昨日、「大阪中高連傘下の校長部会」があって高校の飯田校長が参加し、今朝ほど私への報告があった。この外部会議は重要な内容が含まれているために私は気になる場所をチェックする。今回、目に留まったのは紙一枚の「大阪府の将来に向けた公立高校の募集のあり方」についてであった。要は今のやり方を「根本的に見直す」という意気込みと方向性の発表であるが、個人的には「言うは易く、行うは難し」ではないか。簡単ではないから先人は苦労して現在の公私の振り分けが行われてきており、これについて大きな問題や批判は耳には届いていない。令和4年度入試で公立高校は61.6%、私立高校は38.4%となっており、これは平成28年の66.9:33.1の比率からすれば私立入学の割合が5.4ポイント増えている。徐々に私学の比率が増えてきているのだが、これは私学側の涙ぐましい努力の成果であると私は思う。
社会は規制を外し、行きたい学校、学びたい学校を目指す「学校選択の自由度を高める」のが大きな流れであり、これに掉さし、新たな規制で縛るという方向なら大きな混乱が生じる危険性があるのではないか。「条例をいう錦の御旗」で公立高校単位で毎年毎年、募集人員を変動させるのは地域の私立高校の収容能力にも大きな影響が出る。背景は公立の定員と募集人員との乖離である。私立は今や公立高校の受け皿ではないし、私立併願合格の公立受験失敗者の助け舟の役割も徐々に下がってきている。系列私立中学校からの進学、高校の私立専願がやはり「あるべき姿」である。今後どのような方向になるのか我々は注視しておく必要がある。昨日の会議で今年の私立高校95校で「本校は900人と何と府内96校のトップ」に位置した。歴史始まって以来の事である。別に数が多いから良いと言う訳ではないがそこには「努力の成果」がある。「ボォー」と突っ立っていて入学者が増える訳ではないだろう。公立は公立で私立は私立で生徒募集に努力する命題は今に始まったことではない。何十年も前から少子化は分かっていた筈だ。
今日は高校、中学共に「保護者の授業参観日」であり実に3年振りだ。授業参観、懐かしい言葉だが授業料を負担して下さっている保護者に本校の先生方の授業を参観して貰うことは未来永劫重要だと考えて我々はやっている。これを止めるなどあり得ない。このような地道な手のかかる行為を継続する事こそ学校理解の切り札であり生徒獲得に繋がる。今日は浪速中学校はほぼ全員の保護者400人、高校は約900人と聞いている。特に中学校に関する保護者の関心が高まっていると思う。今年は148人と新記録の入学者となった。既に来年度入試に向けて広報活動は始まっている。明日は私立中学校フェアが終日、府立国際会議場で行われ、私も顔を出す。「よーい、ドン」の号砲が鳴る日だ。そして開校100周年事業である「新浪速中学校棟の建設」をこの4月30日に私は内外のお客様の前で高らかに宣言する。高価な投資であるがこれはやらねばならない。私立は他と比べ、どれだけの差別化がなされるかで決まる。良い先生を揃え、教育環境も教育の中味も他との差別化と近代化を常に進めて行く学校は強い。方向は決まっている。その道を信じてただスピードを上げて進むだけだ。