2025年3月8日土曜日

第51回浪速中学校卒業証書授与式

 早朝は少し寒気を強く感じたが経過とともに太陽の陽が出て、心地よい空気の中で「第51回目の浪速中学校卒業式」を挙行した。浪速高校の卒業式は1月末に既に終わっているがその回数は78回目であるから、いかにも中学は少ないが、理由はこの間「募集停止」をした期間があったからである。「れば、たら談義」みたいだが、もしこの募集停止がなかったら今や浪速中学はもっともっと有力、有名な府内の私立中であったと思うが、こういう事は言っても仕方がない。と言いながら書いているのだから私は諦めが悪い男だ。しかし今から反転攻勢が始まる。イヤ、既に始まっている。 




今後100回を目指して私の後輩たちが頑張ってくれるだろう。実力で「浪速中学の存在感」を高めて行って欲しい。その為には「実績」を数多く出さねばならない。今日の卒業式で送り出した生徒は4クラス、122名であったが、来月の入学式では遂に5クラスで168人の入学生だ。実に46人もの増加で間違いなく浪速中学の存在感「ここに在り」と高らかに号砲はなっている。そしてこの節目の年に遂に「専用の校舎が竣功」する。その日は今月の28日である。贅を尽くしたではなく、「粋を尽くした」と言う言葉を使いたいくらい、広く、明るく、豪華で美麗で又機能的で「生徒と教職員が誇りを持てる」この校舎で、素晴らしい「たくましい、それでいて優しい」人間になるよう「浪中教育の霧雨を間断なく振りかけ」、浪速高校に送りこんで欲しいと思う。


 その浪速高校の入学者予想は昨日の段階からいわゆる「にぎり」が明らかになって公立高校の志願者が幾分変化した。今朝も各紙が記事にしている。早速入試広報部は分析をして報告に来てくれた。結果は私の想定通りで「専願1021名、併願104人」とはじいていた。合計1125人だから昨日の私のアラウンドの数値1100から1150のまさしく中間数値であり、3人で笑ったところだ。浪速高校の主体となる旧3学区、4学区での定員割れは昨日の10校から半減し5校となっていた。昨日の最終段階で進路指導が功を奏した部分はあるがやはり基本的には少子化と私立高校授業料無償化の影響が強く出ていることが分かる。

全体倍率は昨日の1.00倍から1.02倍と上がったがそれでも現行制度で過去最低の数値であり、内訳を見ると普通科は1.01、単位制が1.00、専門学科が1.09であり今後公立の担う分野として「スキル重視の専門高校の存在は益々高まる気配」だと私は読んでいる。私立だが通信制の学校の伸びは極めて大きく、社会の底流には誰もが全日制の普通科高校に通う時代が少しずつ変わり始めていると感じているのではないか?

 この意味はとにかく「意味ある、特徴ある高校のみが生き延びる」ことを暗示していると私は思う。今日で高校も中学も学校の一大イベントである卒業式を終えた。次は4月からの新年度である。時計の振り子は原点に戻ったがとどまることなく今も時を進めている。

2025年3月7日金曜日

「公立高校一般選抜49校が定員超え」、この表現の真意は???

 今朝の毎日新聞は6日現在の今次「公立高校一般選抜の出願者数の記事」を大きく出していたが、何と見出しが「49校で定員超え」とあった。全日制128校で49校が定員を超えたという表現である。これには驚いた。今までもそうだが普通は「定員割れが〇校」と書くものだと頭にあったからだ。長い間この種の記事を目にしてきたがこのような見出しは初めてである。これは書いた記者の「皮肉」か?大手5紙が全て記事にしているが読売新聞は「公立校一般選抜1.00倍」の見出しであった。これは普通であるが、これも衝撃的で倍率が1倍と言うことは募集と志願者が同数ということであり、これも又初めての経験だった。大体1.02とか1.03位はあった筈だ。

