2024年7月5日金曜日

今日は令和6年、夏季賞与・一時金の支給日

 今日は令和6年の「夏季賞与・一時金」の支給日であった。小さな私立の高等学校・中学校と言えども「学校の経営」を担っている身にとって今日ほど特別な感情が湧き出る日は無い。表現すれば「まぁ、今回も良かったー!」と吐露しているところか?これが支払えなかったり、対前年度削減された支給額だったりすれば、私の性格からすれば「相当、落ち込んでいた」に相違ない。何時も同じように、この日早朝、ただ一人、ひと気のない学院神社にお参りしてこの夏も頑張ってくれてた教職員全員に「今夏も出すことが出来ました!」との報告と感謝の気持ちを大神様に表した。 


特に今回の賞与・一時金の水準は平成19年以来「学校改革を押し進めて」きたが、この間年間4カ月分として押し通してきた。その代わり「一回も削減などはせず」、資源はまず東館、中央館新校舎の建て替えやあらゆる教育環境の整備を優先してそこに経営資源を集中してきた。17年前にはお金は無かったが、銀行より借りて、まず稼ぐために「施設設備の全面更新」から始めたのである。お金を貯めてからやるのが学校の常套手段だがその逆を私は選択した。チンタラしていては間に合わないと思ったからである。しかし徐々に生徒は増え、開校100周年も見事にやり切り、この辺で頑張ってついてきてくれた教職員への還元策として年収水準を上げる時が来たと判断した。 



それでこの夏の賞与・一時金は従来の「年間4カ月から1か月分プラスして、年間5か月分の支給」とした。これで「年収水準は6%強上がる」。定期昇給分を入れると約10%の年収水準が上がる筈だ。これを押しなべて12か月で割ると月額の支給額は今次春闘では連合のデータでは33年ぶりの5.1%の賃上げ率とあるからそれよりも高い数値に私は一安心している。又過日支給されている公立の先生方と比較しても一段と高い位置に上昇した。本当は更に上を出すと言う選択肢もあったが、現在建設中の新中学校棟の資金需要を考えれば「丁度、良い辺の数値かも?」と考えている。このように経営に与るものは出しても出さなくても心の中に「若干、複雑なもの」が残る。支給方式は7月と12月の賞与一時金に2分割して「夏に2.5カ月、冬に2.5カ月+年末手当として一律に10万円支給」とした。勿論この4月には「定期昇給」をしているからこの月額基本給が基本となる。 


賃金体系には定期昇給とベースアップ(ベア)があるが、学校と言う組織体にベアの考えは基本的に無い。少なくとも本校ではあり得ないと考えている。学校会計で収入の増はあくまで生徒増しかなく、企業みたいに新製品の大ヒットや為替差損などは無い。地道に生徒が来てくれる学校を目指し、今それが実現した。しかし「明日の事は誰にも分からない」。府民や保護者、受験生の信頼を失えば一朝にして転落するのは多くの学校で観て来た。今年の府内私立高校でも約半数が定員割れにあると言う。「学校の教員への還元はまず賞与・一時金で行うべき」と言うのが私の強い信念である。今日は何か心の中に「晴れ晴れ」したものがある。この感情は初めて味わう「経営者冥利からくる」ものだろうと思った。