

 昨日の臨時職員会議において私は「令和7年度から大幅な処遇改善」を図ると述べた。最近の諸物価高騰、良い人材を確保するための方策の一助として、また昨年9月始めた「Saturday  Something  Special (S)」の効果を良い上上げるためと言って良い。勿論4月入学者が新記録となった「ご祝儀」の気持ちが無いと言えば噓になるが本質はそうではない。誰もが考えそうである。入試業務が中高共に見事な結果で終わり、いずれも入学者が新記録となったから「還元すべき」が通り相場の考えであるが、そうではなくて、あくまで中長期における学校の勤務員、即ち教職員の生活レベルの向上の為である。教職員への処遇を時の理事長が「人気取り」で行うなど「エモーショナルな施策」は後世に禍根を残す。いわゆる「ばらまき」である。私はこのようなケースを何回も見て来た。処遇改善は「論理的、合理的」でなければならない。 

今回は①まず専任教職員への月々の研修費・研究費を3000円から5000円にアップし半期ごとに一律に30000円支払う。②常勤講師、常勤職員の1号俸の初任給をアップし、222000円とし、月額12000円アップする。昨年も2月5日に臨時職員会議で「年間の賞与・一時金をアップ」することを全教職員に発表した。それは「年間月例給与の4カ月+定額10万円(下期のみ)」の支給を「5か月+10万円」とする。従って「夏7月は2.5カ月、冬12月は2.5カ月+10万円」としたのである。この施策に引き続いて本年度も4月から上記の施策を導入し処遇の改善を図る。2年連続の相当、大幅な年収水準の改定である。 

私は所謂「ベア(ベースアップ)」は考えていない。学校は大ヒット製品の登場とか飛躍的な業績向上はないからで、学校は完全に「年功序列賃金体系」である。従って学歴別,年功別基本賃金表の改定は考えていない。その代わり「定昇」については今までも実施してきたし、今後とも行う方向である。1年経てば例外なく賃金は上がる。これはベテランになればなるほど熟練度の高い良い先生になって頂くことが約束事であり、その為の「定期昇給」である。我々は1年間仕事をすることで、1年分の仕事の熟練度が上がる筈であり、それを期待して未だに学校には年功序列の賃金表が跋扈しているのだ。 

この原理原則が成り立たないのなら学校勤務員といえども「年功序列賃金体系」は成り立たない。年功序列の崩壊は今や社会の一般企業では当たり前であり常識となっている。学校で勤務し生活の糧を得る人間の宿命は「生涯学習」であり、歳を取ってICTが不得手で凡そ熟練、卓越した教師とは言い難いような先生が高い給料を取っているとしたら排除せざるを得ないなる時代ももう目の前にある。その財源をICTを駆使し生徒の為に走り回っている若い先生に重くする時代も近いかも知れない。自らに自主的な研修と研究を課し「スーパーティーチャー」だと誰もが認める「教師」になって欲しい。教師に歳は関係ない。「教員ではなくて教師」だ。 

付属資料

2025213日付け全教職員向け、理事長告示文 

専任教職員 常勤講師 常勤職員の給与改正について

 2022年以降、物価上昇率は毎年2.5%を超え、最近では米や生鮮食料品が高値のまま下がらない傾向にある。このような中、体力のある企業を中心として、物価高を支えるだけの賃上げを行っている。さらに大手企業は、優秀な新入社員獲得のために初任給を大幅に上げるなど対応している。教育界においては、教員のなり手が不足する中、各自治体では教員採用試験を前倒しする動きが広まり、教員の確保に対しててこ入れをしている。また、政府は27日、公立学校教員の給与増などを盛り込んだ教員給与特別措置法(給特法)の改正案を閣議決定した。これにより現在4%の教職調整額を毎年1%ずつ引き上げ、2031年に10%にする。学級担任手当も新たに設け、処遇改善を図ると報じている。