しかしこの1.00倍も良く、良く観察すると一般的に名前の知れた学校は定員を充足しているがそれ以外の高校は低い数値であり、その平均が1.00なのである。平均倍率の1.00は余り意味のない数値で、完全に「2極化」している。すなわち集めている学校グループと集まっていない学校グループとにである。伝統校や即ちトップ校と言われているところの人気度は高いが、そうでもない学校は人気がない?状況なのである。だから定員割れしている。 

今までは「中学校の進路指導」が行き届いており、「15の春を泣かすな!」の合言葉で大体どの公立高校も定員割れする学校は極めて少なかった。それが授業料無償化を先行している大阪や東京では「じわじわ」と私学が増やしてきたのは事実であり、ここ数年、そのカーブが急である。その結果、公立全日制128校で79校が割れているのである。先に公開された私立高校の状況と全くよく似ている。

政府与党と維新が政治決断した高校授業料無償化施策が数値で見る限り「私学への流れ」を誘引せしめ今朝の記事でもデータとして明らかである。少子化の進展も背景にあるが、対前年比較で公立志望が大体700人から800人規模で毎年減少しているのが分かる。更に今日の新聞記事では公立中学校の卒業生の数と出願者の数に大きな開きがあり、これは「にぎり」といって今日の記事から志望校を最終決定する数であり、この動向次第で各校別に変動が生じる。いずれにしても今回の高校受験の動向は全国的に「公立人気の衰退?私立への流れの加速?」とかマスコミや国や地方議会で論議が沸き起こるのではないか。 

しかしこの問題の真相を捉えるのは簡単ではないし、そこには「深層」があって伝統の力、学校の実績と実力、中学の偏差値の輪切りによる進路指導、発信力、最新の教育環境整備状況、教員の腕、等々複雑に絡んでいるだけに簡単に公立衰退論や私学有利論など感情的な論争になるべきではない。大体同じ比率で公立私立いずれも強い学校とそうでもない学校には「それなりの理由」があるのではないか。そこがポイントである。本校の入試広報部は今朝の新聞記事から入学生は専願で1021人、併願で80人と予想し、合わせて1101名と私に報告した。私は明日明後日の変動を見越して入学者は1100人から1150人と見て諸準備に入っているが今まで的はほぼ的中している。

3月末には現在工事中の新中学校棟が竣功するから、私は、今まで中学生の使っていた3教室を高校用に2教室にすべく改造中であり、これで現在の西館で新たに6教室が用意できる。又肝心の教員手配も含めて諸準備が完了している。責任を持って粛々と受け入れて行きたい。受験生には10日の公立の入学試験、頑張って欲しいと思う。


2025年3月6日木曜日

隣の芝生は良く見える?

 34日、古事記「ヤマタノオロチ」神話は井波彫刻の畠山勲先生の手で彫刻として「物語」になり、建設中の新中学校棟への取り付けが見事になされた。ゼネコンの南海辰村さんの下請けの方々、総出でなされたことは既に4日のアラウンドで紹介している。全ての取り付けが終わった後、私は畠山先生から波しぶきの先っぽの「白く塗られた丸い木片」を一個手渡され、それを作品に差し込む仕事を促され、言われるままに行った。施主が最後に取り付けて「完成」とするのだそうだ。知らなかったが名誉な事だった。それが終わると工事関係者から拍手を頂いた。


現状は28日の竣功祭に「除幕」するから作品には白布のベールを被せ、前に衝立を立てて「養生」している。防御かも知れない。今朝ほど気になって現場に赴き確認した。早くベールを外し、多くの皆さんに見て頂きたいと思う。 


工事は最後の局面に移り、「外構工事が佳境」に入っている。個人の家でもそうだが、完成後は家の中には自由に入れないから外観でしか「家全体の観察」は出来ない。しかし、門併、庭、植樹などは通りがかりに目に入るもので「その一見」で家の価値が定まる運命にもある。特に玄関と庭は重要であり、その工事や周辺が外構工事である。雨水の対策なども重要だ。 先行して透水性のある下地のアスファルト舗装が出来上がっていた。この上に緑の芝生が張られる。

