昨日の臨時職員会議において私は「令和7年度から大幅な処遇改善」を図ると述べた。最近の諸物価高騰、良い人材を確保するための方策の一助として、また昨年9月始めた「Saturday Something Special (3S)」の効果を良い上上げるためと言って良い。勿論4月入学者が新記録となった「ご祝儀」の気持ちが無いと言えば噓になるが本質はそうではない。誰もが考えそうである。入試業務が中高共に見事な結果で終わり、いずれも入学者が新記録となったから「還元すべき」が通り相場の考えであるが、そうではなくて、あくまで中長期における学校の勤務員、即ち教職員の生活レベルの向上の為である。教職員への処遇を時の理事長が「人気取り」で行うなど「エモーショナルな施策」は後世に禍根を残す。いわゆる「ばらまき」である。私はこのようなケースを何回も見て来た。処遇改善は「論理的、合理的」でなければならない。
今回は①まず専任教職員への月々の研修費・研究費を3000円から5000円にアップし半期ごとに一律に30000円支払う。②常勤講師、常勤職員の1号俸の初任給をアップし、222000円とし、月額12000円アップする。昨年も2月5日に臨時職員会議で「年間の賞与・一時金をアップ」することを全教職員に発表した。それは「年間月例給与の4カ月+定額10万円(下期のみ)」の支給を「5か月+10万円」とする。従って「夏7月は2.5カ月、冬12月は2.5カ月+10万円」としたのである。この施策に引き続いて本年度も4月から上記の施策を導入し処遇の改善を図る。2年連続の相当、大幅な年収水準の改定である。
私は所謂「ベア(ベースアップ)」は考えていない。学校は大ヒット製品の登場とか飛躍的な業績向上はないからで、学校は完全に「年功序列賃金体系」である。従って学歴別,年功別基本賃金表の改定は考えていない。その代わり「定昇」については今までも実施してきたし、今後とも行う方向である。1年経てば例外なく賃金は上がる。これはベテランになればなるほど熟練度の高い良い先生になって頂くことが約束事であり、その為の「定期昇給」である。我々は1年間仕事をすることで、1年分の仕事の熟練度が上がる筈であり、それを期待して未だに学校には年功序列の賃金表が跋扈しているのだ。
この原理原則が成り立たないのなら学校勤務員といえども「年功序列賃金体系」は成り立たない。年功序列の崩壊は今や社会の一般企業では当たり前であり常識となっている。学校で勤務し生活の糧を得る人間の宿命は「生涯学習」であり、歳を取ってICTが不得手で凡そ熟練、卓越した教師とは言い難いような先生が高い給料を取っているとしたら排除せざるを得ないなる時代ももう目の前にある。その財源をICTを駆使し生徒の為に走り回っている若い先生に重くする時代も近いかも知れない。自らに自主的な研修と研究を課し「スーパーティーチャー」だと誰もが認める「教師」になって欲しい。教師に歳は関係ない。「教員ではなくて教師」だ。
付属資料
2025年2月13日付け全教職員向け、理事長告示文
専任教職員 常勤講師 常勤職員の給与改正について
2022年以降、物価上昇率は毎年2.5%を超え、最近では米や生鮮食料品が高値のまま下がらない傾向にある。このような中、体力のある企業を中心として、物価高を支えるだけの賃上げを行っている。さらに大手企業は、優秀な新入社員獲得のために初任給を大幅に上げるなど対応している。教育界においては、教員のなり手が不足する中、各自治体では教員採用試験を前倒しする動きが広まり、教員の確保に対しててこ入れをしている。また、政府は2月7日、公立学校教員の給与増などを盛り込んだ教員給与特別措置法(給特法)の改正案を閣議決定した。これにより現在4%の教職調整額を毎年1%ずつ引き上げ、2031年に10%にする。学級担任手当も新たに設け、処遇改善を図ると報じている。
浪速学院は、これまでに分掌手当や特殊勤務手当等の拡充および増額を常々行ってきた。浪速学院が開校100周年を過ぎた2024年度からは教職員の日頃の頑張りに応えて賞与額を年間4か月から年間5か月に変更し、浪速NEXT100へと踏み出した節目において先生方に大幅な処遇改善を図った。さらに浪速NEXT100の2年目となる2025年度の浪速中学校と浪速高等学校の入学者であるが、過去最高記録になると予想される。目前に迫った浪速中学校新校舎の竣工を寿ぐとともに昨今の社会情勢も鑑みて、さらに2025年4月から以下の2点において、給与規定の改正を行うこととした。
①現在専任教職員に対して支給している月額3,000円の研究費であるが、名称を新たに「研修・研究費」と改める。そして研修費分として月額2,000円を増額し、年額60,000円とする。ただし、支給方法は年2回の賞与支給日に各30,000円に変更する。年間支給額を増やすことで、今年度から実施している土曜日の自宅研修日がさらに充実するものにしていただきたいと考える。
②常勤講師、常勤職員の1号俸を本俸と常勤手当を合算して222,000円とする。常勤講師は、月額12,000円の増額となる。若い先生方への生活支援の意味も含めて増額している。この増額率は、令和6年度の大企業の賃上げ率にも匹敵するものである。なお、この改正については新任の先生だけではなく、2025年度も継続して勤務される先生方も対象となる。
以上、このような特別な支援を図るので、各教職員の皆様におかれましてはさらに充実した時間を過ごしていただきたい。また、浪速学院で勤務される誇りと責任感を持って、先生方の自己実現を図っていただきたい。