2023年2月10日金曜日

斎戒沐浴して今日に備えた

 「斎戒沐浴(さいかいもくよく)」と言う、結構使われる言葉がある。私も時たま使う。元々は神事、仏事に関して使う言葉であろうが、今では拡大され重要な行事にたずさわる前に、心身を清めるため、行いや食事をつつしみ、体のけがれをなくすために身を洗い清めることでも使われている。「斎」は、心身を清く保つことで、「戒」は、つつしみ、誤ちを戒めること、「沐浴」は、身を湯水で清めることをいう。今日の浪速高校入学試験の為に昨夜から私は斎戒沐浴して今日に臨んだ。服装も「ダークスーツ」にしたが朝礼で集まった教職員も全員がダークスーツ姿であった。これもまた受験生に対する礼節的な心の表れで大変結構であったと思う。霧雨の中で受験生は登校してきたが雨など大きな問題ではない。お顔を見ると必死の形相が見てとれた。 



今日、登校してきた受験生は出願数で言えば2048人である。今日大阪府では全ての私立高校が受験日としている。府内全日制96校でざっと65000人がそれぞれの受験会場に詰めかけているが、何と「上位20校だけで50.2%を占有」している。20校で半分を、残り76校で半分だから、「厳しい現実」がそこにある。大阪ではトップが近大付属さんで2478人、次いで本校が2048人、3位が桃山学院さんで1922人と続き、20番目が興国さんの1247人だ。私は「浪速高校の置かれているポジション」について遠い昔を想い、感無量になるのだが、過去頑張ってくれた先輩教員や今を本校で生きている教職員に慰労と感謝の言葉を捧げたいと思う。又創立100年目の今年の入試がこのような状況にあるのは間違いなく「ご神慮」の賜物であり「ご加護」「ご神恩」に感謝申し上げたい。

 

入試作業ほど緊張感を伴い、分単位の時間軸で動き、くるくると局面が変わる業務はない。今日は中高合わせて非常勤も含めた「総力戦」で戦い、全ての校舎群と教室を使っての作業となる。使う教室数は57にもなる。今日は一言で言えば「多事多端」の日とでも言おうか。作業の種類が多く とても忙しいことを言う言葉であるが、そこに緊張感が伴うから私も、校長も教職員も大変だが、「受験生にとっても人生の大変」であり、一つでも「ミスは許されない」。又私立学校にとって言葉は悪いが「飯のタネ」であり、入学者が居ればこそ、我々の生活は成り立っているのだから、ここは押さえて頑張らないといけない。毎年毎年この時期にくる定番の光景だが、決しておろそかに出来ない所業であると私はキックオフの朝会でも強調したのである。 

まず受験生の登校状況、点呼、コロナ対策、筆頭開始は8:50分の国語から14:55分の社会の終わりまで、試験監督、回収、本部への持ち帰り、次の問題用紙と答案用紙の持参、又回収と、続く。3コマの試験終了後50分の昼食休憩があり、後半は2科目の試験だから受験生も大変なのである。終われば直ぐにバイバイとはならず、2100人の受験生が一挙に最寄りの駅に行くと大混在するから「時間差下校」となる。その昔駅長さんから「ホームが危ないので」と言われ我々は見張り役まで付けて事故やトラブルのないようにしている。学力試験が終わっても教職員は終わりではなく、受験生の無事な下校を確認した後、17時「採点作業」が始まった。学力試験は受験生がするものであって学校側教職員の仕事は採点業務なのであり、局面が大きくここで変わった。斎戒沐浴のお陰で、順調に全くトラブルなく1日目の学力試験は終わった。私はほっと安堵しているところだ。