2023年2月11日土曜日

デジタルスクールの先駆けとなるを誇れ!

  10日から12日の入試作業の期間中は学校内に何人も立ち入る事は出来ない。犬猫一匹さえ立ち入りは出来ない。大切な受験生の答案用紙を保管しており、採点をし、合否判定を行って封筒に通知を入れ、郵便局に手渡すまで厳重な管理下に学校は置かれる。NS館の建設工事も休止である。入学試験とはそういうものである。今日は「建国記念の日」、正門には国旗が翻っている。「建国をしのび、国を愛する心を養う日」として、1966(昭和41)年に定められた。この2月11日という日付は、初代天皇である神武天皇が現在の橿原神宮の地において即位された日であり、今日は皇紀2683年2月11日となる。私は日本と言う国に生を受け、祖先から受け継いでいる文化の下で育ってきた。悠久の歴史に思いをはせ、神社神道の学校の理事長として特別な感慨で何時も正門に掲げる「国旗」を眺めている。

今日は昨日実施した学力試験の採点作業の続きがあったが、本校での景色は全く変わった。昔のような答案用紙の束の前で教員が「色マジックペン」を持って「〇や」などを記していき、電卓で合計して行く場面は本校では完全に消えてしまった。まさに画期的な事であり、本校のIT化が突き進んでいる証拠である。マジックの代わりにパソコンの画面に釘付けとなって電子答案と向かい合い、二人一組で同じ個人の正答をチェックし二人が合致すれば正答として自動的に集計されていくシステムを導入して4年目になった。東京に本社を置く教育業界の新しいアウトソーサー「佑人社」とのコラボレーションである。受験生の答案用紙が返ってきたら、それらをその場で高精度・高速のマシンで「スキャン」し、画像データをブラウザ上で共用する仕組みである。私は職員室であった朝会に出て先生方を激励し、「デジタル採点」方式を完全に物にして、デジタルスクールの先駆けとなるを誇るように言ったのである。


昨日の学力試験が終わった後教室の片付けなどをして採点作業に入ったのは17時、昨日の勤務時間は18時30分としていたから、昨年まで用意していた夕食は今年から廃止し、教職員には帰宅して貰った。そして今日が続きの採点日で午前中に英国数理社の5科目で総数2040人分の答案用紙が完璧に採点された。デジタル採点は全教員がデータを共有し、採点ごとに集計されていく仕組みだから時間は大幅に短縮され、採点の正確さもあり、そして「何と驚くような速さで採点作業が終了」した。昨年が11時過ぎだったが今年は10時04分に最後の国語の採点が終わった。片付けなどを行い、折角の3連休でもあり、可能な人は「時間有休」をとって退勤だ。「働き方改革」の為にも有効な手段であることを再確認した。初期投資分は既に回収している。このような投資を「投資回収効率が高い」と言う。

 

学校にとって核となる業務は、言うまでもなく教師による学習指導や校務運営であり、その為に教師にとって大切なのは、生徒の学力を伸ばし個性を育む専門技術であり、延いては生徒とのコミュニケーションそのものであるが、その教師が、「人力に頼る」昔ながらの方式では益々「教員の成り手」がいなくなる。本校は今後ともIT武装された先駆的な学校を創っていき、「多忙な教員の仕事を軽減する仕組み」を作っていく。その為に「情報企画部」「ICT教育推進部」を分掌として作り、最新鋭の個人パソコンとグーグルのタブレットを全教職員に貸与している。「打つ手が全てに亘って効果を出す」場面を見ることほど理事長として嬉しいことはない。