2023年2月1日水曜日

2月一斉参拝と昨日の木村賞のこと

 今日は2月1日、今年度も後2か月で終わる。2月の学校行事も重要なものが「目白押し」であり、「10日からは3日間かけて高校入試」がある。17日に高校の1.5次入試を入れているのは最後の機会を受験生に与える為である。高校は2月入試は行わない。十分な生徒が確保できているからだ。中学については2月入試をこの3日に行う。現時点で複数名が受験希望だ。そして月末にかけて「学年末試験」がある。このように着々と行事が進み、今年の集大成と来年度の準備作業がある。従って2月、3月は新旧の入り交りで忙しい。しかし何事も「終わりよければ全て良し」であり、「年度末」は生徒も教職員も気合を入れて頑張らねばならない。今日の「一斉参拝」でも私は生徒にこの事をパンチを込めて伝えた。生徒に対して物事を語る場合は単にストレートに言うのも味が無いから、声高く何かしろの工夫をして伝える事が私のスピーチのポイントである。 


今回は英語表現に言及した。「終わりよければ全て良し」は「All's well that ends well.」と言う。簡単な表現であり単語も難しくない。神社神道の精神である「今を一生懸命に生きる」は「中今」と言う表現を使うのだがこれを英語で表現すると、色々と考え、「Here and Nowとした。言い得て妙な英語表現である。恐らく英語を母国語とする人々には理解して貰えるのではないか。このようにして生徒には「日本語の言い回しを英語表現だったらどうなるか」など教えて行かねばならない。学校と言うのは「教え、考えさせる場所」であり教員から一方的に伝えるだけではものにならない。最後は思考力の勝負となるからだ。生徒が自ら調べ考えるように持って行くべきである。それが判断力に繋がる。 



それにしても昨日の卒業式は良かった。入学式の無かった学年の卒業式を初めて経験した。PTA3学年の委員長さんが謝辞で4月になっても登校できず、担任の先生の顔写真が送られてきたなど話されていたように、この学年は3年間徹頭徹尾コロナに振り回されたが、案外と立派に育った学年だった。「ぬくぬく」と決まった路線を歩かせるよりも変化の中に身を置けば「状況を考え、考える子に育つ」可能性の高さを今回実感した。この事も今日の一斉参拝で伝えた。「ぬるま湯」では身体は温まらないし、脳も働かない。

 

卒業式とは校長が司る最も重要な儀式で式辞は勿論校長先生の業務である。3年間の集大成として入学と卒業を許可したのが校長である。理事長・学院長たる私は学校設置者として「式典を見守り、特別褒賞を授与する」のが仕事である。まず「学校法人木村賞」「学校法人寳來賞」「学校法人理事長賞」が私から授与される。次に「財団大阪国学院理事長賞」が大阪府神社庁顧問の南坊城先生から与えられた。特に本学院褒賞規定のトップに位置する木村賞は御代替わりとなった令和元年に創設された賞で、在学3か年間学業成績・生活態度が極めて優秀で他の模範となる生徒一名に特別に褒賞されるものである。最も高額な奨学金が授与される。これは私個人の寄付による基金であり、この先50年間続けられるように多額な積み立てが既に用意している。 



今回木村賞を授与された生徒は真面目で努力家である。志を立てて一心不乱に努力するタイプであり、希望する大学は「京都大学」であると聞いた。あと少しで安心圏だと担任は言っていたが、第二、第三の手を考えている。とにかく一度立てた目標は簡単には変えない頑固さもある。素晴らしいと思う。式典の後、学院神社の前で保護者、担任の先生ともに記念の写真撮影があり、美しく額に入れて後日自宅に配送される。今年の卒業式で、この爽やかな身長の高い4人目の受賞者が出たことがとても嬉しい。木村賞を受賞した生徒がこの先地域、日本の為に頑張ってくれればこれほど嬉しいことは無い。