当初、新中学校棟の前面には外部からの来客の駐車場のスペースも取っていたが私はこの図面を見るなり、その場で「ノー」を突き付けた。とんでもないことだ、「全面芝生に変えよ」と指示した。だからこの場所は「緑一色の人工芝」になり、門前の道路からも良く見えるゆとりと癒しの空間になるだろう。中学生が昼休み、寝転がって遊ぶことになる。9日の日曜日に一気に張ってしまうそうだ。この工事は(株)日本道路さんの手でなされている。長いお付き合いのある伝統ある道路回り、土木外構工事専門会社である。



2025年3月5日水曜日

担任団発表

今朝は810分から、中央職員室にて臨時の職員会議がありました。まず飯田高校校長先生から新年度の担任団の発表があり、次いで西田中学校校長先生から同じように発表されました。高等学校は新1年生25クラスを含めて計68クラス、中学校は新1年生5クラスを含めて計13クラスになります。そして理事長・学院長先生からは人事案件他について数件の発表がありました。以上で本日から新年度の準備が具体的に進展していくことになります。


その後、理事長先生は雑誌社のインタビューがあり、記者の質問に丁寧に答えておられました。これは最終的には小冊子にまとめられ、本校の入試広報部が活用します。また、高等学校の授業料無償化に関して先生には一部マスコミや議員の先生方からも面談要請が多くあります。(K


2025年3月4日火曜日

氷雨の中を「ヤマタノオロチ」が飛んできた!

 遂に伝説の生き物「ヤマタノオロチ」が富山県から飛んできた。雨中の移動である。寒い氷雨の中を悠々とやってきた。今日は遂に建設中の中学校校舎の入口に飾る「木彫刻」の日本神話「出雲のヤマタノオロチ退治」の名場面を形にしていただいた伝統工芸士の畠山先生と元請の浅野太鼓の浅野社長さんが大型トラックで運んで来て下さった。ゼネコンの南海辰村建設さんの手で既に「下地」は完成しており、そこに取り付けるのであるが何しろ巨大だから、工事業者さん含め、ゼネコン関係者、総出でやってくれた。この「嬉しさ、感激は筆舌に尽くしがたい」。 

これにより本校地を東西に横切る回廊の廊下の西の端「西関門」から東の端「天岩屋戸門」に至る端から端に「神話物語」が完成した。神社神道の学校として一大叙事詩と言って良い。申し訳ないがこのアラウンドではまだ全容を開示するわけには行かない。28日の竣功祭に除幕するからそれまでは白布で覆い隠す。 


中学校棟新築の案段階から私はまず回廊は一本の道に通すこと、そして正式な門である「西関門」入って直ぐの左側に大きな「木彫り彫刻」を飾ることを考えて来た。その完成イメージについてこだわりの強い私には「本当に私が満足する作品」が出来るのかと先行きを心配していた。色々な方法を探したが、やはりここには木彫り彫刻しかないと決めた。基本的に私は「強運な男」で素晴らしい人物を知り得ることが出来た。そのお方が井波彫刻の第一人者である伝統工芸士の畠山先生であった。この先生に会って、私はきっと良いものが出来るという確信に変わって行った。 


それでも何回も打合せし、私自身が富山県の工房まで出張し、現物を見ながら進めてきた。ここには「欄間彫刻」みたいな、「単なる平板彫刻」みたいな物を飾り付ける気は毛頭なかった。「躍動感溢れる立体化した作品」であって欲しいと念願していたが、それが今目の前にある。彩色後の作品は今日初めて「お披露目」となった。やはり色彩を付けた方が見栄えがした。品格があるのが殊の外嬉しい。 

