2020年1月7日火曜日

「多聞楽舎」という建物


 どうも名前を付ける事が大好きだ。私はネーミングマニアである。この14年間で様々な建物を造って名付けて来たが、今懸案の建物の名前をこの休みに考え、肚を決めた。「多聞楽舎」とした。「舎」と言う字は“宿る”の意味があって一般に人の住む建物、家、屋敷まで幅広く使える便利な漢字だ。校舎・屋舎・兵舎・営舎・官舎・寄宿舎・精舎(しょうじゃ)・茅舎(ぼうしゃ)・禽舎(きんしゃ)・牧舎・駅舎・堂舎などが辞書にはあった。もう一つの意味は仮にとまる建物を言い、やどり、やど、やどや、仮の家の事を指す。客舎とか旅舎である。この家の外観などを考え、今回はこの仮の家、やどりの意味に重きを置いた。


実は昨年末にこのアラウンドでも紹介したように南河内郡千早赤阪村に格好の土地を見つけ浪速中学校専用の「多聞果樹園・農園」を先程完成させたのだが、この土地には築60年を超える、小さな平屋の建物があってこの利用方法を思い巡らせていた。当初は取り壊す方向で考えていたが、どうも忍びなく、結局残存させて手を入れ、生徒の昼食休憩場所やトイレなどを設置すべきと考えた。ここは新しい家屋が立てられない土地で、折角の建物を壊すと二度と立てられないという理由もあった。しかし小さく、見るからにみすぼらしい感じで大幅に改造を要するが、今なら可能なので決心したのだ。






その解体、修繕、修復工事が昨日から始まった。年末には請負業者さんである千早赤阪村の地元企業である「千福建設(株)」さんに私の完成イメージは強く既に伝えている。折角手をかけるのだから、良い建物としたい。この建物の名前が「多聞楽舎」である。“がくしゃ”という読みは今までに有ったが“らくしゃ”の読み方は余り聞いた事が無い。言わば私の勝手な読み方なのである。多聞小屋、多聞屋舎、多聞堂舎、多聞堂宇等々色々と考えたが「楽しい場所」の意味に重きを置いて多聞楽舎とした。これで金剛山麓の「多聞尚学館」に山里の「多聞茶寮」「多聞果樹園・農園」、その傍に「多聞楽舎」が加わったのである。4本柱である。





この多聞楽舎の使用は第一には生徒優先であるが教職員の研修場所としても使用可能であるし、幅広く地元にも開放する「多目的空間」である。「楽しむ場所」「憩いの場所」「談論の場所」「癒しの場所」「料理教室等のサークル活動の場所」等に有効に使ってくれれば良い。私は本日初めて建物の中に入ったが、見た目はボロ屋だが手を入れれば何とか「古民家風のやどり」に化けるかも知れないと感じた。多聞果樹園で農業栽培体験をした中学1年生がこの多聞楽舎で声を張り上げて共にカレーライスを作って食べている様子を想像するだけで私は幸せな気持ちになった。3月末までには完成させるよう業者さんにお願いしている。