今朝の毎日新聞は6日現在の今次「公立高校一般選抜の出願者数の記事」を大きく出していたが、何と見出しが「49校で定員超え」とあった。全日制128校で49校が定員を超えたという表現である。これには驚いた。今までもそうだが普通は「定員割れが〇校」と書くものだと頭にあったからだ。長い間この種の記事を目にしてきたがこのような見出しは初めてである。これは書いた記者の「皮肉」か?大手5紙が全て記事にしているが読売新聞は「公立校一般選抜1.00倍」の見出しであった。これは普通であるが、これも衝撃的で倍率が1倍と言うことは募集と志願者が同数ということであり、これも又初めての経験だった。大体1.02とか1.03位はあった筈だ。
しかしこの1.00倍も良く、良く観察すると一般的に名前の知れた学校は定員を充足しているがそれ以外の高校は低い数値であり、その平均が1.00なのである。平均倍率の1.00は余り意味のない数値で、完全に「2極化」している。すなわち集めている学校グループと集まっていない学校グループとにである。伝統校や即ちトップ校と言われているところの人気度は高いが、そうでもない学校は人気がない?状況なのである。だから定員割れしている。
今までは「中学校の進路指導」が行き届いており、「15の春を泣かすな!」の合言葉で大体どの公立高校も定員割れする学校は極めて少なかった。それが授業料無償化を先行している大阪や東京では「じわじわ」と私学が増やしてきたのは事実であり、ここ数年、そのカーブが急である。その結果、公立全日制128校で79校が割れているのである。先に公開された私立高校の状況と全くよく似ている。
政府与党と維新が政治決断した高校授業料無償化施策が数値で見る限り「私学への流れ」を誘引せしめ今朝の記事でもデータとして明らかである。少子化の進展も背景にあるが、対前年比較で公立志望が大体700人から800人規模で毎年減少しているのが分かる。更に今日の新聞記事では公立中学校の卒業生の数と出願者の数に大きな開きがあり、これは「にぎり」といって今日の記事から志望校を最終決定する数であり、この動向次第で各校別に変動が生じる。いずれにしても今回の高校受験の動向は全国的に「公立人気の衰退?私立への流れの加速?」とかマスコミや国や地方議会で論議が沸き起こるのではないか。
しかしこの問題の真相を捉えるのは簡単ではないし、そこには「深層」があって伝統の力、学校の実績と実力、中学の偏差値の輪切りによる進路指導、発信力、最新の教育環境整備状況、教員の腕、等々複雑に絡んでいるだけに簡単に公立衰退論や私学有利論など感情的な論争になるべきではない。大体同じ比率で公立私立いずれも強い学校とそうでもない学校には「それなりの理由」があるのではないか。そこがポイントである。本校の入試広報部は今朝の新聞記事から入学生は専願で1021人、併願で80人と予想し、合わせて1101名と私に報告した。私は明日明後日の変動を見越して入学者は1100人から1150人と見て諸準備に入っているが今まで的はほぼ的中している。
3月末には現在工事中の新中学校棟が竣功するから、私は、今まで中学生の使っていた3教室を高校用に2教室にすべく改造中であり、これで現在の西館で新たに6教室が用意できる。又肝心の教員手配も含めて諸準備が完了している。責任を持って粛々と受け入れて行きたい。受験生には10日の公立の入学試験、頑張って欲しいと思う。