 浪速学院は、これまでに分掌手当や特殊勤務手当等の拡充および増額を常々行ってきた。浪速学院が開校100周年を過ぎた2024年度からは教職員の日頃の頑張りに応えて賞与額を年間4か月から年間5か月に変更し、浪速NEXT100へと踏み出した節目において先生方に大幅な処遇改善を図った。さらに浪速NEXT1002年目となる2025年度の浪速中学校と浪速高等学校の入学者であるが、過去最高記録になると予想される。目前に迫った浪速中学校新校舎の竣工を寿ぐとともに昨今の社会情勢も鑑みて、さらに20254月から以下の2点において、給与規定の改正を行うこととした。 

①現在専任教職員に対して支給している月額3,000円の研究費であるが、名称を新たに「研修・研究費」と改める。そして研修費分として月額2,000円を増額し、年額60,000円とする。ただし、支給方法は年2回の賞与支給日に各30,000円に変更する。年間支給額を増やすことで、今年度から実施している土曜日の自宅研修日がさらに充実するものにしていただきたいと考える。 

②常勤講師、常勤職員の1号俸を本俸と常勤手当を合算して222,000円とする。常勤講師は、月額12,000円の増額となる。若い先生方への生活支援の意味も含めて増額している。この増額率は、令和6年度の大企業の賃上げ率にも匹敵するものである。なお、この改正については新任の先生だけではなく、2025年度も継続して勤務される先生方も対象となる。 

以上、このような特別な支援を図るので、各教職員の皆様におかれましてはさらに充実した時間を過ごしていただきたい。また、浪速学院で勤務される誇りと責任感を持って、先生方の自己実現を図っていただきたい。

2025年2月13日木曜日

臨時職員会議「来年度人事の告示」

令和7年度高校入試業務が滞りなく終わり、今日は「臨時職員会議」を持った。目的は全教職員に正式に来年度の人事を告示するためである。入試も終わり早く来年度の体制を組み、準備に入らないといけない。昨年は2月5日であったが今年は1週間遅らせたのは入試のタイミングからである。「新しい酒は新しい皮袋に盛れ」という格言がある。新しい考えを表現したり、新しいものを生かしたりするためには、それに応じた「新たな組織の形や環境、それに対応する人間が必要」であることの例えだ。由来は新約聖書であるが、真実を伝えていると思う。「去年は去年、過ぎ去ったこと!今年は今年と新しい人で!」という「人と形の変化」が「人事」である。およそ、「組織にとって最重要なものは人事」であり、人事は「人の事」と書くが、まさしく組織はそこに属する人々で日常があり、そこには人事による組織活性化や人間模様が出てくる。それが人事の狙いでもある。 


昨年度の人事の目玉は①浪速高校に副校長を任命、入試広報教頭を高校教頭専従として重任、入試広報部長を高校教頭補佐に異動するなど、数年、輝かしい成果を上げた、入試広報部の幹部人事を入試広報部から高等学校幹部に異動させ、部の雰囲気を一新、即ち「人心一新」を図ったこと、そして②その代わり、入試広報部はトップ以下「浪速中学校シフト」を敷いたことであった。とにかく岩盤固い中学校の入学者を増やすためである。この人事の結果は本年「完全勝利」として後世語り継がれるのではないかくらいの成果を上げた。高校は入学者が1100人を超え、中学は168人とこれまた大記録となる見込みだ。このように人事は成果が出て初めて評価される。これを受けて4月からの学校組織である。 

大きな成果を上げた体制を「一挙にひっくり返す」ような事をやってはいけない。今の形がもたらしたノウハウと言行録を固めることが重要である。しかしネクストに向けて「新しく仕込む」ことも極めて重要である。これをやらないから固定化し、組織は柔軟で無くなる。私は来年度人事の基本的考えは「ローテーション」を従来以上に考慮したことだ。本校もようやく「有能な人材が多く育って」きた。特に彼らの中から将来の管理職を育てていかねばならない。組織には「ライン職とスタッフ職」があり、人によってはスタッフ職で能力を発揮する人材もいる。一見輝かしく見える校長以下のライン職はスタッフ職の支援を得て初めて成果を上げることが出来る。このラインとスタッフ、このバランスが重要である。給与基準は全く同じである。 


