久方ぶりにマスコミを賑わさせるスターが登場か?今朝の新聞各紙やテレビでフィギアスケートグランプリシリーズ、男子ショートプログラブ部門で「本校卒業生の友野一希が首位発進」と大きく報道されている。2017年3月浪速高校アイススケート部から同志社大学に進学し、苦節5年漸く友野時代が来たと思いたい。実質本校のスケート部はこの友野君から幕が開き、私は今や国民的スポーツと化した感のあるスケート部を特別強化クラブに指定し応援して来た。これらの成果がようやく出て来たと大変喜んでいる。友野君は普段は明るく、物静かであり、努力家である。ただ緊張した時に良いスコアが出ない時もあったが今回「一皮剥けた」感じがする。私は今でも彼の成人式を祝った本校独自の企画「二十歳の集い」で会った時の事を思い出す。この時のアラウンドは2019年1月15日に記しているが当時の童顔は少し変わりつつあるのか、精悍な顔つきになってきている。「友野、頑張れ!」。君にはまだまだ「伸びしろ」がある。
このアイススケートというスポーツは学校の教員で指導できるスポーツではない。それぞれが専属の特別なコーチを有し、私の出来ることは練習場の費用の一部補助や遠征試合、公式戦などへの激励金授与、ユニフォーム授与等であったが、それでも歴代の顧問の先生の精神的支援もあって今や大阪を代表するスケート強豪校に育った事を知る人は案外少ない。大阪高体連のアイススケート部専門部長は本校の高校校長が務めている。現在の部員は9人で中には全日本ジュニア出場選手や来年4月には大阪チャンピオンの子が2名も入学してくる予定でひょっとしたら数年先には友野君に続いて世界選手権やオリンピック選手が出て来るかも知れない。言っても詮無いことであるが、これらの選手は殆どの場合、卒業した大学名だけであり、どの高校を出たかは記事になっていないが、「どの高校で学んだか」は知る人は知っている。個人的意見であるが大学名よりも高校名の方がより現実に即している。今後は高校、大学と記すべきではないか。野球、駅伝やサッカー等々では既にそうなっている。
さりながら「知的立国―日本」の為には最高学府で学ぶ大学生、大学院生に期待するところは極めて大きい。日本のあらゆる階層で学士、修士、博士などの高学歴の若者が社会をリードせず、元気を無くして行く国は間違いなく衰退していくだろう。そういう意味で昨日の26日に閣議決定した今年度の補正予算に全国大学生67万人に一律10万円の緊急給付金として675億円が計上されたことは良いニュースであった。コロナで仕送りが減り、アルバイト先もなく大学生活の継続に困難をきたしている学生に国が支援をするのは当然である。本校はほぼ全員が大学進学する「進学校」であるが、彼らが生活に困窮していないか何時も気にしている。それらの状況を探る為に私は丁度大学2年時に卒業生を母校に呼び、「二十歳の集い」を企画した。
大学生への支援は一回限りではなく継続しないと意味は無い。世界の先進国の中、大学への国家予算の投入が最も少ないのは日本である。もっともっと国は大学への給付金を増やすべきである。今論議を呼んでいる18歳以下、赤子の子どもたちにまで一律10万円を支給する施策について色々と意見があるのは分かるような気がする。「ばらまき」をあながち否定はしないが優先順位と継続性を問いたい。「一回こっきりでは余りにも切ない!」