2025年2月6日木曜日

常に自戒「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

 今朝の新聞は本当に面白いというか、「激動する世界の中の日本」、「混沌とした日本の中の大阪」と言う感じで私は捉えた。5紙全てを「なめるように」読んだ。まずホンダと日産の統合協議が打ち止めになったという記事だ。スピード感のはっきりしない日産の態度に業を煮やしたホンダが子会社化するという提案にプライドの高い日産が即座に「ノー」を突き付けた様子である。二番目は例によって「トランプ騒動」だ。何とガザのパレスチナ人を他国に追い出し、アメリカが管理してガザを地中海のリゾート地であるリビエラのようにするとイスラエルの首相に語ったことだ。この記事に私は吉本新喜劇流で言えば「ずっこけて」床に倒れこんだ感じだ。三番目は来年度予算でギリギリの折衝が続く、少数与党の政府が高校の授業料無償化の為に所得制限を外すというカウンター案を維新に投げたことだ。維新の求める私立高校の完全授業料無償化は今後の検討課題とすると記事にはあった。 

以上3件について筆者みたいな浅学菲才の者でも「意見は持っている」が、このブログの趣旨からすれば外れるので止めておく。「人間というのは人それぞれ、業を背負って生きている生き物」だと今更ながら思った。特定の対象や個人攻撃ではなくて、誰もが陥る人間の「落とし穴」は「傲岸、不遜、相手への敬意やリスペクト、過剰なプライド、スピード感欠如、自己保身、優柔不断、他や失敗に学ぶ姿勢の欠如」等々かも知れないと今更ながら強く感じた。ハラスメントなどもここから来る。私は「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の句を思い出し,自戒を込めて今後とも細心の注意でこの学校の設置者として学校経営と校務運営を行って参りたい。

 今朝の新聞各紙は2月3日正午現在の集約であるが私立94校の内部進学、外部募集、合計数値である総募集数に対して「応募総数」とその内訳として専願、併願数を細かく発表していた。お陰様で本校は専願が900人、併願が1540人、応募総数が2440人とどの数値を見ても府内トップの位置であった。トップだから良い学校と言う訳ではない。ただ「人気を集めている」というレベルの話だ。特に専願者が900人というのは初めてである。私は各校別の数値を俯瞰しながら勿論少ないよりは多い方が良いわけだから嬉しい気持ちもあるが一方では他の私学への気持ちもあり、複雑な気持ちも沸いている。 




記事から言えることは府全体で応募者は昨年度より減少しているから間違いなく少子化が進んでいる。同時にその数値以上に私学選択の数が大きく伸びており、大阪府が政策として整備してくれた私立高校完全授業料無償化の施策の影響があることは自明の理である。ただこの法律は94校すべてに適用されており、それでもトップの本校が専併合わせて2440人に対して少ないところは200人以下の学校が23校もある現実が今目の前にある。この点をどのように読むかである。共通の土俵の中で選択される学校と言うのはそれなりの「選ばれる理由」があるのであってそこには「打ち出の小槌」はない。建学の精神、教育環境、教職員の力量と態度、部活動、広報説明責任」等々多くの背景があるのであろう。 

このアラウンドは書くのに気を遣った。しかし頑張ってくれた教職員の為にこの学校を設置している理事会の理事長として論評をこのタイミングを得て書くことこそが本校を選択してくれた受験生、保護者、関係者への私の責任だと思って書いた。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の句は決して頭の中からは何時も消えていない。10日の私立一斉試験日に向かって今日から具体的な準備に入る。