又ベテランの教諭の中から若手教員の指導としてスタッフ職の「指導教諭」を当てはめてきたが、教科を考慮し固定の職位職分とはしないことを今回の人事で示した。一旦就任したらこれで永久職とはならない。同じように「教頭補佐」も中堅クラスの有能な教諭の管理補佐職経験の付与を考慮にいれた発令であり有期限の職位となる。ローテーションの中から「適材適所」が見えてくる。ここが狙いでもある。また本年度は「初めて女性のライン職である教頭補佐を中学校に発令」することにした。私はもっともっと多く女性教諭の活躍場所を広げていきたいと思う。映像を使って私は人事の要点を説明した。2番目のテーマは「教職員の処遇改善」であるが、この中身も又私の誇りであり、紙数の関係から、明日のアラウンドに続報として記述する積りだ。こちらの方も教職員にとって「ハッピーな話」になった筈である。 

2025年2月12日水曜日

合否判定会議と通知表の封筒詰め

 今日も高校入試作業は続いた。言葉は入試業務の方が適切か?まず今日は8時30分から拡大校務運営委員による「合否判定会議」を持った。「熟議」とは行かないが資料と教科長の説明がよくよく理解でき、原案通り確定した。しかし来年に向けての課題も整理できた。学校の現状と近未来に合わせて判定基準も細部では動くこともあって良いと私はコメントした。「ガチガチ」の固定観念だけでは学校は変わって行かない。「微修正」を図りながら公立中学校、塾に対してご理解を得る努力は必要だ。また浪速中学校は浪速高校に進学する生徒に対して「内部生」としての「矜持」を持つためにも格別の進路指導を図っていかねばならない。それが「中高一貫教育」の利点である。 

しかし今日の「会議の顔ぶれ」を見て私はつくづくと思った。その昔の判定会議は全教員が出席する職員会議の形であったが、私は「不合理」と判断し止めて、校務運営会議のメンバーと教科長を交えた会議にした。「学年、分掌、教科の代表教諭」が出る会議にわざわざ全員が出席する必要はない、「司、司に任せよ」という私の考えである。従って今日の出勤は全員ではない。そうでもしなければ教員の負担軽減など進む筈はない。「教職員の働き方改革」の一つでもある。特段用事のない教職員は「有給取得奨励日」として休暇を取って貰い、入試で疲れた心身を癒して欲しいと思う。 

この「何でもかんでも全員参加の形」は学校に今でも根強く張っている教員文化で「私も一票を行使し、皆で決めた!」という一見して平等性、公平性に見えるが、実は責任分担、回避ではないのか?と私は考えておりそれは幾分今でも頭の片隅にある。「赤信号、皆で通れば怖くない」だ。この論理が通るなら管理職など不要である。邪魔な存在だけだ。戦後から続いたこの左翼的思想?が戦後から徐々に学校を衰退させたと私は思う。「学校は組織体」でなければならない。教職員一人一人が「社長さん」ではない。誰かが責任を取らねばならない。それが役員であり管理職である。しかしその風景も本校では今や完全に薄れて来たと思う。しかし完全に無くなったとは考えるのは甘い。それが「人間の業」である。 

合否判定が終了すれば結果を受験生に通達しなければならない。実はこれが細心の注意を要する「大仕事」で、もし宛先を間違って送ったりすれば「個人情報保護」の観点からアウトである。そのようなことが発生すれば、浪速高校の信頼は地に堕ちる。「合否通知封入作業」こそ、最後の最重要な業務であり、慎重に、慎重に取り進めた。これは一人のキーマンが仕切り、その人の指示で次に進めるという手順が良い。冒頭説明して全員に「さぁ、スタート」では必ず間違いが発生する。「一つ一つ」作業を前に、「ゴー$ストップ$ゴー」のやり方がポイントである。これも夕刻、近隣の郵便局員が現金輸送車みたいに車で封筒を取りに来て頂き引き渡す。以上で本校の入試業務は「一件落着」、この安堵がもたらす心地良い疲労感は格別である。私と校長は心を込めて慰労と感謝の言葉を申し述べ封筒入れは完了した。本当にこの3日間の校長以下全教職員の仕事は素晴らしかったと思う。