明日から修学旅行で私が留守となるから今朝は「拡大管理職会議」を開いて情報の共有と当面の業務目標を明確にした。拡大とは管理職と管理補佐職を含めた意味である。一般的な組織における「管理職」とは指定された特定の範囲において「成果への責任と決裁権」を持ち、「メンバーを指揮・管理する人」の事を言う。例えば、部門の責任者であれば部長、課の責任者であれば課長が管理職に当たる。日本の組織では、課長以上が管理職とされることが多く、決裁権を持たない係長や主任は管理職に入ることは稀である。しかし学校の組織では明確に法律等で定められており、校長、教頭、事務長は明確に管理職である。しかも「学校の組織は階層的で複雑」である。それは生徒と言う存在が絡んでいるからである。又組織には管理職の上位に「経営者の存在」がある。学校で言えば「学校設置者」である。公立学校は教育委員会、私立であれば理事会を総理する理事長が学校設置者となる。
木村流に整理すれば、管理職が管理職としての役割を全うするため、管理職には基本的に仕事を6分類すれば分かり易い。まず業務面で求められる仕事とは、自身が統括する組織の業務遂行を管理し業績に貢献することで、次の3つの取り組みが挙げられる。
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組織目標設定と業務の構想②業務進捗管理とPDCA③既存の業務の見直し・改革
次に管理職が「組織」に対して求められる仕事はメンバーとの信頼関係を築き、メンバーの育成・成長を図ることである。
④理念や戦略の浸透⑤仕事に対する動機づけと人材育成⑥チーム全体のベクトル合致
理事長に焦点を当てると学校の管理職は学校設置者の経営スタッフとなる。管理職に焦点を当てると校長、教頭は校務を運営し教員を監督ながら、教育目標達成の為の管理職となる。ところが生徒に直接、日々接する教員に焦点を当てると一般教員も組織管理者と考えねばならないケースがままある。「いかにも学校というところは階層的で複雑」である。校長二人で2500人、一人一人の生徒を全て確認して業務を進めることは不可能である。まして学校設置者たる理事長・学院長は本校の管理職チームを使って仕事をしているだけである。組織改革とは実はこの階層を理解し最終組織目標の達成の為にあると私は言い続けてきた。私立には一人の教職員が時に場面を変えて自ら考え、自ら行動するかということである。私立の教職員は一人一人が経営者的でなければならない。
拡大管理職会議の後、明日から出発する6方面のそれぞれの団長さんである教諭が内揃って部屋に来てくれた。その席で私は注意事項を申し上げた。「先生方、ご苦労様です。気を付けて行ってきてください!」みたいな通り一編の事は言わない主義だから事細かに指示を出す。生徒の中には得てして遠く家や学校を離れ、ついつい「ノリに乗って」羽目を外さないとも限らない。置き引きに会ってお金を失うこともあるかも知れない。各団長は予備金を持参し生徒にはお金で余分な心配はさせてはならないと指導した。6人の団長さんは学校の管理職ではないが明日からは学校を代表して多くの生徒を率いる責任者である。無事に行き、生徒に思い出を作らせ、無事に連れて帰ってくるという組織目標の為に前述した6項目を頭に入れて頑張って欲しいのである。