私立学校には独特な言葉がある。まず「専願入学者」「併願入学者」がある。専願は公立高校を受験せずに私立一本の生徒を言い、併願とはまず先に公立受験を行い、若し、失敗したら先に合格通知を貰っている私立高校に入学するという仕組みで今や日本全国、知れ渡った表現である。この言い回しは大学受験でもある。ただ専願を希望して先に私立大学に合格しているから国立大学を受験出来ないという訳ではない。所謂「滑り止め」である。某私立を先に合格し、3月になって京都大学に合格したから、当然京大に行って私立はキャンセルと言う訳だ。しかし高校受験には専願で申請して、後で公立受験は出来ない。それをやったら入試の仕組みが完全に崩壊してしまうからである。又私立高校入学には「内部生」というのがあって同じ学校法人内で中高一貫、あるいは本校のように併設中学から高校に進学する生徒を言う。
ところが実は区分はまだあって「併願から専願への切り替え生徒」が居るのである。併願合格の切符を持って、暫く経ってから、「もう公立は受験せずに浪速に行きたい」となったケースであり、結構な数の受験生が希望して来る。とにかく私立高校の入試システムは「複線」であるが、そこが又面白いのである。本校は併設中学を有しているから入学者の分類は専願生、併願生、内部生と3区分だがこれらは入学式までで一旦入学したらこれらの言葉は意味をなさない。ところで今日の午後は「専願生の登校日」であり、534人の専願生が希望に胸を膨らませて登校して来た。新記録の数値である。まず制服採寸、体操服寸法チェック、制靴の寸法チェック、加えて様々な「書類配布と説明」がある。内部生は制服など既に有しているから登校する必要はない。何時も制服採寸の光景を見るのが楽しみであり、私は会場を回って雰囲気を楽しむ。これも「開校100周年の節目の年」に極めて多くの生徒が入学してくれるからだ。もしこれが逆だったら、少し落ち込んでいただろう。
昨日は高校の1.5次入試があった。朝会に出席して様子を伺ったが教員は何時も通りにダークスーツを着て緊張感を失っていなかった事が嬉しい。10日の1次入試は2000人を超える生徒が登校して来たが1.5次は数十名である。しかし数の多さではない。一人一人の受験生の人生がかかっており、礼節を持って執り行うべきであり、本校の先生方はこの点だけは重々承知している。そこが素晴らしいのだ。昔ジャケット姿や白っぽいスーツでいた教員を私は指導したことがある。「帰って着替えて来て!」とね。15時半過ぎに合否判定会議があり、これで全ての入試が終わった。「24日の2次試験の募集はしない」。全ての機会を受験生に与えて昨日で全てが終わった。後は3月17日の公立高校の発表日を待つだけとなったのである。
肝心の高校の入学者数の想定だがどうも「900人前後」となりそうであり、新記録の数値が眼前に迫って来た感じだ。まさしく「嬉しい悲鳴」を上げている。教室数は「20クラスから21クラス」で、新設中のNS館の常務理事室を一般教室に替えたから収容教室は余裕が出きた。全く問題ない。後は「教員数」であるが、これも何とかなる。問題は「良い先生」であり、英語と社会の良い教員を高校校長が目を皿にして今探しているところだ。「我こそは」と思う先生は是非応募して欲しいと思う。それにしても下のグラフを見て欲しい!15年かかって高校で900人、中学で148人と何れも新記録の数値である。4月1日時点で総在籍数は2916人である。信じられない数値である。15年間の苦闘でこのように多くの生徒が集まる学校になった。このグラフを見るたびに私は何とも言えない「達成感」を「じわっー」と感じる。「浪速改革」に共に戦ってくれた過去そして現在の全ての教職員が頑張った成果である。「先生方、祝杯を上げようではないか!乾杯だー!」。気持ちよく100周年を迎えられるぞ!