中央館回廊を抜け、東館との境界は「天孫降臨の高千穂の峰がガラス絵」で飾られており、その境界を抜けると東門前の左面は「天の岩屋戸伝説が壁画」として描かれている。又回廊の中央部分には「天御柱」があり古事記の序文が薄墨で書かれている。古事記、日本書紀が描く日本神話の柱は以上の「天孫降臨」「天の岩屋戸」に加えて「八岐大蛇」伝説が来る。この三つがハイライトであり、神社神道の学校として残った最後の一等地に私は「ヤマタノオロチ(八岐大蛇、八俣遠呂智、八俣遠呂知)」伝説を彫刻で飾ったのである。これで一連の東館、中央館、NS館、西館(新中学校棟)が「一体化して繋がり」の学校は大きな塊に変貌する。これらが正面の学院神社の後ろから取り囲むように屹立している。 




昨年の12月5日、福井、石川を経て富山に至る出張はとにかく氷雨の中で寒かったが、今日も氷雨の中で冷える日となった。大蛇はこの寒さが好きなのである。風光明媚、温かい陽射しよりか、「風が強く雨が降る寒さの中でこその人生である」と我々に教えてくれているのだと私は思った。この私が驚くくらい「迫力に満ちた」彫刻の主役は天照大神の弟君である「スサノウの尊」であり、三種の神器になった「草薙の剣」、そして日本最初の夫婦と言われる「クシナダヒメ」そしてヒール役として「八匹の大蛇(おろち)」が絶妙な配置で名人の手で作品となっている。さも息遣いが聞こえてくるような、この彫刻は未来永劫、浪速学院を見守ってくれる。

2025年3月3日月曜日

3月 年度末「雨の中の一斉参拝」

 今日は「大雨の中の一斉参拝」となった。代表生徒の帯同は止めて私と中高の校長との3人で拝殿場所に立った。このような大降りは初めてかも知れないと述べ、先週末の温かさから急転この気温の低下を「三寒四温」というところから学院長講話に入った。そして「年度と年」の違いに触れて3月末、年度末に向けて「終わり良ければ全て良し」の格言に展開し、直線残り50メートルをしっかりと走り終えるように指導し激励した。

次に私は講話のメインとして4月から自転車登校の生徒に「努力義務」としてヘルメット着用」の課題に言及した。これは「道路交通法の改定」により、近年の自転車事故の急増で、その事故の割合が非常に高い中高生を主体に法令改正がなされたものと教えた。自転車事故での死亡者の64.0%が、「頭部への致命傷」であることがデータとして出ており、ヘルメットを着用している場合と比較して、着用していない場合の「致死率が約1.8倍と高く」なっていることも説明し、本校としては生徒の安全な通学を最優先に考え、原則公共交通機関での通学を強く推奨しているが、やむを得ない事情がある場合は、自転車通学を認めるが、その場合はヘルメット着用を努力義務とする旨、「私の肉声」で直接生徒にも伝えた。 


去る3月1日の3S(Saturday  Something  Special)は「高校1年生対象の分野別模擬体験授業」を企画し、多くの大学や専門学校の先生方にお越しいただき授業をして貰った。もう直ぐ高校2年生になる彼、彼女たちは自ら心のうちに今後の進路を意識し始めているのが分かる。それは参加者の数を見れば分かる。極めて良い企画であると思う。また中学校は第二回目となる「新入生登校」があって、中学校の先生方から必要な資料を手渡し、説明を行った。徐々に中学生の雰囲気になって貰うための重要な行事であるが、観察していると生徒も保護者もお顔にはどこか「笑み」があり、小学生から中学生になる時のお顔と雰囲気を私は理解した。



一斉参拝でも生徒には話したが、建設中の中学校校舎と高校生が入る現西館の改造は極めて順調に進んでおり、特に新校舎では1階のエントランスホールから最上階6階に至るまで見どころについて説明した。そして「4月5日の入学式」には高校は25クラス、中学は5クラスとなり仮の数値であるが新年度は総勢3300人を超えるレベルの一大マンモス校となる見込みだと話し、これらの今の浪速の勢いは「君たちが居るから」だと賞賛と感謝の言葉を伝えた。良い生徒のいる学校には良い後輩が多く集まるのは自明の理である。目の前に居る生徒が内外に示す言動や佇まいが「グッド・スクール浪速」を作っているのである。