2019年2月11日月曜日

「教員の働き方改革」アドバルーン


社会の急激な変化が進む中で、子供が「予測不可能な未来社会」を自立的に生き、社会の形成に参画するための資質・能力を育成するため、学校教育の改善・充実が求められている。今次改定された「新学習指導要領」はその根幹である。しかし単に教員は学習指導のみならず、多くの事案で走り廻っているのが実態である。それは学校が抱える課題がより複雑化・困難化していることが背景としてある。

 

 文部科学省は「今更ながら」と言う感もするが、このような中、「教員勤務実態調査(平成28年度)」を行い、この集計から「看過できない教師の勤務実態」の言葉を使って明らかとした。「遅ればせながら」でも良い。少しでも教員の実態が教育行政のトップ機関に繋がったことを評価したい。このため、文部科学省では、何時も以下のような美辞麗句を使って、「教師のこれまでの働き方を見直し、自らの授業を磨くとともに、その人間性や創造性を高め、子供たちに対して効果的な教育活動を行う」ことができるようにすることを目的として、「学校における働き方改革のアドバルン」を上げたのである。中央教育審議会で議論が行われ、平成31年(2019年)125日に答申が取りまとめられた。メディアでも結構大きく取り上げられた。
31-2-5 耐寒行事「山の辺の道」を歩く
付き添い高校教員
しかしだ。働き方改革と言ってもあくまでその組織とミッション、その中における管理者と個個人の能力と意識の持ちように結局は収着して行く。働き方改革の手法は色々とある。例えば部活動の時間制限とか外部指導者の招聘とか。しかしそれで問題が根本解決するとかということは絶対ないだろう。大切な事は組織管理者のそのテーマに関する意識と大ナタを振る勇気を持つことが出来るかどうかだ。単に仕事を切るとか,軽減すると言うだけでは結果が異なって来て結局元の木阿弥になってしまう。結果を担保しながらどうやって仕事を変えるかだ。ここが働き方改革のポイントである。特に組織管理者の責任は大きい。全てと言っても良いくらいに大きい。本校の教職員の働き方改革はすべて私の方向性となたの使い方にかかっている。責任重大である。

 

30-12-20 職員会議



私立高校の入学試験の事務作業で、9日、10日、11日の社会の3連続連休は私立の教員にはない。これは教職員総出でないと対応できないし、外部委託など不可能である。どのように働き方改革をせよというのか。大体世の中の休みの時に私立の教員は働いている。土曜日も働いている。以前の今日は全教員出席で「合否判定会議」の職員会議であったが、私は2年前から拡大校務運営委員メンバーだけで判定会議とした。これで多くの教員は連休最後の日が終日休めることとなった。



31-2-11 拡大校務運営委員会

教員の働き方改革の要諦はまず「全員参加型の会議を止める」事である。「司、司に任せる」考え方が重要である。学校を組織として考え、良い意味でのヒエラルヒー階級組織として考えないと先行き教員の働き方は変わらない。一時期の学校現場における「職員会議至上主義」はもう前世紀の遺物である。本校では確実に職員会議の位置づけが相対的に低下してきている。その分、司の責任は増大だ。その責任を全うした人に昇給やボーナスが増えるのが組織の有り方である。誰もが均等に平等にという時代は既に過ぎ去っている。個々の能力が違うのだから、当たり前の話である。職員会議の在り方は働き方改革の一番の弊害となる要因である。
30-12-20 職員会議