2023年4月28日金曜日

外国からの賓客

 晴天に恵まれ、今日は高校、中学の「校外学習」の日であった。私の如き世代では「遠足」と言った方が分かり易い。何しろ高校で59クラス、中学で12クラスだから、付き添う教員は校長を含めてほぼ全員だ。30日の会場設営など準備作業で、今日から業者さんが入るから高校の教頭と教務部長は学校に居残ってそちらの準備や遠足グループや外部からの電話番にあたる。今日は素晴らしい天気だがどうも30日は崩れる予報である。しかし当然1年前、準備に入った段階から「雨天は意識して」おり、特に奉祝祭パートの場所はテント張りで「全天候型」にしているから全く問題はない。式典や祝賀会は建屋内だから雨風が強くとも全く問題は無い。神道の世界では「雨は天から降り、天は天照大御神である」と考えている私は一向に気にしていない。 

今日は祝賀会の席の配置を最終的に決めた。中央館6階の天空レストランで行う為、場所の大きさに限りがある。現在の席は一旦全て外に運び出し、シェラトンホテルから丸テーブルが持ち込まれる。その数は21テーブルだ。その席にご案内出来る人を決めなければならないし、その配置も気を遣う。常務理事、事務長と額と膝を突き合わせて検討したのも数回になる。社会的なポジション、本校との関係、寄付金の多寡など様々に頭を巡らせて配慮するのが礼儀である。中には「何で私の席は此処なの?」「名前リストで一番下に書かれている」等々の内心の不満はご本人は慶事に免じて「口には出されないが」、ご招待した側はそれに甘えてはいけないだろう。こういうところは徹底して考えるのは「ホスト」としての私の主義だからである。

大変お忙しい御身で予定が決まらず「すったもんだ」したが今回は外国からの賓客がわざわざこの式典の為に飛行機に乗って来て下さる。そのお方はフィリピン共和国の有力総合大学のパーペチュアル・ヘルプ大学の総長先生である。オーナーでもある。先に連携契約を行い、国際コースの語学研修をこの大学で行って以来親密な関係が続いている。今年もこの大学に生徒を派遣する。関空到着が一日遅れたが明日の午前中の便で来て下さると言う。マニラ空港を夜中の3時離陸と言うから本当に申し訳ないが有難い限りで本校では最高グレードの「おもてなし」させて頂く積りだ。21世紀の世界は東アジア、東南アジアであり、その期待できる中心国はフィリピンとマレーシアと私は個人的に考えており、「母国語が英語のフィリピン」は特に関心度が高い。

 
今後更なる両者の発展を祈念し私は今回の訪日を高く評価し、心より温かくお迎え致したいと思う。それが本校の将来の発展に繋がると信じて疑わない。ドクター、アンソニー・タマヨ総長より頂いたメッセージ(当方にて翻訳)は以下のようなもので本当に心強い。少し長くなるが後世の為に全文を紹介しておきたい。日本の一私立、それも大阪の一介の私立高校であるが、我々の視野は日本の大学への進学をまず考えるのは当然として、ぼつぼつ世界を視野にした「生徒の進路指導」を考える時期は来ている。そこが私立学校たる所以であり責任ではないか。

「ドクター、アンソニー、ホセ、 タマヨ 総長からの祝辞 全文紹介」

 「フィリピン・パーペチュアルヘルプ大学デルタを代表して、浪速高等学校の創立100周年を、心からお喜び申し上げます。この節目は、貴校が、その始まりと長年にわたる功績を振り返る機会となります。浪速高校は、1923年の創立以来、浄・明・正・直の建学の精神のもと、世界のさまざまな分野でリーダーとして活躍する卒業生を輩出してきました。 

 また、この学校の歴史に大きな足跡を残し、その成功に貢献した皆様を称えたいと思います。創立100周年を迎えた浪速高校が、これからも子供たちを照らす光であり続けますように。生徒たちに質の高い教育を提供し、将来のキャリアで活躍できる有能な卒業生を輩出するという使命を、これからも堅実に果たしていくことができますように。また、浪速高校が、現在の混乱した時代における困難の中にあっても、教育においてより大きな成功を収めることができるよう、献身的に努力し、その目標を実現するために一段と向上させることができますように願っております。 

 浪速高校が、私たちの生徒たちに質の高い教育を提供するためのパートナーの一人であることに、心から感謝します。学校間連携には、公式・非公式、あるいはその両方を組み合わせた、さまざまな連携活動があります。学校と大学のパートナーシップは、学生、教師、研究者が協力して、教育や学習活動に最先端の発展をもたらすことを目的としています。私たちのパートナーシップは、それぞれの学校を強化し、サポートし、さらには変革し、プログラムの質の向上、資源の効率的な利用、学生主導のイノベーションをもたらすことを目的としております。 

 私たちの学術提携は、国際的なレベルでの協力や教育、科学、技術交流を促進することに着目したものです。また、研究、研修、文化の普及の分野で卓越性を追求し、国際協力を共同創造し、発展させることを宣言します。

 最後に、私たちの友好関係は、学術的・文化的なチームワークの良き例であり、卓越性と質の高い教育を促進するものでもあります。私たちの大学は、浪速高校と協力し、フィリピンと日本両国で、生徒の可能性をさらに広げることのできるものであり、それを誇りに思います。 

 浪速高校の100周年記念式典は、より明るい未来の始まりです。創立記念日という節目に、パーペチュアルヘルプ大学は浪速高校と共にあります。神がこれからも貴校を祝福し、導いてくださいますように。あらためて、浪速高等学校にお祝いの言葉を申し上げます。ありがとうございます!