「神道行事に参加していただくことになりますが大丈夫ですね?」と受験生に聞く。面接マニュアルの一部である。本日は入学試験2日目、「受験生との面接日」であった。厳しく言えば「面接試験」であるが、この日の面接だけで「合否を判定」する訳でもないから我々は面接の実施と表現している。実際本校には家がお寺さんやクリスチャンという生徒もおり、神道に宗旨替えを強制する訳でもない。あくまで学校行事への参加の意思確認である。
31-2-10面接会場
入試広報部の資料によれば府内70校の私立高校が面接をしている。その内39校は専願、併願共に実施し、残り31校は専願生のみの実施とあった。本校は専願・併願両方で実施している。企業への就職試験でも面接は重要でどちらかと言うとこちらに重点をおいていると言えるかも知れない。とにかく面接は有効な人物判断の手法だが一歩間違うと大変なことになる。個人情報や人権問題に直結するからである。
私が着任して3年目から面接を加えたのであるが、今までトラブルは全くない。入学後も全ての生徒は神道行事に積極的に参加してくれ、自主的に朝と夕、登下校時には学院神社に向かって一礼している姿は日常のことである。個人的意見かも知れないが、神や仏への敬虔な心は人間を謙虚にし、心が穏やかになる。人に優しくなるのも頷ける。苦しい時の神頼みでも良いが、やはり「報恩感謝」の気持ちを蘇らせる効果は大きい。
教育と言う営為における宗教の影響は漢方薬みたいにじわじわと霧雨のように影響し効果があると信じている。大阪の私立高校でも仏教系、ミッション系とあり、希少な神道系の学校である本校を私は誇りにしている。元々神道と言うのは教義もなく、感じる宗教とも言われ、最早日本文化として日本人の心に入っている。だから生徒は皆、入学後は伊勢修養学舎も、山の辺の道も、一斉参拝もすべてに積極的に参加してくれている。「心豊か」に育っていることを実感する場面は多い。学校は勉強だけを教えるところではない。
伊勢神宮内宮参拝 |
伊勢神宮五十鈴川 禊 |
31-2-5 山の辺の道 石上神宮参拝 |