2024年7月9日火曜日

「空手道部の事」

 私は全日本空手道連盟から「空手道4段を認許」されている。免状の中に間違いなく書かれている。名誉の言葉は付いていないが名誉4段である。認許の言葉があることを初めてこの時に知った。受賞の数日前に全空連の笹川会長からお電話を頂き、事前に知らされた。時期は「平成から令和に御代替わした令和元年12月6日」の事だった。空手道などやった事もない私がこのような名誉を掌中に出来たのは、K.I監督率いる空手道部の躍進が凄かったからである。これは断言しなければならない。新道場を得た空手道部は全国制覇への道を突き進んでくれ、「浪速高校空手道部の勇名」は日本全国に鳴り響き、その勢いは今も続いている。又私の4段の認許の背景は空手道部練習場「練武館」の創設が空手道の発展に大いに寄与貢献したというところであると聞いた。笹川会長は当時噂になった本校の新道場を視察に来られ、激賞して頂いたことが今でも懐かしい。確かあれは2年連続春夏連覇の祝賀会の時だったと思う。爾来私は笹川会長とは懇意にして頂いている。

 


このK.I監督が成し遂げた言わば偉業は浪速改革スタート以来、「春の全国選抜大会で優勝回数は10回で最多」を数え、今年も成し遂げた。夏のビッグイベントである「インターハイでは団体組手において全国優勝回数は6回、準優勝が1回、3位が3回」だから今や常勝軍団に育ったとも言える。この夏も大阪代表として佐世保に向かい頂点を狙っている。これら全ての戦績はK.I先生という本校の保健体育科教諭の指導と部員生徒の努力と根性のお陰である。しかし謙虚な監督は「この素晴らしい道場、練武館を作って下さった理事長先生のお陰です。」と何時も何方にも言ってくれているらしい。噂が噂を呼び、本校には日本全国の有力な多くの強豪校から練習試合を求められている。とにかくK.I監督の指導を噂の道場で行いたいとのお気持ちではないかと言える。 

確かに今や4面を有する浪速武道館空手道場「練武館」は恐らくアマチュア、大学も含めて学校単位では日本一の道場かも知れない。そのような意志を強く持ち、精魂込めて作っただけに私は素直に嬉しく思う。立派な道場と卓越した指導者が生徒達の心に火を付け、信じられないような力を出すのである。 

この練武館こそ、昨日のアラウンドに書いたように今丁度、新浪速中学校棟の新築を請け負ってくれている南海辰村建設さんの力で竣功して頂いたのである。余談だが浪速中学もこの新校舎によって今後ますます発展して行くことは間違いない。 

空手の発祥の地は古来、琉球と呼ばれていた沖縄と言う。その源流は、彼の地で古くから伝承されてきた独自の格闘技「テー」が、14世紀後半に伝来した中国拳法の影響を受け、現在の形に発展したと考えられていると物の本には書いている。「空手」という名称の由来には諸説あり、中国(唐)に学んだ拳法ゆえに、当初、「唐手(トーテー)」と呼ばれていたものが「カラ・テ」と読み替えられ、その後、手に何の武器も持たないことを意味する「徒手空拳」の「空」が「唐」の字から置き換わり、「空手」になったとする説が一般的らしい。武器を一切持たず、ただ手と足だけで勝負するスポーツである。ここが極めて「かっこよい」。 

空手は長い間、秘技として伝承され、沖縄で一般に広まったのは1900年代初頭のことで、その後本土に上陸し、1922年、東京で開催された第1回体育博覧会で、「形(かた)」の演武が公開されたのを契機に、大学を中心として日本各地に普及した。海外にまで広まるのは戦後のことで、昭和30年代以後、多くの勇気ある日本人指導者が海を渡り、空手を全世界に広めた。現在、国内の空手人口は約300万人を超え、世界では 165カ国が世界連盟に加盟しており、4,000万人の愛好者、競技者がいるという。町でも今や多くのちびっ子選手を目にする。現在本校の空手道部員は中高合わせて108人もいる。 

この本校の「チャンピオンクラブである空手道部」に対して最近、外部からの侵入で少しだけ騒がしい状況になっている。この部に関しては保護者、OBを含めて陰に陽に、叱咤激励のお言葉やお手紙が私や高校校長に届く。殆どが称賛と激励であるが、当方が困惑するのは「匿名のお手紙」である。当方は指摘事項に対し、調査して返信しようにも連絡することが出来ない。府の行政指導は匿名の手紙は「放置しても良い」であるが、中には事実誤認の情報で本校空手道部の名誉棄損に相当するなども垣間見え、看過できない時もある。 

今回の匿名の手紙はまさにそうだった。私の指示を受け、高校校長は全てを監督官庁である私学課に匿名の手紙の現物を添えて報告し、住吉警察署に相談を持ち掛け情報を提供した。本校の校訓は「浄く、明るく、正しく、直く」の浄明正直であるから不祥事の隠蔽などは元来あり得ない運営を行ってきており、これは今後とも徹底して参る。

今や府内の私立高校96校でトップの入学者を受け入れている本校は今後とも学校の名誉を守り、教職員、そして本校で学ぶ生徒の人権を守る為に出来ることは全て行う積りだ。今回の匿名の手紙は間違いなく空手道部への名誉棄損だけではない。「学校法人への侮辱」であると私は捉えた。それくらい中身が酷い。

匿名の手紙を差し出したお方に申し上げたい。「顔を隠して」、名誉棄損、侮辱、人権侵害、恐喝まがいの中味等々書いた手紙を次々と学校に送ってくるのはいい加減にして欲しい。 徹底的に貴方が一体誰なのかを突き止め、お話をしたいと思っている。貴方は何が目的なのですか?

私はインターハイ前のこの大切な時に空手道部の生徒と顧問の先生方が可哀想でならない。昨日久し振りに練武館を訪ね、丁度練習の終わった部員を集めてまず神棚に揃って参拝し、私は空手道の部員を激励した。インターハイを控えて一層練習に身の入っている選手諸君は目を輝かし、練習を終えた満足感に浸っていた。私は結構長く時間を取って詳しく練武館の誕生の経緯などを話して聞かせた。武道をやっている生徒は礼儀正しく良い生徒ばかりである。今更ながら空手道部は良いな、だから強くなると感じた。