この事態を「お天気には勝てない」とあやふやにするわけにはいかないと思った。確かに下見までして色々と考えて決めた旅程である。しかし生徒にとって折角の修学旅行であり、貴重な時間である。天気で予定が変わるリスクを極限まで考え、スケジュールを組むべきと反省した。今回の件を検証し、生徒からのアンケートを取り来年に備える必要がある。場合によっては五島列島を外し、他を探すこともあり得る。
しかし今日は予定通り、進めるしか手はない。問題が出た時にこそ真価が問われる。乗船の遅れた生徒には、待つ間予定外の見学先を入れ、夕食には豪華なフードコートに連れていき、金券を渡しそれぞれが、好きな軽い夕食を取らせることにした。船酔いのリスクの為に酔い止め薬も手配したとHISさんは見事に対応してくれた。後は無事な到着を待つだけである。私の部屋からフェリーの船着き場が見える。
私は生徒を待つ間、生徒の宿泊先等を視察した。生徒はリゾート施設の「コンカナ王国」に2泊する。コンカナとは「来んかな」だと言うからこれには笑った。生徒には余り移動させず同じ所で友達と遊ばせる方が良いとの基本原則だからだが、五島列島は二日間、充実した時を果たして過ごせるのであろうか?コンカナ王国は準備万端整えて生徒の到着を待っている。ホテルの部屋でなくコッテージ分散宿泊である。
五島列島はキリスト教が禁じられていた時代に、その信仰を守ろうとした人々が移り住んだ場所でもあ、2018年に登録された世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」にも五島列島内の複数のエリアが含まれている。だから、この地を選んだのであるが。