2019年7月11日木曜日

「1000円のケーキ」

「こんなもん、要らんワイ! 食えるか!!」

「そんなこと言わんと!これは刑務所からではないで。教誨事業に参加して下さっている人からの、言わば、差し入れやで」。


皆さん、それがこの前、ある受刑者から「この前は美味しいケーキ、ありがとうございました」と感謝されました。わずか1000円のケーキがこの死刑囚の口からお礼を言われ、感謝の言葉として出て来たのです。・・・・。これは昨日市内の大きなお寺さんのご住職と施設関係者からのお話でした。このご住職は大阪府の教誨師のお一人です。

 

昨日市内某所で大阪府教誨事業後援会の総会があり、不肖私も後援会のメンバーの一人で参加して参りました。平成30年度の収支決算と令和元年の予算の議題でしたが以上の会話はその一こまです。大阪刑務所、大阪拘置所はじめ13の施設での被収容者の「教化助成」としてわずかな年会費の使途を施設関係者は本当にかっちりと有効に活用されています。運動会や教材購入費などにです。


 


その使途の中に令和元年で言えば、○○人の死刑確定者援助費として一人当たり1000円の単価でケーキが教誨事業後援会からプレゼントされるのです。私はこれらのお話を聞きながら何とも言えない複雑な感情が湧いて参りました。「良い事をしたな、良い事をしてるな」という思い上がった感情ではなくて世の中には人生最後の時を迎え、1000円のケーキに素直に感謝する人々と彼らの魂に寄り添う教誨師の先生方がいると言う「社会の現実」です。